再び核兵器が必要とされる時代が来るのか / 高額療養費上限額引き上げ見送り | テレビ番組 時事ネタなど書いていきます。はい。
2025年03月08日(土)

再び核兵器が必要とされる時代が来るのか / 高額療養費上限額引き上げ見送り

テーマ:時事

フランスのマクロン大統領が
「核の傘」の欧州拡大の検討を始めました。

 


理由はもちろん、ロシアによるウクライナ侵攻と、
米トランプ政権がロシアの主張に沿った停戦に持っていこうとしたからです。

日本を含め、なぜ、世界がウクライナを支持しているかを再確認します。

核兵器を含む軍事的優位にある国が
核兵器を持たない軍事的劣位にある国を侵略し、
それが認められる世界になれば、今後も同様のことが起きるからです。

核兵器の有無がdeal、取り引きの最大の要件になる世界になるからです。

中国が台湾に侵攻した場合、奪い取った地域を
中国が自由にできるようになるということです。
100年前までの常識の「切り取り次第」が常識になってしまいます。

日本に限っていえば、我が国がウクライナを支援する理由は、
・ロシアが隣国であること
・台湾有事などの有事の際、欧州にも支援してもらう必要がある

この2点でしょうか。

ウクライナ危機と核兵器の関係では、
ブダペスト覚書を無視することはできません。
1994年、旧ソビエト時代から核保有国だったウクライナは、
ベラルーシ、ウズベキスタンとともに
アメリカ、イギリス、ロシアと
核の放棄と安全を保障するという約束を交わしました。
2022年にロシアはウクライナに侵攻していますので、
ロシアの署名分は既に破棄されていますが、
米英の署名はまだ生きています。

先の米宇首脳会談でトランプがこの覚書を無視していましたので、
各国は核兵器の必要性を感じているというわけです。
現実として、ウクライナが核兵器を保有し続けていれば、
ロシアに攻撃されることはなかったでしょうから。

韓国世論は、常に過半数の人が核保有国になることを望んでいるとされますが、
今、その割合がまた高まっているようです。

 


71%が核を保有すべきだと考えていて、
日本の核保有を是とする割合が増えているのも興味深いですが、
北朝鮮がロシアと連携しているという点も重要でしょう。
力による支配が当たり前の世界では、
北朝鮮がロシアと組んで韓国を攻撃しないとも限りません。
韓国にとっては、他人事ではないのです。

ポーランドのトゥスク首相は
すべての成人男性に対して軍事訓練を行う計画を進めていると話しましたが、
さらに、対人地雷とクラスター弾の使用を禁止した国際条約からの脱退、
核兵器を含む非通常兵器が必要だとしています。

 


こういうことになるから、世界は連帯していたはずなのですが、
アメリカはブダペスト覚書すら守ろうとはしませんでした。
日本も、日米安全保障条約にどの程度の価値があるのか、
もう一度、考える必要が出てきました。

また、アメリカがウクライナを守らないようになり、
ウクライナがロシアに蹂躙され続けるなら、
ウクライナの人たちは、アメリカを敵視することになります。
怨みを買った結果、何が起こりうるのか、具体的にはお書きしませんが、
それは、アメリカ国民の生命と財産を脅かすことに繋がる可能性があるでしょう。

最後にポーランドで民主化運動を主導し、
共産圏崩壊の主導的役割を果たしたレフ・ワレサ元大統領の件をご紹介しておきます。

 


原文(英文)及び訳文は以下から確認できます。

ブダペスト覚書に触れた名文ですので、ぜひ、ご覧ください。

 

 



月岡耕漁「能楽百番 鉄輪」


 

さて、我が国の高額療養費制度の問題ですが、
石破総理は8月の自己負担上限額引き上げの実施を見送ると話しました。
衆院では自民党、公明党、維新の3党で当初予算案を通していて、
以後も石破は強気で押し通していたものの、
公明や選挙を不安視する自民内からの異論に負けて、急展開した形です。

まあ、愚かというか雑というか。
当事者の意見を聞くことなく、石破はこれを断行しようとしていたわけです。

話を聞いたフリすらしていない。

もしも断行するなら、
「これから日本はお金がない人には治療を諦めてもらう国になります」
と説明する必要があるでしょう。
これまでは死なずに済んだ人が死ぬようになり、
半年で済んだ病気や怪我の苦しみが生涯続くようになります。
その覚悟を国民に求めなければなりません。

財務省のレクチャーをそのまま政策とするのであれば、
日本に政治家なんて要らないんです。

日本国民は、この予算を通した党がどこだったか覚えておかねばなりません。
どうせ選挙のためでしょうから、またこの話は出てきます。
ちなみに、日本の医療費全体に占める高額療養費制度の割合は5%未満です。
なぜ、これが槍玉に挙がったのか、私たちは考える必要があります。