がんと抗がん剤

今回ご紹介する書籍は、「あなたが信じてきた医療は本当ですか?」医師の田中 佳(たなか よしみ)先生のご著書で、評論社より出版されております。

前回のブログ「あなたが信じてきた医療は本当ですか?」の続編です。

著者によりますと、医学において「治癒」という概念が存在しないのが「がん」だそうです。医学では「がん」は治らないのが前提です。

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よく使われる言葉に、「余命宣告」があります。医学的には為す術がないということで、医者の敗北宣言です。次は「5年生存率」ですが、これは「5年後に心臓の動いている人が何人います」という意味だそうです。人生を元気に楽しく過ごしているかどうかは加味されません。

あと、「抗がん剤の有効率」。これも「有効率=がんの治癒率」と良く誤解されます。有効の判定基準は「腫瘍縮小+大きさ不変」の比率に過ぎません。その評価期間は4週間。5週目に死亡しようが再増大しようが、その抗がん剤は既に「有効」なのです。

そしてその有効率の平均がたったの15%前後しかない。残りは無効、85%は悪化するという評価です。なぜ4週間の評価なのか?もし3か月なら薬剤としての有効性を評価できないからでしょうか?

それでも治そうとか、治癒という言葉を使う医者には、次の確認をしておくといいそうです。

  • 本当の治るとは元の健康体に戻り病院と縁が切れるということですか?
  • 通院が不要になる。薬も検査も不要、再発の心配もないということですか?

次に、医者はよくこんな質問をします。

「抗がん剤をどうしますか?」

こう言われますと、家族と相談してとなりますが、この言葉を聞いた時冷静にこう考えてください。

矢印

「そんな重要なことを、素人に決めさせるな!」

主治医がこの様に聞く背景は、次の理由かもしれません。

「医学的には、どちらでもいいので、好きに決めてもらっても、全然かまわないんですよ」

要するに医者は、どうやっても結果が変わらないことを知っている。だって、効果があるなら素人に決めさせるはずがないじゃないですか?

高血圧の時に使う降圧剤を例にとってみたらよくわかります。血圧が180mmHgを常に超えているとします。さて、

「降圧剤どうしますか?」とは、ききませんね。対処できることを知っているから。

下矢印

必ず進めますよ。

対処できることに対しては「進める」「強要する」し、対処できないことに対しては「決めてください」「どうしますか?」「好きにしていいですよ」となるのです。

あと、手術でがんを摘出して、転移のないことが分かっているにもかかわらず「念のために予防的な抗がん剤を使いましょう」と言われることがとても多いのです。

著者は、再発予防に抗がん剤は、明らかにおかしいと言っています。それでは主治医に聞いてみましょう。健常人の体内でも毎日5千~1万個のがん細胞が発生していることは、周知の事実です。「先生はがん予防の目的で抗がん剤を飲んでますか?」

「飲むわけないだろう!」って、きっと怒ります。もっと言うと、抗がん剤の内服で発がんを防げるならば、2~3人に1人はがんを発症する時代なのですから、全国民に抗がん剤を配布した方がいいですよね?
できますか?
無理ですよね?
きっと亡くなる人が増えますよね?

私も以前、ある漢方薬の会社の新薬開発の方とお話をしたことがあるのですが、その方いわく、「医者はずるいですよ! 患者には抗がん剤を使うのに、自分が癌になったときには、漢方薬を使ってくれって言ってくる」と言っていたの思い出しました。

医療はすごいという幻想を外して、ものごとをもっと「ふつう」に考えるようにしましょう。

夢の?オプジーボ??

オプジーボは、夢のがんの免疫治療薬「免疫チェックポイント阻害薬」として期待が高まっています。

しかし、その副作用も懸念されています。薬剤添付文書の記載にあります重要な基本的注意に、

「T細胞活性化作用により、過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患や病態があらわれることがある。その際にはステロイドを考慮せよ」

という文章があります。つまり「免疫細胞が興奮しっぱなしになって暴走しますよ」

という意味です。

副作用発生率は81.4%で、がんに対する免疫を高めれば、自己に対する免疫異常も高まり、「がんを何とかする代わりに、難病のリスクを負う」ということになるのです。

薬は諸刃の剣であることを忘れずに、治療のために薬を投与しても、副作用が生じる可能性があるという事実を忘れないことです。

薬にも根治という概念がない

難病は現代西洋医学では治らないから難病と呼ばれます。800種類を超える難病の数々ですが、実際に使う薬剤は「ステロイドと免疫抑制剤」の2種類しかありません。

免疫抑制剤は全身全ての免疫を押さえます。すなわち、全身状態をAIDSエイズに近づけるのです。免疫抑制剤はエイズとは仕組み的に少し違いますが、薬剤により免疫の全システムが抑制されれば、感染症にかかりやすくなります。もともと体内に巣くっていたヘルペスウイルスにより帯状疱疹になったり、肝炎ウイルスにより肝炎が再燃したり、発がんしやすくなったりします。このことは薬剤添付文書にも明記されています。

