元々は自転車ブログなので、私の読書記録なんか記事にする必要はないんやけど、備忘録的に呟いておこう。
1月中旬まで降雪は少なく外出する事が多かったので、読書量は少なかったな。
1月24日の夜から『10年に一度の災害級の寒波』で、彦根も20センチ位の雪が降った。気温が上がらず雪はなかなか溶けない。
あの頃ぼくらはアホでした
12月に東野圭吾さんの推理小説を読んだとレポートしたら、『あの頃ぼくらはアホでした』を紹介してえたので早速読んでみた。
東野圭吾さんは1958年大阪市生野区生まれ。関西人やったんやね。
■あの頃ぼくらはアホでした 東野圭吾 1995年発行
1970年代の幼少時代のエピソードが面白い。
校内暴力の中学校、地元の公立高校生と浪人生時代、府立大学での体育会の部活など。
私も大阪市内で育ったし、大学は体育会クラブだったのでエピソードに頷く事が多かったな。
そうそう、あの頃はみんなアホやったんやなとニヤけてしまう。
■あの頃の誰か 東野圭吾 2011年発行
1990年頃のバブル期に書いた未収録作品の短編集。
アッシー君やメッシー君、でかい箱型の携帯電話など、『あの頃』のキーワードに当時がフラッシュバックされる。
あとがきには未収録となった理由と言うか、言い訳が書かれていて面白い。本人は『訳あり作品の短編集』と言っている。
特撮怪獣映画『大怪獣ガメラ』
東野圭吾さんのエッセイ『あの頃ぼくらはアホでした』の巻末に、東野氏と平成ガメラの監督金子修介氏との対談が載っていた。
『あの頃ぼくらはアホでした』の中でも怪獣映画ブームの事が書かれていて、東野氏自身も怪獣マニアだと言っている。
私はガメラの記憶が薄いのでキチンと見たくなった。
【ガメラのおさらい】
1954年にヒットした東映の『ゴジラ』に対抗して作られた大映の怪獣映画。
■昭和版ガメラ
大映が1965年に公開した『大怪獣ガメラ』から、1980年までの8作を昭和版と呼ぶ。
■平成版ガメラ
1995年~99年に制作された金子修介監督の3作品。平成3部作と呼ぶ。
エッセイ『あの頃ぼくらはアホでした』の巻末の対談はこの映画の話。
平成ガメラはフォルムもカッコイイ↓
ガメラ平成3部作
■ガメラ 大怪獣空中決戦 1995年3月公開
ガメラ平成3部作の1作目
監督:金子修介 特撮:樋口真嗣
出演:伊原剛志、中山忍、小野寺昭、本田博太郎、蛍雪次郎、藤谷文子
古代生物ガメラが復活し、ガメラの敵で一番人気のギャオスと戦う。
敵か味方かわからない『ゴジラ』と違い、『ガメラ』が子供を守るシーンもあって人間の味方ってスタンスがハッキリしている。
ギャオスが東京タワーを止まり木にするシーンなど、細かいセットが見ものだ。
■ガメラ2 レギオン襲来 1996年7月公開
出演:永島敏行、水野真紀、石橋保、吹越満、蛍雪次郎、藤谷文子
ギャオスとの闘いから半年後、東京で宇宙怪獣レギオンが出現した。
この作品のテーマは、ガメラは本当に人類の味方なのか?
ガメラが地球の生態系を守っているとしたら、人間が生態系に害を与えるとするとガメラは人間を敵とみなすのではないか?と自然破壊に警鐘を鳴らす。
■ガメラ3 邪心(イリス)覚醒 1999年3月公開
出演:中山忍、前田愛、本田博次郎、蛍雪次郎、藤谷文子
ギャオスとの闘いから4年後の設定はリアルタイムだ。
ガメラがギャオスと戦った時に犠牲になった人の家族は、ガメラを憎んでいるって話。
ギャオスの変異種『イリス』が登場し京都で戦う。
空想のストーリーであっても当然起こりうるシリアスな問題点に着目した作品。
50年前の怪獣や宇宙人をやっつけるだけの特撮映画はシンプルだったけど、今やストーリーやテーマ性だけでなくセットや撮影技術も複雑になっている。
昭和版ガメラ 7本
平成3部作を見たので、昭和版ガメラと見比べてみる。
■大怪獣ガメラ 1965年11月公開
昭和版ガメラの1作目は白黒映画だった。
監督:湯浅憲明 出演:船越英二、霧立はるみ、山下洵
原子爆弾によって蘇った『ガメラ』の正体は、かつて北極の近くにあったアトランティス大陸にいた伝説の亀と説明される。
謎の怪獣とされ自衛隊からバンバン攻撃されるが、ガメラには効かない。どうするんだ人類!と思ったら『えっ?』って方法で戦いは終わる。
■大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン 1966年4月公開
2作目は大怪獣ガメラの続編となるストーリー。
監督:田中重雄、特撮:湯浅憲明 出演:本郷功次郎、江波杏子
ニューギニアの奥地に伝わる災いを呼ぶという伝説の正体は『バルゴン』だった。
神戸や大阪で大暴れして、びわ湖でガメラと対決すると聞けば、子供はドキドキしただろう。
しかし、ストーリーは大人向けでガメラは最後の15分位しか出てこない。
監督も湯浅憲明さんじゃないので、大人の事情があったんだろうって事はわかるが、子供は映画にガッカリしただろうな。
■大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス 1967年3月公開
監督:湯浅憲明 出演:本郷功次郎、上田吉二郎、笠原玲子
これぞガメラ!
