四国遍路では、御朱印帳のことを「納経帳」といいます。

お遍路は、お参りした先のお寺で納経をおこないます。
読経、納め札の納経、写経での納経などがあります。

その納経の証としていただくのが、この御朱印です。

Pilgrim of Silence ~四国遍路の旅~-納経帳

右側が六番・安楽寺の御朱印。

右端に「奉納」、
中央にご本尊を示す梵字と、ご本尊「薬師如来」。
そして左端に「安楽寺」と記されています。

赤い朱印は右上から、
「四国第六番」、ご本尊梵字、寺印となっています。


さて、左側は七番・十楽寺の御朱印ですが、こちらは朱印が二つずつ捺してあります。
これは「重ね印」といって、二度目以降の参拝時には墨書きはせず、赤い御朱印のみを重ねて戴きます。
つまり、納経帳は一生に一冊だけ。

何度も巡礼を重ねている人の納経帳は、御朱印で真っ赤に染まっているそうです。

ちなみに、区切り打ち(何度かに分けてお参りすること)なので、
二回目の開始のときには、前回打ち止めになった札所から打ち始めます。
(この七番十楽寺は、打ち始めではなかったのだけど、事情により二回参拝いたしました。
そのお話はまた後で…)

ひとつひとつが有難い御朱印です。
御朱印帳を見ていると、自宅に居ながらにして遍路旅を回っているような気分になります。


ちなみに、こちらは別で回っている、西国薬師霊場の御宝印帳。
なんと、バインダー式です。

Pilgrim of Silence ~四国遍路の旅~-西国薬師御宝印帳

平成元年に結成された比較的新しい霊場だからでしょうか。
お寺によっては、納経所の方が不在で、このバインダーの中の用紙だけが売られて(という言い方はどうかとは思いますが)いるところもあります。
お寺にとっては、前もって御宝印を書いておけるというメリットもあるのでしょうね。


いずれにしても、御朱印(御宝印)はスタンプ集めとは違うので、
ひとつひとつ有難く頂戴し、巡礼の記憶と重ねて大切に扱いたいものです。



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