これらの副作用も、医学では「本来の目的を達成するためには仕方がないこと」で片付けるしかありません。

ところで、最近ワクチンなどで「副反応」という言葉が出ますが、副反応という言葉はワクチンにしかありません。副作用では、ばつがわるいので、業界では副反応と言い換えているそうです。

副作用のお話が出たところで、副作用と好転反応について考えてみたいと思います。実は現代医学には好転反応という概念がありません。よって、現代医学で使われる薬剤にも主作用と副作用しかないのです。製薬会社が決めた薬剤の目的を主作用と呼び、主作用以外の何らかの反応が起これば、すべて副作用となります。

例えば、鎮痛剤で胃痛が起これば胃薬の投与、皮疹が出ればステロイド軟膏の塗布、肝機能異常が起これば肝臓庇護剤の投与など、副作用を抑えようとします。更に副作用が出れば、延々とそれが続くので、結果的に薬の種類が増えます。

「先生これは好転反応でしょうか?」と問えば、「そんなもの、あるわけないでしょ。副作用に決まっているから、直ぐにやめなさい!」と言われるのが常です。

現代医療(三大療法)にとって、未知のもの(健康飲料、サプリメント、種々の施術など)は飲むな、食うな、受けるなが基本です。

好転反応は代替療法の世界だけで使われる言葉です。実際の臨床で「副作用」なのか「好転反応」なのかを見分けるのは非常に難しく、まず病気をしっかりと理解していないといけません。代替療法の世界は玉石混交なので、怪しげな代替療法の結果、悪化したり何か反応が出た場合、何でもかんでも好転反応と片付けるのは、危険だと思いますのでご注意ください!

著者の経験では、好転反応だと思われる事象は、穴という穴から何かが出てくる感じだそうです。例えば、目から目やに、鼻から青っぱな、肺から痰、口から唾液、肛門から大便、皮膚からブツブツ、というかんじで、発熱もあったります。

誰が治すのか

世の中には以下のようにいろいろな治療法があります。

カイロプラクティック
オステオパシー
鍼灸
整体
アロマ
断食
温泉
漢方
靈氣
ホメオパシー
EM
祈り
気功
音楽
ビワ葉
現代医療(薬剤・手術・放射線)

いろいろな病気がいろいろな方法で治るという事実を冷静にみますと、自然治癒力のスイッチを入れなおす方法は、どれでも構わないということが解るのです。

ここに、カイロプラクティックやオステオパシーが取り上げられていますが、筋骨格系の問題や神経学的な問題に対しては、現代西洋医学よりも有効な場合も多いのです。

ここで難しい問題があります。日本のカイロプラクティックやオステオパシーでは、薬やメスも使えませんし、レントゲン写真なども病院で撮影してもらわなければなりません。

そのような中での施術ですので「この腰痛は治りますか?」ときかれても「はい!○○回施術を行えば治りますよ!」とは言えないのです。ここのところは、他の代替療法も同じだと思います。

しかし、その他の代替療法も、現代医学と相補的に用いたり、それのみを単独で行ったり、いろいろな代替療法を組み合わせたりと、バリエーションはたくさんあります。とにかく、それぞれの治療法には、それぞれの良さや効果があるのです。

では、誰が治すのか?と問われたら、それは、自分ということになります。そして自分の何が?と問われたら?ご自身が、もともとお持ちの自然治癒力なのです。

この自然治癒力を正常に発動させ続けたら、老衰で死ねるということです。多くの人が目指す「ピンピンコロリ」の人はどれくらいいるかと言いますと、厚生労働省の「主な死因別死亡数の割合(平成23年)を見ますと老衰の割合は4.2%しかいないのです。

老衰で自然に死ねる人は、100人中4人しかいないのです。

ピンコロで逝こうと思うのならば、健康の足を引っ張る生活習慣を少しでも減らすことが大切です。

自然治癒力を発揮するための営みが代謝と呼ばれるものです。

【基礎代謝】

  • 新陳代謝…細胞合成
  • 解毒、分解
  • 排毒(デトックス)
  • 免疫能力
  • エネルギー代謝…消化吸収…エネルギー生産
  • 指令の伝達

簡単に言うと、作って、壊して、捨てて、護って、回して、伝えあう関係です。

この基礎代謝の目安が体温ですので、時々測ってみるといいのです。体温が1度下がると免疫活性が約40%下がるという研究結果があります。だからと言って、数字にこだわりすぎるのは良くないですが、一つの目安となります。

