ポテ子のまいにち

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音大から東大に学士入学をし、
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今日も、『葬送のフリーレン』に出てくるドイツ語を解読していきます。
今日はこちら。

「アインザーム」
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これは、ドイツ語の形容詞einsam(読み方 アインザーム)です。
ちなみに、ドイツ語でeiは「アイ」と読みます。
昨日ご紹介したEisen(アイゼン)も、最初のeiをアイと読みます。
こうしたいくつかの読み方を覚えれば、
ドイツ語は読み方通りに書けばつづれます。

さて、einsam(アインザーム)のeinは英語のaと同じ。
a penの「a」が、ドイツ語ではein(アイン)です。
einは「ひとつの」という意味。

そして、einsamは「ひとりぼっちの、孤独な、さびしい、心細い」を意味します。
アインザームは、人の心のなかにあるさびしさにつけ込む魔物です。

人は、大切な人が亡くなると、
心にぽっかりと穴が開いたように感じます。
あの人が生きていたら、こんなふうに声をかけてくれただろう、
あの人が生きていたら、一緒にこんなことがしたかった、
あの人が生きていたら…と、言葉にはしなくても、
心は、亡くなった「あの人」を思い続けます。

思いの強さの分だけ、幻影は強くなるのだと思います。
だから、愛の深い人ほど、アインザームを撃てないのでしょう。
心があればこそ勝てない、それがアインザームの強さとなっています。

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ハイターの幻影を撃てないフェルン。
幻影とわかっていても、撃てないんですね。

私は、踏み絵を思い出しました。
キリスト教徒をあぶりだすために、
キリストが描かれた絵を踏ませ、踏めない者を逮捕・処罰します。

「逮捕・処罰されないように、1回だけならまぁ踏んでおくか」、
とは、思えないわけですよね、キリスト教徒は。
踏むことは、信仰や自分の心を裏切る行為。

アインザームの幻影を撃つことは、
自分の信じるものや自分の心を撃つことと同じなんですね。
頭ではわかっています、ハイターがもういないということも、
これが幻影だということも。
でも、撃てないんですね…。

ドイツ語einsamには、「人けのない」という意味もあります。
たしかに、峠道も人けのない道でした。
これも、ネーミングいいな、と思ったものの一つです。

葬送のフリーレンに出てくるドイツ語を解読し始めて7回目。
今日は、この単語です。

「アイゼン」
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ドイツ語の中性名詞Eisen(読み方 アイゼン)は、
鉄、鉄分、鉄製のわな、手かせを意味します。

Eisenをつかった単語はいろいろあって、
例えば鉄道はEisenbahn(Eisen=鉄、Bahn=道)などです。

正直、私は作中のアイゼンの魅力がまだ読み取れていません。
かたすぎるんだと思います。鉄だけに…。

フリーレンの旅の目的を設定したのはアイゼンであり、
重要な存在であることは確かです。

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今回、改めてアイゼンについて考えてみました。
まず、アイゼンは、ドワーフという種族という設定です。
ドワーフというのは、「人間よりも小さな種族」ということで、
白雪姫のなかの7人の小人、あれはドワーフらしいです。
また、ドワーフは、高度な鍛冶や工芸技術を持っていて、
力強くて屈強、斧を武器とするところや、長いひげも特徴のようです。
アイゼンもそうですね。
鍛冶屋は鉄を扱いますし、名前とも一致ですね。

鉄はかたいものですが、熱を加えればかたちが変わります。
勇者一行との魔王討伐の旅は、アイゼンを変えたのです。
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これは旅が始まったばかりの頃のアイゼン。
楽しい旅の方がいいですよね。(笑)
10年の旅を終えたアイゼンは、
後に、弟子のシュタルクに旅の思い出を楽しそうに語ったようです。

10年の旅は、人生のたった100分の1。
でも、その100分の1が、自分を変えてしまう。
そのことを身にしみて感じていたのがアイゼンだったのです。

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この続きがあるとしたら、
「俺を変えたように」ですよね。
でも、これを「言わない」のがアイゼンの魅力ですね。

アイゼンは、言葉ではなく、生き方や行動で指針を示しています。
鉄仮面は無口の意味もあります。

ところが、アイゼンはハイターと文通をしていたというではないですか。
言葉をやりとりする文通は、アイゼンの特質からすると例外的な行為だと思います。
ですが、10年の旅と、ヒンメルの葬儀でのフリーレンの姿によって、
アイゼンも変化したのでしょう。

熱は人(Eisen)を変える。
アイゼンの変化前と変化後を追うのも、楽しいかもしれないですね。

『葬送のフリーレン』にハマり、
最近は葬送のフリーレンのドイツ語の解読をしています。

さて、今日ご紹介するのは、こちらです。

「ハイター」
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ドイツ語の形容詞heiter(読み方 ハイター)です。
天気が晴れていることや、朗らか、明るい、上機嫌、といった意味です。

作中でのハイターは、勇者一行の盛り上げ役のポジションであり、
酒好きとしても描かれています。
魔王討伐の旅は厳しい局面も多々あったかと思いますが、
「明るさ」というのは強い武器のひとつですよね。

