絶対にかぞくには言わないようにしていたことを、先日言ってしまった。
膠芽腫と分かってから、折に触れて思ってきたこと。
病室から見える桜、来年も見られるのかな?
眼鏡を新しくした。あとどれくらい使えるのだろう。
杖も新しくした。あとどれくらい歩けるのだろう。
どうせあと何年もいきられるわけじゃないのだから、買わなきゃ良かった。
新しいマットレスを買おうと勧められた。買ってすぐに死んだら、もう使えなくなるから勿体ない。古い布団でちょうどいい。
どうせ短い命だから、私にお金を使わないで欲しい。
色々考えて生きても、何年も生きられるわけじゃないから、もうどうでもいい。
旦那さん、悲しそうな顔をして、
「そんなこと言うなよ」
と言った。失言したと察し、謝ったが、自己嫌悪。
自分が嫌になってきた。
そうしたら、胃が痛くなってきた。
まるで、私があほなことを考えないように、意識を胃に向けさせているように感じた。
体調が安定しているだけで、幸せなことなのに、体調が安定しても先のことを考え落ち込んでしまう。
頑張って前向きに生きようと決めるのだけれど、その決意を打ち砕くかのように、麻痺側の手足の痛みが強くなる。頭痛も強くなる。まるで、膠芽腫が、自分の存在を忘れさせないように主張しているかのようだ。
症状が強く出ると、腫瘍が大きくなってきたのかな。と不安になってくる。
じわじわと、生殺しにされている気分。
この先、どう生きるのか、どう死んでいくのか。
先が分からないことが希望にもなるし、不安にもなる。
日常に感謝して、日常を楽しまないと。
家族に心配をかけないように、生きたいな。
「大好き。ありがとう」を伝え続ける毎日がこの先も長く続きますように。