いよいよ春ですね。
日ごと、日差しや風の匂い、街行く人々の装いなどに
春を感じさせられる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今日は、この春の走りにピッタリな一杯をご紹介しましょう。
と
いつになくあっさりした殊勝な出だしです。
咳払
さて、「春は苦味」などと申します。
本日ご紹介するのは、その苦味、そのハーバルな風味とともに
まさしくその色合いが、非常に春的で明るい
とても春にふさわしい一品です。
その名も『スーズサワー(Suze Sour)』。
私のオリジナルです。
と言いながら、毎回毎回おんなじことばっかり言ってますけど
今回もオリジナル、っていうほどの大したオリジナリティではありません。
スーズってお酒を、単にサワーにしただけですから。
ひねりもありません。
いや、むしろひねってはいけません。こういうのは。
このことはまた後ほど説明しますけど
しかしまあ、現代のカクテルトレンドにあって
この「サワー」ほど、省みられてない技法はありませんね、私感。実際。
ほ~ら来た、的なマクラになってきましたね。
あっさりした出だしだったんですが、やっぱり。笑
ともあれ
この「サワー」ってのは、カクテル本来のユニークさ面白さ、はてまたその多様さを表現するのに
最も適した、格好の、というかそもそも超基本テクニックであるにもかかわらず
今のバーシーンにあって、作り手飲み手双方に、全くの不理解というか不勉強というか、
そのデタラメがまかり通ってるのもないのではないかいなと思う、今日この頃でもあります。
と
春は苦味ですからね、苦めにいきますよ、今回も。笑
「サワー」は、カクテルの基本的なスタイルのひとつです。
サワーとは単に「酸っぱい」の意。
レシピは、ベースとなるリカーにレモンジュースとシロップ。
それらをシェイクするだけのシンプルなものです。
(リカーってのは、リキュールを含めた「洋酒全般」のことを言います。)
旧来は「サワーグラス」という専用のグラスが用いられ、
また大抵のバーにはそれが常備されるほどポピュラーなカクテルスタイルでしたが、
昨今はこの「サワーカクテル」そのものがあまり供出されていないため
今ではもはやそのグラスすらお目にかかることはありません。
なぜそうなったのか。
また何故、何をもって私が、今のサワーを不理解だデタラメだと喝破するのか。
それはひとえに
「酎ハイ系ドリンク」との、語感の混同による混乱にあります。
繰り返しますが、サワーとは単に「酸っぱい」の意味です。
炭酸が入っているわけではありません。
サワークリームとかありますでしょ。
炭酸、入ってませんよね。
ザワークラウトとかありますでしょ。
ザワーは独語。英語はサワーです。
発泡してないですよね。
私が思うにはですね
多分ですね、日本人にとってはですね
炭酸のシュワシュワってのがですね
サワサワって聞こえる部分もあって(⬅⬅⬅
サワーイコール炭酸ってなったと思うんですね、正直。
いや、マジな話。
ここ、笑うところのような、笑うところでないような、微妙な話です。実際。
こうしたことは、何もこのカクテルだけでなく
現代のバーの様々なシーンにおいて見られるわけですよ
21世紀になってもなお。
続きは次回。
ランキングもよろしくですよ。