先日非常に興味深いニュースがありました
鬱病の客観診断についてです。
http://www.ncnp.go.jp/press/release.html?no=321
これを読むと同じく発達障害も客観的診断ができないものかと思います。
発達障害は現在でもf-mriを用いた手法など、何とか生物学的な特徴を捉えようと
努力がなされていますが、まだこれといった確実な手法はありません。
そのため、診断内容がバラバラになることがよくあります。
たとえば発達障害と学習障害があるせいで、社会でつまずき、そのせいで自尊心が低下し
うつ病になったパターンと、脳の器質システムに異常はなかったはずがストレスや脳の炎症などにより、定型の方がなるうつ病ではそもそも経緯が違うのですが
現象学的に外的な面のみで診断しようとするとなかなか区別がつかないのです。
医者で極めて慧眼の方もおられるので一発でどちらかを判別してしまうようなプロもおられ
ますが、このあたりは言葉が悪いかもしれませんが、センスが必要に思われます。
つまり徹底的に精神医学を勉強して本も読みこんでいるが、いまいち診断の品質が安定しない場合と、元々洞察力が優れており哲学でいうところのアプリオリ的に先験的に分かってしまうような医者もいますが、後者は滅多にいないようです。 脳科学において世界的先鞭をつけたラマチャンドランというインドの学者の脳の中の幽霊という本に、まさにこの天才的医者が
出てきます。 この世には、経験主義的に見てきてやっとわかるもの、
見てもわからないもの、見なくても分かってしまうものの3点があると思いますが、この一番最後の例です。たとえるなら世界的な物理学者や数学者の大昔の予測みたいなものです。
まだデータはない、まだ実証的手法で確かめられていない。でもたぶんこうであろうとして
仮説を立てるのですが、それが見事100年以上経って最新科学で証明されたみたいな話です。 最近だとアインシュタインの重力波などが現実に科学的測定がなされました。
さて話がだいぶ脱線しましたが、このような天才を頼る手法では無理がありますので
誰でも理解可能な手法ということで精神の診断に血液検査や尿検査を用いることも
良いマーカーになるのでしょう。
最初に載せたサイトでは興味深い内容成分が載ってます
Nアセチルグルタミン酸→NMDA受容体関連?
5ヒドロキシトリプトファン→もろにセロトニン系ですね
ところで、アミノ酸分画というのが以前からあり、体内における特定アミノ酸摂取が
上手く行っていない場合検出可能になってきました。体内における代謝異常が分かります。
たとえばトリプトファン系の取り込みが上手くいっていなければ、うつ病のような状態に
なるかもしれませんね。
したがって発達障害において分子栄養学的アプローチというのは上手くやればかなりの効果を得られる可能性を秘めているように思います。 仮に摂取が上手くいっていないアミノ酸などがあればそれだけを上手く採るなどすることで適正化を図れるかもしれません。
実はこれこそ見てきたわけじゃないけど何となくそうじゃないだろうかという仮説の段階でも
当たっている話で、BCAAや総合アミノ酸を飲んでいると何となく体調が良いという場合は
何らかの不足した物質が上手く採れているからなのでしょう。