夢の傑作映画館・高島与一

ドラマ・映画のシナリオ、ルポ、ドキュメンタリー、構成台本、小説、エッセーなどの執筆とドラマ論、脚本指導

新藤兼人

2012-06-21 23:03:27 | 芸術・文化
5月29日に、映画監督・脚本家の新藤兼人さんが100歳で逝去された。

敬愛する監督だった。

私が教える若い学生たちは、新藤さんの名前さえ知らないかも知れない。

ぜひ、学生たちに新藤さんの偉大さを伝えておかねばならないと思った。

新藤さんの映画を、まず観てもらおう。

作品は何にするか?

同時に、私には一つの悩みがあった。

若い学生達に、現実に起こっている原発問題に向き合ってもらいたいとの思いだ。

ただ、私が教えているのは、映像ドラマの脚本創作であって、社会学や政治学などを担当している訳ではない。

担当している科目と原発問題との接点、切り口が掴めず悶々と時間が経過して行った。

だが、新藤作品の中に接点があった。

『第五福竜丸』を上映しよう。

ビキニ環礁での水爆実験で被ばくしたマグロ漁船の乗組員の話だ。

現実社会に生きる人間と、それを取り巻く社会を直視することなく、ドラマを創作することなんかできないという新藤さんの信念を、若い学生たちに伝えることができるか?

課題は重いが、切り口を与えてくださった新藤さんに感謝。


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