F1~あの先にある栄光~魔の正体#2 | F1~あの先にある栄光~

F1~あの先にある栄光~

F1~あの先にある栄光~は、1994年サンマリノGPで発生した事故の真相を追及するものです。

小説風に書いていきます。更新は2か月1回のペースでやっていきたいと思います。
タイトル写真:BigTallGuy

もちろん楽観などはしていなかった。


だが開幕戦のブラジルグランプリでは焦燥へと変わっていくことになる。


ミハエル・シューマッハがドライブするベネトンが想像以上に速かったのだ。
ハイテクを失いライバル勢に接近されることは想定していた。
だが逆転を許すほどとは、、、

あきらかにドライバビリティでベネトンが上だったのだ。


空力に神経質なマシンで彼らと対等に戦うにはマシンを極限にセットアップするしかなかった。

車高を落としサスペンションをハードにすることで空力によるハンドリングの変化を最小限に抑えようとした。


しかしその行為はマシンの挙動をよりシビアにさせた。
それはまるで崖の上に架けられた鉄骨の上を走る危うさのように。

それでも奇跡とも言えるドライブで開幕戦はポールポジションを奪取する。
そのポールポジションを獲得する姿にアイルトン・セナの有利を疑う者などいなかった。
事実はそうではなかったのに。。。

アイルトン・セナでなければこのポールポジションは成し得ない事だったのに。


そして決勝はスピンを喫してリタイアに追い込まれる。


レース前半はミハエル・シューマッハをリードしていたがピットストップ戦略でミハエル・シューマッハに逆転されてしまう。


そしてミハエル・シューマッハ追撃態勢に入ったその直後コントロールの限界点を超えてしまったのだ。



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