今朝は曇り・・・明日から2、3日は雨模様との予報もあって・・・青空の下で桜を見れるのは週末になりそうですね。
それまで桜はもつかな?
桜が咲くころの薄曇りを花曇(はなぐもり)と呼びます、どんよりとして生暖かいのが特徴ですが・・・
寒さが戻った今日のは違うかもしれませんね。
漢語では花を育てる天気という意味から「養花天(ようかてん)」いいますが・・・
字面や「ようかてん」という音の響きから、花曇りより大きな景色を感じます。
「ましろなる鳩一羽翔く養花天」( 原石鼎)
いつもの川・・・
ボケ
これは・・・桃ですかね?
カリンの蕾
アオジ
スミレがいたるところで咲いています。
ダイサギ
調整池
開花が進みませんね・・・
散歩コースの桜
ツクシ
ダイサギ
ノスリ
葦の芽
葦の新芽を葦牙と呼びます。
葦牙と書いて「あしかび」と読みます。
葦の尖った若芽の先は牙のように伸びています。
その尖った新芽を牙や角、錐に見立てて、葦の牙、葦の角、葦の錐ともいいます。
水温む春を表す季語です。
これの新芽を見ると、長谷川櫂の句
「葦牙のごとくふたたび国興(おこ)れ」
が頭に浮かびます。
2013年、東日本大震災の後に詠んだ句集(震災句集)に掲載された句ですが、
その元となっているのは、
古事記の冒頭の天地開闢の物語だと思われます。
天地開闢(てんちかいびゃく)のときに高天原(たかまがはら)に出現し、万物生成化育の根源となった造化二神が現れた後、
の記述です。
「次に国稚く浮きし脂の如くして、水母(くらげ)なす漂える時、
葦牙の如く萌え騰がる物に因りて成りませる神の名は、
宇磨志阿斬詞備比古遅の神(うましあしかびひこじのかみ)。」
『まだ地上世界が水に浮かぶ脂のようで、クラゲのように混沌と漂っていたときに、
葦が芽を吹くように萌え伸びるものによって成った神の名は宇磨志阿斬詞備比古遅の神』
と天地開闢の物語が綴られています。
そして、この二柱の神がつくった島々を「豊葦原の千秋の長五百秋の水穂の国」と呼び、
これから日本の古名を「豊葦原瑞穂の国」といいました。
瑞穂はみずみずしい稲穂のことで、稲が多く取れることから瑞穂の実る国ということでしょうが、
その前段には、葦が沢山生えている国と呼ばれ、古事記に生物として真っ先に名を連ねた輝かしき経歴の植物なんです。
災害が絶えない日々ですが・・・目にし耳にしたときに長谷川櫂のこの句が心に沁みます。
「葦牙のごとくふたたび国興れ」
いつもの川でカルガモ・・・平和な姿ですね
こんな風に、翼の間に顔を入れ、体を丸くして水面に浮いたまま寝ている水鳥を「浮寝鳥」といいます。
「浮寝鳥寄り添い見るや同じ夢」 (守口 薫)
水面に浮かび、ゆらゆらと揺れながら眠りをむさぼっている姿は、優雅に見えますが・・・
半面、浮いて漂う不安定な姿から、古くは不安な胸の内を象徴的に表す言葉として詠まれています。
新古今集には
「 水鳥の鴨の浮き寝の浮きながら波の枕に幾夜寝ぬらむ」
(水鳥の鴨は水に浮きながら憂きの気持ちのまま波を枕にして幾夜寝たのでしょう。)
「浮き寝」に「憂き寝」を掛けて、自分の不安な心を詠んでいます。
恋の悩みも・・・金葉集に
「逢ふことも奈呉江にあさる蘆鴨のうきねをなくと人は知らずや」
(あなたに逢うこともなく、奈呉江の葦辺で餌をあさる鴨が浮き寝をしながら鳴くように、私も憂き寝をしながら、声を出して泣いていることを、あの人は知ってくれるだろうか)
俳句では冬の季語
「お手玉の置かれしやうに浮寝鴨」 (永野絢子)
古い記事の再掲が続きました・・・m(__)m
では・・・(@^^)/~~~