みんな雄一郎の

 意識が戻ったと

 聞いていい意味で

 場の雰囲気が

 大きく変わった。
 校長は同行している

 教師や警官を

 置いて急いで

 中に入ろうとしたが

 それを押しのけて
 晃が一番に

 緊急処置室に入った。
 晃がベッドに

 駆け寄ると

 上半身を起こした

 雄一郎が笑顔を

 向けている。
「足をやられたけど

 どうやら内臓は

 問題なかったってさ。」
 なんだか

 軽ーい感じの雄一郎。
 その軽さで

 さっきまでの

 修羅場が一転

 パッと明るく

 照らされたようだ。
 晃は雄一郎の

 笑顔で心の底から

 ホッとし、

 雄一郎さんって

 すげえと思った。
「雄一郎さん、

 うううう、ゆうううう…

 うううええええええん。」
 雄一郎は晃の顔に

 手を伸ばして

 晃はその手を取った。
 なんとか嗚咽を

 飲み込み、

 涙を止めて晃は言う。
「ゆういちろうさんが

 …父さんみたいに…

 いなくなるかと思った…。」
 雄一郎は意外な顔だ。
「加奈子から

 聞いてないか?

 俺は強運なんだぞ?

 離婚騒ぎがあったて、
 飛行機が落ちたって

 事故が起きたって

 どう転んでも

 いいことが起きる

 体質なんだ。」
「そんなの聞いてないよおおお。」
 

 

 

 

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