ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する私と、皆さまにお届けするブログです

ビルボード 全米 Top40 1986年11月15日付 ボストン Boston - Amanda

2022-11-13 21:40:06 | 1986年ビルボードTop40
1986年11月15日付ビルボード All American Top40、2週目の1位はBostonの"Amanda"。8年ぶりにTop40に登場したBoston、デビューシングル"More Than a Feeling"の5位、"Don't Look Back"の4位を上回り、ついに初のNo.1ヒットです。Top40ヒットは1978年の最高位31位の"A Man I'll Never Be"以来、この曲で6曲目のTop40ヒットで、3曲目のTop5ヒットです。

2位は4位からアップ、The Human Leagueの"Human"。The Human Leagueですが、1981年のアメリカでの初めてのヒット"Don't You Want Me"がいきなりのNo.1を記録、以来この曲で4曲目のTop40ヒットで、2曲目のTop3ヒットです。

3位は5位からアップ、Madonnaの"True Blue"。Madonnaですが、この時点ではまだデビューから4年目ですが、1983年の初のTop40ヒット"Holiday"が最高位16位、そのヒットを皮切りに、この曲までに、"Like a Virgin"を始めとするNo.1ヒット4曲を含め、Top40ヒットが11曲目、そのうち10曲がTop10ヒット、6曲目のTop3ヒットです。

4位は6位からアップ、Eddie Moneyの"Take Me Home Tonight"。Eddie Moneyですが、初めてのヒットが1978年に最高位11位を記録した"Baby Hold On"、以来5曲目のTop40ヒットですが、これまでの最高のヒットが11位の"Baby Hold On"で、この曲が初めてのTop5ヒットです。

5位は7位からアップ、Bon Joviの"You Give Love A Bad Name "。Bon Joviですが、ファーストアルバムからの初めてのシングル"Runaway"が1984年に最高位39位となんとかTop40入りしましたが、その後のシングルはTop40入りしませんでした。この曲が2曲目のTop40ヒットで、もちろん初めてのTop5ヒットです。

この週2週目の1位はBostonの"Amanda"。1位はこの2週間。年間チャートは50位。この頃のヒットは年度の途中になってしまい、年間チャートは低くなりますが、初の1位を記録する、大ヒットでした。

ついにBostonがTop40に帰ってきました。それも初のNo.1で。Bostonが初めてTop40に登場したのが10年前の1976年10月16日付、24位に初登場したのが"More Than a Feeling"。多分その時からだと思います、すぐに大ファンになりました。邦題が「宇宙の彼方へ」、そのとおり、まさに宇宙に連れてってくれるような、それまでには聞いたことがない、スケールの大きなロックでした。「アメリカン・プログレッシブ・ロック」とは言われていますが、どんな分野ともいえない、ボストンオリジナルのロックでした。

そのBostonですが、ファーストアルバムは『Boston』。最高位こそ3位とNo.1を逃しましたが、年間チャートは5位(1977年)と、新人ロックグループとしては異例の大ヒット、最終的には、全世界で2000万枚以上売り上げる、歴史的な大ヒットを記録、シングルも、"More Than a Feeling"が最高位5位を記録するなど、3曲がTop40入りしました。"More Than a Feeling"はこちらをご覧ください→→→

さらに、続いて、1978年にリリースした2枚目のアルバム『Don't Look Back』は、アルバムチャートでは初のNo.1を記録する、これも大ヒットアルバムとなりました。シングルも、"Don't Look Back"が最高位4位と、2曲目のTop5ヒットとなり、ファースト、セカンドあわせて、合計5曲がTop40に入りました。
しかし、それから8年間、レコード会社との法廷闘争などもあり、ボストンは活動を停止、長く沈黙してしまいます。

そして1986年、法廷闘争も決着し、ついに復活してリリースしたのが3枚目のアルバム『Third Stage』です。
完璧主義者と言われるTom Scholzが、長い時間をかけて作成したアルバムで、もちろんプロデュースはTom Scholz。曲の作者も、一部他の人も参加はしていますが、すべての曲をTom Scholzが手掛けています。

その3枚目のアルバムからのファーストシングルがこの曲"Amanda"です。曲の作者はもちろんTom Scholz。そして、ボーカルはもちろんBrad Delp。透き通った高音のボーカルは健在です。この曲、ドラムス以外は、ギター、ピアノ、キーボードなど、すべてTom Scholzが演奏しているようです。

曲はボストンらしいロック・バラード。12弦ギターでしょうかイントロも印象的ですし、Tom Scholzのギターソロに、Brad Delpの高音のボーカルと、ボストンしか作れない、素晴らしい曲でした。
この頃では珍しくMVは作っていないようです。音楽だけで勝負したシングルです。


