天竺堂の本棚小説

犯罪捜査の現場 緊迫感みなぎる短編集 『第三の時効』

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 やたらと仕事ができて、自分にも他人にも厳しい……そんな人材がいる職場は、成績は上がるだろうけど、一緒に働かなきゃならない身としてはなかなかにツラい。
 そこが警察みたいな、仕事自体が“社会正義”を体現してるところだと、惰弱へ逃げにくいから余計にツラい。

 F県警捜査一課強行犯捜査係の活躍を描いた連作短編集。
 本書に登場する3人の班長たちは、それぞれに個性的で、犯人逮捕の連勝記録を競い合うほどの腕利きぞろい。
 しかし、上司としても部下としても、協調できそうにない難物ばかり。彼らが率いる職場には“ブラック”な雰囲気が濃厚に漂ってる。
 刑事たちの捜査をギャラリーとしてながめてる分には、無類に面白いんだけど。

 犯罪捜査のハードな現場にみなぎる、胃が痛くなりそうなヒリヒリとした緊迫感が、行間から伝わってくる短編連作でした♪

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