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【カザフ、国内向け液化石油ガスの価格上限撤廃をきっかけに暴動勃発!】産油国カザフの暴動から分かること①

2022-01-11 00:04:10 | その他の地域
 消費国はもちろん産油国も苦しめるのだから、ホント何とかしてもらいたいですね・・・

 ご存じのように、ユーラシア大陸の中央部に位置するカザフスタンでは、年初から大規模な反政府デモが発生し、一部は暴徒化するなど、混乱が広がっています。これに対し、隣国のロシアが軍部隊を派遣するなどをした結果、同国政府によれば、情勢はすでに安定したとのことですが、後述する、多くのカザフ国民をデモ等に駆り立てた真因の解消が見通せない(?)ことから、当局がデモを力づくで抑え込んだところで、人々の反政府感情はくすぶり続け、これが再び暴動等の発火点となることは容易に予想ができるところですが・・・

 で、このたびの騒ぎですが、長らく権力の座にあったヌルスルタン・ナザルバエフ前大統領および側近らの独裁に対する怒り・・・も多少はあるでしょうが、もっと根本的には、インフレに対する怒りから生じたというべきでしょう。具体的には、自動車燃料用の液化石油ガス(LPG)の価格上限の撤廃をきっかけに、突如、同価格が約2倍に跳ね上がったこと。これで生活が瞬時に苦しくなった人々が、上記撤廃を決めた政府に猛反発した、という次第です。このあたり、CNN等によれば、カザフ政府は国民が購入しやすいようにLPGに価格上限を設けていましたが、同価格では安すぎて同国市場には十分に流通せずに不足してしまうため、同上限を廃止し、内外価格差をなくすことで、国内供給量を増やそうとした、とのことです。その結果、かの国の人々も、現在、世界中が悩まされているエネルギーインフレのあおりを食うことになりました・・・

 ここで、少し不思議に思えるのは、カザフは産油国であるにもかかわらず、どうして国民もまた国際取引と同レベルの高い価格で自国産の石油を買わなければならないのか、ということです。つまり、カザフは、国内には引き続き安い価格で供給し、外国には国際価格で輸出、というようにすれば、って考えたくなるわけです。が、そう単純にはいかないのが、かの国(そして多くの産油国)の残念なところ?です。たしかにカザフは他国に売るくらい石油を産出しています(日量約160万バレルとの由)。しかし、それを手掛けているのは、カザフ国内の油田の権益を持つ米欧系のオイルメジャー(米シェブロンや英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル等)であって同国資本ではありません。となれば、各社は株主利益のために動く、すなわちカザフ産原油を少しでも高い価格で買ってくれるところ(中国や欧州等)に売るわけで、他方で価格上限のあるカザフ国内に供給しよう――安く売ろう―――なんて気になるわけはないでしょう。そして、いまは原油価格が高騰中なのだから、なおさら、となるわけです・・・

 そんな感じでカザフは、原油価格上昇で産油国としての恩恵(輸出収益増など)が大きくなりそうなのに、肝心の国民生活はそれをエネルギーインフレのダメージとして食らう、という、何ともトホホな状態になっています。そして、かの国が苦しいのは、このあたりから脱却するすべがないことでしょう・・・

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