土日に勉強を

 教えて貰っていても

 赤ちゃんが泣き喚くたびに

 加奈子が叫ぶ。
「雄一郎ー、

 あんた休みくらいは

 手伝ってよー!!」
「ハイハイ奥様!晃、

 ちょっと待ってて。」
 雄一郎は急いで

 子供部屋に駆け込み

 ギャンギャン泣く

 赤ちゃんたちを

 抱き上げて
 悲鳴を上げた。
「一時間ごとに同時に泣くのは

 やめてくれよー。」
 子供部屋では

 楽しそう?な騒ぎが

 聞こえてくるから

 一人リビングで

 涙目の晃。
 向こうでは雄一郎と

 加奈子と双子たちの

 家族が固まっていて

 晃はよそ者になった。
 勉強していても

 涙で教科書も

 ノートも見えない。
「ぐす。ぐす。」
 二人が構って

 くれないから

 寂しくて仕方ない。

 胸の痛みに

 耐えかねて晃は

 教科書や
 参考書をしまって

 立ち上がった。
「俺もう帰るから。」
 そういう晃に

 雄一郎も軽い。
「分かった。

 受験の問題集は

 ちゃんとやっとけよ。」
 雄一郎さんが引き留めてくれない!!畜生!!!
 子供部屋から顔を

 出さずに声だけで

 終わり。

 晃は両頬を思いっきり

 引っ張り、
 下をべろべろ出して

 見えない敵、

 双子に悪態をついた。
「うれれれれれれれれれれ!!!」
 バーカ、バーカと

 幼児返りも著しく

 ブツブツ言いながら

 玄関に行って

 靴を履く。
 部屋では悲鳴が良く

 聞こえる。
「うんちした!!

 加奈子、代えたおむつに

 うんちしたぞ!!

 おむつもう一枚!!」
「こっちも今うんちしてるー!!

 どうしてなんでも

 同時なのよおおお!!」
 双子の神秘で楽しそうな?

 家族団らん?の声を

 背にして外に

 出ていく晃。
 晃の心の中は嫉妬心で

 暴れ狂い、
 一人施設に戻る駅の

 ホームで空を見上げて

 叫んだ。
「赤ちゃんなんか大嫌いだ!

 ばかやろおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
 


                          


                            おしまい。



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