News release③
【ニガヨモギ由来組成物の概要】
◇対象とする植物種
ニガヨモギ―Artemisia absinthium―
※ヨモギ(ガイヨウ:Artemisia princeps)、
カワラヨモギ(Artemisia capillaris)、
オウシュウヨモギ(Artemisia vulgaris)、
ヤマヨモギ(オオヨモギ:Artemisia montana)等の
近縁種とは異なる品種。
◇主な用途
化粧品用原料、食品・飲料用原料、衛生雑貨用原料
※用途、配合目的に応じて使い分け、配合濃度もアレンジします。
◇ツジョン(thujone)含有量
210ppm(原材料の原液)
⇒推奨配合濃度0.2~1.5重量%とした場合、0.42ppm~3.15ppm
WHOが設定しているリキュールとしての
残存許容量10ppm以下(ビター系リキュールの場合35ppm以下)を
下回ることから、安全に食品や飲料にも使用できる。
◇ニガヨモギ由来組成物に含まれる主な成分
≪アルテミシニン―Artemisinin―≫
アルテミシニンは、抗マラリア活性を有する
セスキテルペンラクトンの一つです。
天然由来としては珍しい構造(ペルオキシド化合物)であり、
ニガヨモギの薬効のベースにある成分と考えられます。
抗マラリア薬としては、キニーネがよく使用されているが、
キニーネ耐性マラリアに対し有効な成分です。
しかし、アルテミシニン単剤としては、水と油の両方に溶けにくく
作用時間が短い点から、この成分をそのまま医薬品として
扱うことが難しいと言われています。
≪アブシンチン―Absinthine―≫
ニガヨモギに特徴的な天然有機化合物で、
アルテミシニンと同類のセスキテルペンラクトンの一つです。
アブシンチンは、ニガヨモギが有する苦味の元となり、
抗炎症成分として期待できます
≪ツヨン(ツジョン)―Thujone―≫
ニガヨモギやセージなどに含まれる精油成分です。
メントールに似た香気を持ち、大量に摂取した場合、
麻酔作用、幻覚を生じることがあり習慣性もあります。
しかし、ニガヨモギを生薬として数Kg摂取しない限り、
これらの症状は発生しません。
ニガヨモギの蒸留酒である「アヴサン」は、前述のような
中枢神経系作用を有するツヨンを含有する点から、
過去に禁止されたアルコール飲料でした。
飲料用(リキュール類等)の残存量10ppm以下であれば
WHOが承認するとしたことから、
アヴサン製造が再開されました。
≪α-テルピネオール―α-terpineol―≫
天然に存在するモノテルペンアルコールの一種で、
精油分画に含まれる。
抗菌作用のほか、炎症関連物質IL-6、TNF-α、NF-κB
及びCOX-2、iNOS のはたらきを抑制することから、
ニガヨモギの油性分画は抗炎症作用が期待できます。
◇配合対象となる最終商品例
皮膚または粘膜、陰茎、陰部に適用する液剤、クリーム基剤、
ゲル基剤および避妊具
◇感染予防対象となるウイルス類
ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus:HIV)
次記事に続く