ヘンリー八世の6人の妻たちが現代に甦り、誰が一番ひどい目に遭ったかを競い合うという、奇想天外な設定のミュージカル。すごく評判がいいことは前から知っていたので、日本語字幕付きで観られる貴重な機会を逃してなるものかとチケットは発売初日に購入した。
……とは言え、内容については半信半疑だったのも確か。トニー賞でのパフォーマンス映像を見ればノリノリのロック・コンサートみたいなテイストなのはわかるし、ライブ会場のように盛り上がるんだろうなとも思ったが、そうは言っても「6人の妻たち」の話である。それぞれの不幸自慢を見事に歌い上げたところで、それのどこが「女性のエンパワーメント」につながるのだろう?
いやあ、つながりましたね。一部のパフォーマンスを切り取って観るのではなく最初から最後まで通して観たら、それはそれは見事につながっていて、私もテンション爆上がり。ま、でなきゃここまでの高評価は得られるはずもないか? 私が行った昨日の上演回では入り口でライトスティックが配布され、カーテンコールでそれをぶんぶん振り回すというお楽しみもあり、大満足の一夜であった。
追伸/ヘンリー八世の6人の妻について、まったく知らなくても楽しめるとは思うけど、事前にググって予習しておいたほうがわかりやすいとも思う。私はヒラリー・マンテルの『ウルフ・ホール』三部作を読んだし、何ならフォード・マドックス・フォードの『五番目の王妃』なんてのも読んだことあるのに、それでも6人についての記憶があやふやだったので、やっぱり事前にググらせてもらいました。我ながらダメすぎ。