みんなに愛されて

 みんなに

 甘やかされて

 毎日幸せな晃に

 戻ったが、
 でも今回の体験で

 人の心はどこかに

 悪意があるんだと

 経験した。
 みんなが愛して

 くれているから

 何しても大丈夫

 などというのは

 違ったのだ、

 と学んだ。
 嫌われるきっかけが

 あれば人の評判は

 ころころ変わり

 愛は攻撃に

 変わってしまう

 そんな恐怖体験は

 頭が悪くて薄っぺらい

 物の考え方しか

 なかった晃の

 トラウマになった。
 だから晃は人の評判を

 気にするようになった。

 とはいえ時間が経つと

 暮らしは元通り。
 結局今も友達は

 みんな晃が大好き。

 施設でも学校でも

 大人気。
 雄一郎も晃を

 可愛がってくれて

 晃の生活は充実して

 毎日楽しかった。
 でもそれは

 5月になって

 雄一郎と加奈子の

 赤ちゃんが生まれて

 くるまでだ。
 予定日より早く

 生まれて来た

 双子の赤ん坊は

 女の子だった。
 双子は生存の為に

 親を支配した。

 晃が居座っていた

 場所に双子が君臨し、
 晃を蹴落とした。

 蹴落とされた王子は

 雄一郎と加奈子の

 愛情を一身に

 受ける双子に
 驚き、恨み、妬んだ。
 …生まれて初めて

 晃は嫉妬心を覚えたのだ。

 それも赤ん坊たちに。
 可愛くて可愛くて

 仕方ない双子の

 子育てで優雅に

 暮らしていた

 雄一郎と加奈子も
 てんてこまいになった。

 雄一郎にいたっては

 会社を移転する

 予定もずらし、

 晃の受験を
 支援するはずだったが

 予想を超える

 赤ん坊の威力に

 予定は狂いまくった。
 要は晃は

 赤ちゃんたちに

 二人を取られてしまったのだ!
 

 

 

 

 

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