世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

【米に遠慮なく金を集められる中国は、だからこそ行き詰まる?】価値が高まる金(ゴールド)・・・「手放せないこと」が最大の弱点②

2024-04-25 20:55:28 | 金(ゴールド)
前回からの続き)

 前述のとおり中国では、官民がそろってゴールド)の爆買いに走っているわけですが、それは、地政学的な観点からアメリカ離れを・・・ではなく、経済合理的な観点からドル離れを進めるアクションの一環といえるでしょう。かの国は、いわゆる改革開放以降、事実上、米ドルに過度に依拠した経済・貿易・金融・通貨システムを構築してきましたが、そのドルの「凋落」(インフレ化、すなわち紙くず化)が誰の目(ノンポリな一般中国人の目)にも明らかになった以上、一刻も早く、かつ少しでも多くのドルを金に換えることで、このインフレのダメージを小さくしたいはずですから・・・

 ここで、あらためて、こうした中国の急速な金シフトを促すに至った直近のドルの凋落ぶり―――ドルを手放して金準備を増強することの合理性―――を示す根拠を記しておきます。それは・・・こちらの記事に書いたように、金利をつけてやってもドルの価値は金利のつかない金の価格の上昇率に追いつけない、ということです・・・

 実際、2022年春時点の金の価格は1トロイオンス1900ドル台半ばだったのが、2年後の現時点では同2300ドル超と、約2割も上がっています・・・って、この間、ドルの利回りが(米FRBの政策金利ベースで)ゼロから5%超にまで上がったにもかかわらず、です。そのうえ・・・この先はFRBの利下げが予想される、悪くとも(?)さらなる利上げは・・・米財政破綻、不動産価格の暴落、金融システムの崩壊等につながりかねないために絶対に(?)ない、と見込まれる・・・ってことは今後、ドル「金」の金利差が名目は縮小し、いっぽうの実質は拡大の一途だろうから、ドル預金(≒米国債投資)よりも、文字どおり、貯「金」のほうがますます有「利」な状況となっています。なので、ドルを売って金を掴む、という、かの国の人々のアクションはとても「理(利)にかなっている」といえるわけです・・・って、このどこに「地政学」があるというのか・・・

 という次第で、中国の金買いは、たいへん経済合理的であり、どこかの国(?)からみれば、ウラヤマシ~くらいです。それほどに貴重な(実質利回りが大きな)金塊をアメリカに遠慮することなく自国内にどんどん蓄え続ける―――他方でドル&米国債の保有量をどんどん減らす―――ことができるのですからね・・・

 ・・・って、しかし、だからこそ中国は行き詰ってしまうわけですよ。それは・・・せっかく苦労して集めた貴重な金を手放したくないために(とくに通貨・金融面において)政策的な柔軟性を失ってしまうだろう、といったこと。具体的には、中国は、流動性を回収すべきときに金を市中に放出・・・するのをためらってしまいそうだ・・・って金があまりに貴重だから、です・・・

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【中国、めずらしく?官民一... | トップ | 【中国はインフレヘッジの金をしこ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金(ゴールド)」カテゴリの最新記事