前作のバルゴンが失敗だったと反省したんだろうな、湯浅憲明さんが監督に戻って完全に子供向けに作っている。
いたずら大好きな子供が主人公で、宇宙船は近未来のイメージっぽく、エンディングでひばり児童合唱団のガメラの歌が流れる。
悪役のギャオスはガメラを代表する敵キャラになった。
■ガメラ対宇宙怪獣バイラス 1968年3月公開
監督:湯浅憲明 出演:本郷功次郎、高塚徹、八重垣路子、渥美マリ
昭和版ガメラの4作目。
私の知ってる『強いぞガメラ♪強いぞガメラ♪強いぞガ~メ~ラ~♪』の歌はこの映画で流れたガメラマーチって曲だった。
ガメラの人気は急上昇だったはずだが、当時の大映の経営状態は火の車。
前の3作の半分の予算で作られた本作品は、新しいジオラマセットや自衛隊の攻撃シーンは殆どなく、過去の怪獣を回想するシーンで前作のフィルムを使いまわしている。
でも、ヒットしたんだって。
■ガメラ対大悪獣ギロン 1969年3月公開
監督:湯浅憲明 出演:船越英二、大村崑、笠原玲子、イーデス・ハンソン
昭和版ガメラの5作目。
たぶん、TV放送で見たと思うがこの映画の内容は覚えている。
包丁をモチーフにしたギロンの凶悪な感じが怖かった。
ガメラが鉄棒したりゴーゴー踊ったり万歳したり、子供向けにおちゃらけすぎる。
■ガメラ対大魔獣ジャイガー 1970年3月公開
監督:湯浅憲明 出演:炎三四郎(速水亮)、大村崑
昭和版ガメラの6作目。
最初からガメラマーチが勇ましく鳴り響く。
ウェスター島で眠っていたジャイガーが日本万国博覧会の会場を破壊する?
通天閣や町を破壊するセットにお金をかけた、万博を宣伝するような作品。
しかし、鳥がモデルのギャオスやイカがモデルのバイアスは独創的なデザインだったけど、6作目ともなると四本足の怪獣ばかりでつまらんな。
■ガメラ対深海怪獣ジグラ 1971年7月公開
監督:湯浅憲明 昭和ガメラの7作目
前作のジャイガーが好評で増額された予算で撮影されたが、同年12月に大映は倒産してしまう。
オープニングのガメラマーチと『ガメラは子供の味方なんだぞ』のセリフで完全に子供向け娯楽映画に定着したガメラ。
水に住むジグラ星人が海の綺麗な地球にやってくる。海を汚す人間に代わって自分達が地球に住むから人類は降参せよと言う。
いつもの様にガメラが人類を救う為に戦うのだが、ジグラ星人の言い分も正しいと思う。
心からガメラを応援できなかった。
大映が倒産した1971年って、子供の興味はウルトラマンや仮面ライダーなどのTV番組にシフトし、怪獣映画ブームは下火になりはじめていたんじゃないかな。
大映時代の昭和版ガメラはジグラまでの7作品だった。
それから9年後の徳間グループ時代に1作品が製作された。
他の怪獣映画
■大怪獣のあとしまつ 2022年2月公開
監督:三木聡
出演:山田涼介、土屋太鳳、濱田岳、オダギリジョー、西田敏行、笹野高史、ふせえり
昭和版ガメラの怪獣映画ブームの頃は、敵を倒してくれる『僕たちの味方』がシンプルでウケた。
平成ガメラではガメラに壊された町の復興やその犠牲者がいるはずだと、空想映画にシリアスな問題が提議された。
この作品も死んだ怪獣の後処理はどうするのか?というリアルな問題がテーマになっている。
大人になったら純粋に空想特撮映画を楽しめなくなるんやね。
■大巨獣ガッパ 1967年4月公開
監督:野口晴康 出演:川地民夫、山本陽子
東映のゴジラ1作目は1954年、大映のガメラは1965年。
1967年にようやくブームに参入した日活唯一の怪獣映画。
南海の孤島で発見されたガッパの子供を見世物にしようと日本に連れて帰る。
怒った両親ガッパが日本にやって来て暴れるってシンプルなお話。
映像もキレイで特撮もいい。日活ってパワーあったんだなぁって感じるけど、『カッパ』の怪獣ってセンスがね~。
黄金の映画ブームの終りごろに怪獣映画ブームがあったんやね。
何を観たかは覚えていないけど、小学校低学年の頃に父と二人で怪獣映画を見た記憶がある。地下鉄に乗ったので難波の映画館だったと思う。
東野圭吾さんのような今も怪獣が大好きな大人がいる様に、当時の父も怪獣映画が大好きだったようだ。
あの時の怪獣映画は、子供をだしにして自分が見たかったんだろうな。
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