遠い星241(TDL編38) | たろすけ日記
「いいや。滅多にない。普段は責任取るとかしっかりするとか言って俺自身笑ってしまいたくなるような真面目なことばっかり言ってるわ。彼女も相槌してくれるけど、多分退屈やろなって思う。言ってる俺自身がそうやし。で、俺もそんなんばっかりやからストレス溜まってもぉてどうしようもなくなる。やから酒飲んで酔って初めて本音が言えるんやろな」

「変な付き合い方やね。そんなんじゃいつまで経っても裕美さんには頭上がらんよ」

「いや、それは違う。お互いの本音が言えるようになってやっとまともな付き合いが出来るんや思う。俺らみたいなの回りから見たら変なのって思うやろけど、俺らには俺らにしか出来ない付き合いなんや。お前も誰かと付き合ぉてみたら分かる」

「誰でも同じパターンの付き合いってないもんね。私もこれからおにい参考にするよ」

「誰だって言葉だけならいくらでも綺麗事言える。でも俺らにはそんなもん必要ないしな。もちろん今の俺も彼女の全てが分かってるわけじゃないし」

「そっか。・・・私にはよォ分からんけど、裕美さんしっかりフォローせなあかんよ。私もおにい以上に裕美さん大事な人なんやし」

「うん。しっかりせなあかんな。でもお互い喋らんのによくここまで続けたなって思うわ。普通のカップルやったら簡単に終わってたかもな。別に俺らの付き合いは参考にはならんけど、俺らみたいなのもおるっての知っといて欲しい。そんだけ」

恋人関係ってのはちょっとしたことですぐ壊れてしまうものなんだろう。絶対的な恋愛なんてないんだろうし男と女の付き合いって難しい。でも、おにいたちなら絶対的な恋愛って言ってもおかしくなさそう。友達とかに言ったら笑い飛ばされそうだけど、おにいと裕美さんの関係は誰がどう見ても壊れない原石みたいにガッチリした関係なのかも。

まだこれからのことだけど、私の彼氏になってくれる人はず~っと私を引っ張ってくれる人がいい。いつもいてくれてたまに鬱陶しくなることもあるけど、でもやっぱりそばにいてくれる人がいて欲しい。って甘えすぎか。おにいの顔も赤ら顔が消えて眠くなってきてるようだ。パソコンの画面も見てなさそうで眼がトロンとしてる。裕美さんが出てきた。

「お待たせしました。次志奈子ちゃんで良かった?」まだ髪も乾いてないまま裕美さんが戻った。

「おにい、眠そうやけど先シャワー浴びる?」

「ん。いや、お前先でかまん。お前も眠いやろし」

「そう。なら先入るよ」

「うん。おにいは最後でいいって。じゃ入ってくる」そのまま服脱いでシャワー浴びた。もう5月だからシャワーで十分。お風呂もあった方がいいけどたまにはシャワーだけってのもいい。
おにいたちの関係は問題ないよね。帰りあれだけ仲良くしてたし。

昨日と同じなので軽く洗ってすぐ出てしまった。おにいは相変わらずボーっとしてるし、裕美さんはおにいの隣に座ってタオルで熱心に髪乾かしてる。本当の恋人って言葉なんて要らないのかもね。二人見てるとそう思えてきた。二人だけの世界。回りに何もなくても二人の気持ちが繋がってる。不安とか心配事のない静かで落ち着いた世界。二人見てるとそんなこと思えてきた。さっきの喧嘩?も二人にはプラスの結果になってるんだ。
(続く)