【小林 美希】国が見捨てた就職氷河期世代の絶望…バブル崩壊後の30年間で何が起きたか 当事者として、取材者として



国際競争の名の下で人件費を削減したい経済界は政治に圧力をかけた。不況がくる度に労働関連法の規制緩和が行われ、日本の屋台骨が崩れていった。最も影響を受けたのが就職氷河期世代だ。これからを担っていくはずだった若者たちが、非正規雇用のまま40〜50代になった。


企業はコスト競争力を高め、人件費や社会保障負担を削減するためにフリーターや派遣社員を増やしているが、長い目でみると日本の企業社会を歪なものにしてしまう。非正社員の増加は、消費を弱め、産業を弱めていく。
若者が明日どうやってご飯を食べるかという状況にあっては、天下国家は語れない。人のため、社会のため、国のために仕事をしようという人が減っていく。


世論が盛り上がれば、政治は正しい方向に動かざるを得なくなるということだ。その世論を作るのが、現場の声であり、現場の声を活字にして伝えるのが私の役割だ。



この記事には「too late」という言葉が何度か出てくるが、俺もこれから氷河期世代の対策をするのは遅すぎると思うわ。

国が氷河期世代に出来ることは、例えば60歳になったら自ら安楽死を選ぶことが出来るといった消極的なものだろう。これは、国にとっても社会保障費の減少につながり、メリットはある。

人口の多い団塊ジュニア世代を氷河期世代とすることがいかに国家に悪影響を与えるか、目の前の危機への対応に夢中で気付いていなかったんだろうか。

氷河期の団塊ジュニア世代を若いうちに救済しないと、人口減少が加速するのは明らかだった。

思えば、非正規雇用により将来の見通しが暗くなり、子供を産まないのも、女性が男性の収入減に気付かずに高望みとも言える高い年収を希望してしまうのも、時代の変化に対応しきれないからだよな。制度も人々の意識も時代の変化に対応しなければ、変化に飲み込まれてしまう。氷河期世代が若い頃は、雇用も結婚問題も変化の時期であり、人々の対応が遅れた。状況が変化しているのにそれに人々が対応できないことにもっと危機感を持つべきであった。

それでも、社会は「草食男子」を批判し、時代の変化に抵抗しようとすらしてた。セクハラやストーカーがこれだけ話題になる中、もはや男女交際は昔のようには行かないし、お見合いがダサいとする空気も未婚率を上昇させた。

個人的には、もう移民を入れるか、少ない子供を前提に国家の規模を小さくしていくかしかないと思うが、先見の明のある人が少なかったのが本当に残念でならないわ。今思えば、氷河期世代が若い頃は、今のコロナ対策のように財政出動をしてでも子供が生まれるように仕向けるべきだった。そのためには普段は国が貯蓄していないといけないが、そうすると国が税金を取り過ぎているとか言われるし、またそもそも赤字財政だからな。

思えば不思議なのだが、勝ち組層はなぜ中間層の人口の再生産に関心が薄いのだろうか。中間層の人口が増えなければ、上位層の子供は中間層か下位層に転落してしまう。マンガのカイジだったか忘れたが、支配層のある人間が中間層にほどほどの満足を与えないといけないと言っていた。それは正しいと思う。そうしないと、搾取する相手がいなくなるじゃないか。未婚率が高くなるのは氷河期の当事者だけの問題ではない。氷河期の若者を救済することは、国家にも将来的には大きなメリットがあった。氷河期世代を救うことは国家を救うことでもあった。自己責任論があったが、氷河期世代に冷たかった結果、国家も自己責任を負うことになってしまった。なお、若者に社会の環境を準備したのはその1つ2つ上の世代なので、自己責任ではなく責任転嫁でもあったな。

これからの氷河期世代対策は、既にこの世代が子供を生む年齢では無くなってきていることもあり、費用対効果は低いと思う。それなら、氷河期世代が若い頃に子供を産むように環境作りする方がはるかに有意義だった。同じ100万円を援助するとしても、それなら若い頃に子供を一人でも多く増やしてもらう方がいい。逆に言えば、これから氷河期世代の救済に乗り出すのは、意味がわからない。

この国は内需が大事なのに、人口を維持しようとしないのは不思議だ。

このブログは、セクハラやストーカーが話題になる中、男性に無茶を言うのはどうかと思って書き始めたが、書いていくうちに男性を批判しても怒られないから世の中には男性批判が多いこと、女性が無意識に高望みしていることに気付いていないこと、お見合いで婚姻数を維持していたのに捨ててしまったことなど、多数の問題点に気付いた。

今後は、治安悪化も相当起きるのではないかと心配になるわ。中間層が子供を産まず、下位層のできちゃった結婚のカップルが何人も産めば、偏見かもしれないがおそらくモラルや教育水準も低下するだろう。