今週 先週 song / artist
1 1 AMANDA / BOSTON
2 4 HUMAN / HUMAN LEAGUE
3 5 TRUE BLUE / MADONNA
4 6 TAKE ME HOME TONIGHT / EDDIE MONEY
5 7 YOU GIVE LOVE A BAD NAME / BON JOVI
6 2 I DIDN'T MEAN TO TURN YOU ON / ROBERT PALMER
7 9 WORD UP / CAMEO
8 12 THE NEXT TIME I FALL / PETER CETERA WITH AMY GRANT
9 10 THE RAIN / ORAN "JUICE" JONES
10 3 TRUE COLORS / CYNDI LAUPER
11 15 HIP TO BE SQUARE / HUEY LEWIS & THE NEWS
12 13 I'LL BE OVER YOU / TOTO
13 14 LOVE WILL CONQUER ALL / LIONEL RICHIE
14 18 THE WAY IT IS / BRUCE HORNSBY & THE RANGE
15 16 EMOTION IN MOTION / RIC OCASEK
16 22 TO BE A LOVER / BILLY IDOL
17 23 EVERYBODY HAVE FUN TONIGHT / WANG CHUNG
18 20 I AM BY YOU SIDE / COREY HART
19 11 SWEET LOVE / ANITA BAKER
20 8 TYPICAL MALE / TINA TURNER
21 25 WALK LIKE AN EGYPTIAN / BANGLES
22 21 JUMPIN' JACK FLASH / ARETHA FRANKLIN
23 31 STAND BY ME / BEN E. KING
24 26 FREEDOM OVERSPILL / STEVE WINWOOD
25 17 ALL CRIED OUT / LISA LISA & CULT JAM
26 34 LIVE AND DIE / ORCHESTRAL MANOEUVRES IN THE DARK
27 37 DON'T GET ME WRONG / PRETENDERS
28 33 WHAT ABOUT LOVE / 'TIL TUESDAY
29 19 WHEN I THINK OF YOU / JANET JACKSON
30 43 NOTORIOUS / DURAN DURAN
31 40 SHAKE YOU DOWN / GREGORY ABBOTT
32 27 SOMEBODY'S OUT THERE / TRIUMPH
33 38 WILD WILD LIFE / TALKING HEADS
34 39 YOU KNOW I LOVE YOU DON'T YOU? / HOWARD JONES
35 42 C'EST LA VIE / ROBBIE NEVIL
36 44 IS THIS LOVE / SURVIVOR
37 49 LAND OF CONFUSION / GENESIS
38 55 LOVE IS FOREVER / BILLY OCEAN
39 45 FOOLISH PRIDE / DARYL HALL
40 48 WELCOME TO THE BOOMTOWN / DAVID & DAVID

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38 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
6年越し (hannah)
2022-11-13 22:04:04
星船さん、こんばんは。
ついにBostonの3rdアルバムです。
彼らの3rdアルバムの情報を初めて聞いたのは確か81年の12月頃だったと思います。
シングルのタイトルも♪Amanda♪でした。
それから今か今かと待つこと6年越し。ついに彼らの新曲を聴くことができました。
これまで♪More Than a Feeling♪、♪Don't Look Back♪とロック系の曲でしたが、バラード系ながら彼ららしい宇宙をイメージさせるスケールの大きい名曲です。
宇宙、時空を超えて想いを告げる… (音時)
2022-11-13 22:32:41
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/16497702.html
“彼女を愛してる”と言うことをなぜ彼はこんなに躊躇するのだろう?
想いを告げたら、もしかして彼女が去ってしまうかもしれないというシチュエーションとはどんな?
・友達のように付き合っていた...?
・妹と兄のように接していた...?
・彼女や彼が何かしら恋をしてはいけない環境...?
そのあたりはこの歌を聴く人の想像で…ということなんでしょう…。

