小笠原諸島旅行記④〜三日目 中編〜
なんやかんやで登山開始。
登山口(のような所)までは駐車場から徒歩5分くらい。
目印は足ふきマットと石を入れるボックスのみ。
まず、外来種の種子の侵入を防ぐため、足ふきマットで靴の裏を綺麗にする。
そして自分の所属に従い、石を入れる。どんな人が入山しているかを把握する為らしい。
観光客・地元民・研究者などにカテゴライズされている。
それが終わるといよいよ山に入る。
といっても雰囲気は地元の里山と似ている。
細い道を歩き、何度かゴツゴツした岩を越える。
父島の山は沖縄みたいに「ザ・熱帯」という感じではなく、どちらかと言うと本州の山に近い気がする。
沖縄と違いハブもいない。
時折、小笠原の固有種が現れる。
幹に八の字があるから「マルハチ」、葉から芽が出るから「ハカラメ」等絶対に本州で見られない植物もある。
山を数十分登っていくと、岩肌がむき出しの山の斜面が見えてくる。
そういえば、島に来た時からこのむき出しの斜面が気になっていた。
当初は小笠原諸島特有の土の質?なのかと思っていた。
そして、よく目を凝らして見てみると数頭のヤギの姿が。
おがちゃんさんによると、実はこの特有の山肌は小笠原特有とかそんなものではなく
単にヤギに草木を食べられまくった結果だったのだ。
ヤギは戦前、食料として島に連れてこられたが、ヤギはあまりおいしくなく(というか臭い)ので
結果として放置され野生化してしまったらしいのである。
その為、定期的に駆除が行われているそうだ。
今を生きるヤギ達にとっては何とも迷惑な話ではあるが、草木を食べられる事による被害も大きいので
仕方のない事なのかもしれない。
この様な駆除はヤギだけに限らない。
小笠原原産でない動植物は徹底的に排除される傾向にある。
特にやり玉に挙げられるのが野ネズミ・トカゲ・野良ネコである。
野ネズミは殺鼠剤を空からばらまく、トカゲは罠を用いて、野良ネコは捕獲して本土に強制送還するなどしている。
端から見ると自称環境団体から抗議が押し寄せそうな事をしているが、手を抜かない姿勢に小笠原諸島の本気度が伺える。
まさに保護と駆除は表裏一体なのだ!と言わんばかりである。
ちなみにヤギの駆除は猟銃を用いるので、観光客の少ないおが丸が出港している期間で行われるらしい。
このように小笠原の観光業はオンとオフが区別出来るのが特徴でもあるかと思う。
また長くなりそうなので続きます。