「じゃ、私が食べる。裕美さんには悪いけど」志奈子。
「志奈子。少しは場をわきまえんと。横山さんがおるんやから」おとん。
「は~い。いいんだけどな。私って運動してるから太ったりすることもないし、ね、裕美さん?」志奈子。
「志奈子ちゃんはスポーツしてるからかな?細いよね」裕美。
「一応標準体重です。裕美さんの方がずっと細い。細いから誰かが守ってくれそうだし。顔も手もちっちゃいしね。今はお兄いちゃん守ってくれてるけど、これからどうなるのかな?」志奈子。
「フフ、私も彼も変わりませんよ、志奈子ちゃん」裕美。つられて俺も口元緩めてしまった。
「アイタタ、お正月から世話ないな」志奈子。
「父ちゃん。今日もいつもの神社だよね」俺。
「あぁ、えびす神社やな」
「何時くらいに出るの?」
「11時くらいでええんとちゃう?なぁ?」おとん。
「そうですね。その位ならゆっくり行けるでしょうから」おかん。
ちょうどいい頃合だと思ったので、改まって、
「父ちゃん、母ちゃん。初詣終わって帰ってから話したいことあるんだけど、時間ある?」俺。
「なんや、いきなり改まって」おとん。
「俺も今年20歳の成人迎える。まだ学生の身やけど、俺自身の節目として聞いて欲しいことがある」俺。
「私はいいわよ。どうせ正月なんて見たい番組もないし退屈だから。お父さんもいいでしょ?」おかん。
「俺もかまん。どこも行くことないしな」おとん。
「有難う」俺。
「分かった!昨日言ってた大事な話ね?ね、私も聞いていい?」志奈子。
「・・・いいよ。お前は妹なんだし、俺の家族だしな。いいよね?」裕美に顔向けた。裕美は頷いて、
「出来たらお姉さんにも聞いて欲しかったけど、今日は来ないんだよね?」裕美。
「姉ちゃん家族が来るのは2日の明日の夕方って決まってるから。今日は来ない」俺。
「分かった。あとは任せるね」裕美。
そんな感じでお雑煮の朝食も済み、西宮戎神社へ向かう準備を始めた。
えびす神社は電車で行ってる。駐車場がないし正月は物凄く混んでるから。ここは福男選びでテレビのニュースでも出てる有名な神社だ。もっとも福男は10日6時からなので今回は関係ない。
(続く)