風邪などで発熱し38度を超えていくと、白血球内の酵素スイッチがONになり、500倍の免疫活性になるそうです。発熱はウイルスなどに打ち勝つための最終兵器なのです。

「生きもの」の視点から観た場合、解熱剤で熱を下げてしまっていいのでしょうか。

著者によりますと、インフルエンザ脳症の原因は発熱ではなくて、解熱鎮痛剤の使用によることは、医学でも周知の事実とのことです。熱が出ていて苦しそうだからと、すぐに熱を下げることは、本当に必要なことなのかと、よく考えた方がいいですね。

毎日の生活が大切

人間の体の細胞は、日々生まれ変わっていますので、その材料となる食は大切です。食に関しては、食材の質が大切になります。

もう少し細かい要素で考えると、「ビタミン」「ミネラル」「抗酸化物質」「繊維質」「発酵食品」が大切になってきます。

食べ方の基本は、生き物の観点から見れば「腹ペコになるまで待て」です。

良い食材を選んで、腹ペコになるまで待っても、消化吸収が悪ければ意味が半減します。そこで重要になるのは「腸」です。

腸の中に住んでいる腸内細菌を整えるためには、食物繊維が必要です。食物繊維は腸内細菌の食べ物です。それに加えて、善玉菌を一緒に取り入れることも大切です。おすすめは発酵食品です。

善玉菌を取り入れても、定着している菌叢は、そう簡単には変わりません。しかし、定着している菌のお手伝いをしてくれるので、積極的にとった方がいいのです。

うんちのはなし

腸内細菌が善玉優位になったかどうかの判定は、どうしたらよいのでしょうか。それは毎朝確認することができます。大便は読んで字のごとく「大きな便り」です。

軟便かどうかということです。腸内細菌のバランスが良いと軟便になります。色は明るい黄色で臭いもきつくなく、水に浮くか、一部が水に浮くものであればオッケーです。

逆に、「黒い・固い・臭い」の腐れうんこはいけません。

因みに軟便と下痢とは違います。下痢は腐ったものを食べたり、ノロやロタなどに感染した場合で、トイレから出ることができない様な下痢を指します。この場合は脱水症状になることがあるので、点滴という医療行為に意味があります。

下痢のお話ですが、医学の観点からしますと下痢は悪い現象です。

しかし、「生きもの」の観点からしますとどうでしょうか?こうなりますよね?

下痢は不要物の緊急排出事業ということです。これは素晴らしい現象が起きているのです。しかも、脳に許可を求めないで腸が独自に判断して行います。

出さなきゃならないものがあるから、下痢をするわけですから、薬剤でこの防御システムを止めてはなりません。

著者は、下痢の痢から「疒」をとってもいいのではないかとユーモアをもって述べています。下して利益を得るのが下利になりました。腸様ありがとうですね!

最近は腸内フローラという言葉をよく聞くようになりました。腸内細菌叢が、お花畑さながらなのだそうです。腸内細菌を善玉菌で整腸し続けると、アレルギー予防、肥満予防、貧血予防、糖尿病予防、老化予防、血栓予防、がん免疫性向上などに役立つことがわかってきたのです。

腸を制する者は、健康を制す となります。

多くの病気が、免疫の問題を抱えています。ともかく病気治しには整腸を続けることが大切です。

腸内細菌の恩恵を以下に示します。

・人が分解できない栄養素を分解して消化を助けてくれる。
・吸収効率の悪いミネラルの吸収促進を助けてくれる。
・有害物質を分解、無害化してくれる。
・ビタミンB群の一部やビタミンKを作ってくれる。
・酵素、女性ホルモンの一部を作ってくれる。
・セロトニン(神経伝達物質の前駆体)を作ってくれる。
・乳酸菌が、乳酸をつくることで腸内環境が酸性となり、悪玉菌の繁殖を抑えてくれる。
・悪玉菌への攻撃物質を作ってくれる(O-157の活動も抑える)。
・免疫力の安定化に繋がりアレルギー症状が緩和される。
・NK活性(対がん免疫)が最低でも2倍に活性化する。
・腸の蠕動運動が活発となり、整腸作用が得られる。

こんなにも良い作用がある、腸と腸内細菌を愛して大切にしてください!病気を治し健康を支えるのは、自分の中の自然治癒力なのですから。

【著者紹介】
田中 佳(たなか よしみ)
1960年12月19日生まれ
東海大学医学部を卒業後、同大学附属病院脳神経外科助手を経て市中病院にて急性期医療に長年携わる。
大学在任中に悪性脳腫瘍に関する研究で医学博士を取得。
日本脳神経外科学会認定専門医・日本抗加齢医学界認定専門医。
現在は、健康になるための方法を伝える講演活動を、全国で展開している。

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肩こり・腰痛・坐骨神経痛・椎間板ヘルニア・ぎっくり腰・めまい・頭痛・脊柱管狭窄症・自律神経失調症・五十肩・膝の痛み、股関節の痛み等、様々な症状の根本原因を施術する整体治療院 。あん摩・マッサージ・指圧師の国家資格取得者「札幌 キネシオロジーの谷井治療室」です。

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