アイデアを生み出すための発想方法/企画屋としての性分 | 和文化案内『ゆかしき堂』のブログ

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私は企画屋です。

何かものを考えて、それを具現化していくのが仕事です。

その仕事とは、すなわち「アイデアを現実の形にすること」です。

閃きや思いつきなど、アイデアはふっと降りてくるものですが、それをどのようにしたら生み出していけるのか、ちょっと意識してみるだけで頻度が向上します。

今日は、「アイデア」についてのお話です。


さて。

企画屋は、アイデアを具現化する、現実の形にすることが仕事だといいました。

良いものが思い浮かんでも、それを形にすることが一番難しいものです。

でも、そのとっかかりであるアイデアを生み出すことも難しいものですよね。


けれど、アイデアとは、ほんのちょっとの切り口、着眼点、目のつけどころでいくらでも湧いてくるものなのです。

それは、ゼロからひねり出すものというイメージではないのですね。

誰もが見ている同じ風景を見て、「違うこと」「違う価値」「違う風景」をイメージしようとする、そんな習慣をもつことで生まれてくるものなのです。


違う「切り口」を探す発想は本当に大切です。

発想の豊かな人というのは、一つのものを見て深く考え込んだり(集中)、逆に他の余計なことをたくさん連想したり妄想したりします(拡散)。

この集中と拡散が自由自在に動くとき、脳はたくさんのアイデアをリサーチしています。


「切り口」とは着眼点のことです。

たとえば、有名なヒット商品の事例です。

普通、接着剤は弱くてすぐにはがれ落ちてしまったら不良品ですよね。

研究者は、もっと強力な接着剤を開発しようと躍起になります。

これは先ほどの「集中」ですね。

ですが、ここで意識を「拡散」させてみます。

視点を変えて、切り口を変えれば、違うものが見えてきます。

すなわち、すぐに剝がれる接着剤があっても良いではないか、という着眼点です。

そうして生まれた大ヒット商品が、オフィス事務に欠かせない「ポストイット」なのです。


何かものを見た時、聞いた時、スポットライトの浴びせ方を少し変えてみようとスイッチする。

すると隠れていた部分がクローズアップされてくる。

それが面白くて魅力的なものであれば、それがアイデアであり、あとはそれを現実化するための方策へと移っていきます。


また、アイデアを発見するときは、パロディ的な発想も参考になったりします。

簡単な方法としては、「文字を入れ替えてみる」などはそれにあたりますね。


有名なコピーライターの糸井重里さんですが、彼は「オリジナリティがない」と自他ともに認めている方です。

彼の仕事は、まさに文字を入れ替えるという「ことばの交換」なのですね。

有名なコピーを幾つかあげてみましょうか。

・「おいしい生活(西武百貨店)」

・「僕の君は世界一(パルコ)」

・「うれしいね、サッちゃん(西武百貨店)」

それぞれ、「甘い生活」(映画)、「うちのママは世界一」(テレビドラマ)、「サッちゃんの一節」(童謡)であることが一目瞭然です。

これらのコピーの最大のメリットは、「懐かしさ」です。

どこかで聞いたことがあるフレーズに、耳と心がすんなり受け入れやすいモードに入るのでしょうね。

このような発想も、まさにアイデアです。


脳味噌を使うことは面白いです。

アインシュタインが言った言葉に、

「想像力は知識よりも重要」

……というものがあります。

彼は、知識が知識のままでは、何の役にも立たないことを知っていたのでしょう。

大切なのは、現場で使えるように知識や情報を活用できるようにすることなのです。

それがアイデアです。


そんなわけで、日々おもしろおかしく、いろんなことを発想して具現化していけるように動いているのです。



 



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