「僧侶なのに酒好き」、というふうに描かれていますが、
私は、「僧侶だから酒好き」という解釈も面白いんじゃないかなと思っています。

神事や祭礼にはお酒が欠かせませんし、
お祝い事にもお酒はなくてはならないもの。
日本国内にも、お酒の神様をまつっている神社がいくつもあります。

ハイターは僧侶であり、神様にもっとも近い存在。
「飲酒」を「神様とのコミュニケーション」として象徴的に捉えると見方が変わります。
つまり、「神様~、こんなことがあったよ」と神様に語りかけることが、ハイターにとっての飲酒。
「酒が飲めればいい」というのは、
神様に報告できることがたくさんあることは良いことだ、ということ。

ただ何もなく生きて酒を飲まない人生よりも、
悲喜こもごものなかで酒を飲める人生。
神様に報告したいことが何もないような平凡な人生よりも、
「神様聞いて聞いて!」と言える人生。

それが、僧侶ハイターにっての理想の人生だったのではないでしょうか。

ハイターにとっての魔王討伐は、
酒ばかり飲んでいる時間だったようです。
仲間の好きな食べ物がわからないフリーレンですら、
「ハイターは酒好き」と覚えてもらえているほど。

神様に言いたいことがたくさんある、楽しさや感動や驚きがつまった、
豊かで充実していたかけがえのない時間だったのだろうと思います。

「僧侶が覚えられるほど酒飲んでるってやばい」というのは、
僧侶ハイターにっては、もしかしたら最大のほめ言葉だったのかもしれませんね。

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晩年、ハイターはお酒を飲まなくなりました。
心身が弱り生命力が底つこうとしているとき、
ハイターは何を思ったのでしょうか。
お酒を飲むよりも、大事なこととは。
人間として一日をまっとうすることとは。
生きるって何だろう。

僧侶であるハイターは、他の誰よりも、
人間の生死について考えてきただろうと思います。

ハイターのお墓にフリーレンはお酒をかけます。
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亡くなったハイターは、お酒をお供えされる側(神様側)になったんですね。
人間としても僧侶としても、素晴らしい人生だったと思います。

さて今日も元気に、
『葬送のフリーレン』のドイツ語を読み解いていきます。

「ヒンメル」
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ドイツ語の男性名詞Himmel(読み方 ヒンメル)は、
英語だとsky(スカイ)、まずは「空」を意味します。

Himmelblau(ヒンメル ブラオ)というドイツ語がありますが、
英語だとスカイブルー、「空色」を意味する素敵な単語です。
『葬送のフリーレン』の勇者ヒンメルも、
美しい水色の髪色ですが、まさにあれが「スカイブルー(ヒンメルブラオ)」ですね。
サムライブルーという言い方がありますが、ヒンメルブルーと言えるかもしれません。

ドイツ語名詞Himmelには、「天国」という意味もあります。
魔王討伐を達成したヒンメルは、天国にいます。
ヒンメル死後のフリーレンの旅の目的はヒンメルに会うこと、
目的地は天国です。
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ドイツ語名詞Himmelにはまだ意味があって、
「天命」「神」という意味もあります。
勇者ヒンメルと旅した仲間たち(フリーレン、ハイター、アイゼン)の
心のなかに生き続けるヒンメル。

「ヒンメルならこうしただろう」と言って、
ヒンメルが生きていたならやったであろうこと(人助けなど)を
残された仲間たちもやっていきます。
内神様(自分の心のなかにいる神様)、という言葉がありますが、
仲間たちにとってヒンメルはそんな存在だといえます。

ヒンメルは、フリーレンの心のなかに、
死ぬことのない神様のように、生きているんですね。

魔族は、人が物理的にこの世からいなくなることを「いない」と捉えます。
7話の小さな魔族の女の子も「村長はいない」、
魔族のアウラも「ヒンメルはもういない」と言っています。

でも、ヒンメルはいなくなっても「いる」。
どこにいるかと言えば、フリーレンの心のなかにいるんです。
いなくなったヒンメルが「いる」のは、フリーレンに心があるから。
対して魔族には心がない、ということが
ストーリーを読み進めるとだんだんとわかってきます。

フリーレンの旅のなかに蘇ってくるヒンメルの思い出を見ていると、
ヒンメルの魅力が伝わってきますよね。
もう、このヒンメルはいないんだなぁというフリーレンの悲しみとともに。。。
フリーレンの旅は、広い意味では「傷心旅行」とも見えてきます。
長い年月をかけて、フリーレンを見送る旅、「葬送」。
『葬送のフリーレン』には、そんな意味も読み取れる気がします。
それは、神(ヒンメル)のための、巡礼でもあるのかもしれません。

ドイツ語HImmel、奥深い言葉ですね。。。
『葬送のフリーレン』、奥深すぎるなぁ…。


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「綺麗」。
この言葉も時々出てきますが、
心ある者の象徴的な言葉のひとつとして注目しています。
日の出を「きれい」と言ったり、像をきれいにしたり。

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