アイドル沙也加が

 わざわざ施設に

 来てくれただけで

 効力はあったが、

 万札の束は

 それとは別の

 効力があった。

 沙也加は芸能人

 ご用達の高校に

 通っている未成年だが、

 芸能活動で

 得た収入を自分で

 管理していた。

 両親は沙也加を

 子供の頃から

 自立心ある子に

 育て自分で考えて

 失敗も成功も

 自分の経験として

 受け入れる様に

 言っていた。

 収入の使い道も

 沙也加は自分で

 決めてきた。

 自由になるお金を

 無駄にしたことは

 一度もない。

 今回も施設への

 寄付であり、

 本当にこれが

 子供たちのために

 使われる上に

 自分の融通を

 通せるだろうと考えた

 有意義な使い方だ。

 実際これで

 なんでも沙也加の

 望み通りになる。
「今日は

 新メンバーになっ

 た奈々ちゃんの

 調査でこちらの

 桐生晃君に

 詳しく聞きたいことが
 あってお邪魔しました。

 秘密の質問ばかり

 なので後で晃君と

 外に出ていいですか?」
「ええ、どうぞどうぞ。

 門限くらい少し

 遅れてもいいので

 じっくり聞いて下さい。」
 園長さんと職員さんは

 首を何度も

 縦に振って、
 マスクの下で

 沙也加はしてやったりの

 顔になった。

 スーパーアイドルが

 自分を待っている

 とは知らない晃は

 今日も学校が

 終わると急いで

 学校を出て行こうとした。
「晃待って!」
 奈々は教室を

 出ていく晃の後を

 追って走り、

 追いつくと後ろから

 晃の腕に手を回した。
「俺急ぐんだ。」

 

 

 

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