◆アルバム「Third Stage」のジャケットアートワークの舞台が宇宙であり、この曲のアレンジがアコーステッィクなギターをバックに宇宙空間のような効果音が使われていますね。“想いを告げる”という歌詞なのですが、音楽が時空を表現しているように感じる名曲です…。
あれから10年 (MKK)
2022-11-13 23:07:20
星船さん、こんばんは。
1976年Billboard 11月20日付で"MORE THAN A FEELING" ☆12位、あれから10年、待ちに待ったボストンの3rdアルバム。そして"Amanda"No.1のおまけ付き。「幻想飛行(BOSTON)」を最初に聴いた時のクリアーでスペーシーなサウンドは衝撃でした。オリジナルメンバーはトム・ショルツ、ブラッド・デルプの二人になったのは残念ですが。
秋の星空を見ながらよく聴きました。今でもこの曲聴くと胸が熱くなります。
Unknown (太ったボンジョビ (  ・ω・))
2022-11-14 05:10:24
ついに出たらしいボストンレッドソックス!私は「幻想飛行」も「こっち見んなよ」も乗り遅れた人間でしたので、石田豊さんでかかるのを心待ちにしておりました。
聴いてみて「古くさいだろー…でも曲はジーンシモンズ」ていう感想でありました。ひれ伏す訳ではないですが「こっち見んなよ」のギターのキュンキュンする音ではなかったので拍子抜け、しかしメロディが良い構成で、静か目な前半と、ボーカルが強い変調部がなかなかに甘かったです。
ジャーニーのレイズドオンラジオやバンヘーレンの5150もそうですが、この頃はあんまり前宣伝をしてなかったんですかな?これは良いと思います。まず曲を聴いてくれ、てな感じでですね。
Unknown (blackmore1207)
2022-11-14 07:38:29
こんにちは。
ボストンで一番好きな曲は? と訊かれたら、この曲だと答えます。
知名度的には 1st.アルバムの「宇宙の彼方へ 」や、2nd.アルバムの「Don't Look Back」の方が上かも知れませんが、3rd.アルバム「Third Stage」のトップを飾る「Amanda」も、完成度は引けを取らないです。
1980年以降BOSTON 寡作化の要因とも言われ、「『Amanda』が完璧すぎて、次の曲が作れなくなってしまった」のではないか?と。
珍しく、アコースティックで始まる「Amanda」は間違いなくアメリカン・ロック・バラードの名曲だと思います。
Unknown (かんた)
2022-11-14 17:10:52
前作から8年ですか…。
『サード・ステージ』がリリースされるまで、もうとっくに解散していたと思っていた方も、少なくないのでは。
さらにこのアルバムから次回作の『ウォーク・オン』までの期間が8年、さらにその次回作の『コーポレイト・アメリカ』までが8年。
76年のデビューから26年で、わずか5枚のアルバムしか出していないんですね。

ただし、上には上がいて、スティーリー・ダンは、1980年の『カジャ』から2000年の『ガウチョ』の20年間、1枚もアルバムを出していないという寡作ぶり。
私の地元のラジオのDJも、「阪神が優勝するのが先か? スティーリー・ダンの新作が出るのが先か?」なんて言ってました。
待ちに待ったサードアルバム (星船)
2022-11-14 18:20:26
Hannahさんこんばんは。
Bostonのニューアルバム、もうすぐ出る、もうすぐ出ると言われながら、随分時がたって、忘れかけた頃の、待ちに待ったサードアルバムの発売でした。そのファーストシングル、期待以上の素晴らしい曲でしたね。Bostonはロックとは言っても、全体的にはメロディアスなロックでしたし、この"Amanda"は、美しいメロディの名バラードでした。
待った甲斐があった (星船)
2022-11-14 18:23:36
音時さんこんばんは。
この曲の発売までには、ずいぶん待たされましたが、待った甲斐があった、という名曲でしたね。仰るとおり、イントロのアコースティックギター、12弦ギターでしょうか?から、いきなり宇宙空間を思わせる、ボストンの世界に引き込まれる、素晴らしい曲でした。10年越しついに達成したビルボードのNo.1、当時、ものすごく感激しました。
感動したアルバム (星船)
2022-11-14 18:24:44
MKKさんこんばんは。
洋楽を聞き始めてから、ロックを聞き始めてから、そんなに時が経たないうちに出会ったのが、Bostonの"More Than a Feeling"で、ファーストアルバム『幻想飛行』でありました。こんな音楽があるのか!と、感動したアルバムでしたよね。それから、セカンドを経て、待ちに待ったアルバムが、期待を超えるアルバムでした。さすがボストン、いい曲、いいアルバムだったですね。
ボストンオリジナルの音楽 (星船)
2022-11-14 18:25:54
太ったボンジョビさんこんばんは。
そうですか?「古くさいだろー」というのは、私のボストン感からすると、全くかけ離れたところでありまして、ボストンの音楽は、古いも何も、類似の音楽が全然思い当たらない、ボストンオリジナルの音楽だったと思っています。Tom Scholzのギターの音色?弾き方?でしょうか、すぐに彼が弾いているギターだと分かりますし、ボストンがデビューしてから、40年以上たっていますが、今でも類似の音を聞いたことがありません。Brad Delpのボーカルも、よくぞTom Scholzと出会ってくれた、と思う歌声でした。

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