朝日カルチャーセンターで「インド神話の世界」のオンライン講座がありました。当日はZoomで、のちにYouTubeで1週間限定の動画配信があり、わたしは動画配信で受講しました。
岩波少年文庫で10月に刊行されたばかりの『インド神話』の中から、著者の沖田瑞穂さんによる朗読と、解説です。
この本は発売当初にサイン本を教文館ナルニア国で手に入れました
けれど、まだすべては読み切っておらず…
神話って、とても興味があるのですが、読んでもすんなり頭に入ってきません なので耳からの情報は、きっと理解の助けになるのでは、と喜び勇んでの参加です。
以下、講座のメモとまとめ。
インドは歴史が古く、多民族国家なのでたくさんの神話がある。
神話の内容は、よく考えたら矛盾している。けれど併存しているというのが、神話の神話らしいありかた。
インド神話はふたつに大別される。
バラモン教の神話=古い神話
ビンドゥー教の神話=新しい神話
から
世界のはじまりの物語。
いろいろなパターンがある中で卵の話から。
(黄金の卵 13p)
言葉による世界の創造でよく知られている話=旧約聖書(ユダヤ教の聖典)と一致する。
言葉の前に卵がある、というのがインドらしい
解説(255p~)で、いろいろな地域の神話を紹介し(解説のみならず本文まであり!)、インドとの比較をしている。
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卵とはまったくちがう話で、原初の時に巨人がいて、その死体から世界が生まれた、という巨人の話。
(巨人プルシャ 15p)
中国、メソポタミア(巨大な怪物)などにもみられる話。
北欧に似た話(257p)。ユミルは漫画『進撃の巨人』にも出てくる。
から
戦(いくさ)女神の話
(ドゥルガーの誕生 209p)
インドの神様はそれぞれ特徴的な乗り物を持っている。
白いライオンに乗っているのはドゥルガー女神。
(黒い女神カーリー 214p)
あらかじめメールに添付されて受け取っているカラー図版の紹介。
これはデーヴィー・マーハートミャという文献(ネパール/1863年)から。
デーヴィーは「女神」、マーハートミャは「いさおし」の意。
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ウシャナスという聖仙の話。
(悪魔たちをよみがえらせるウシャナス 73p)
聖仙(せいせん)は何なのか?すごく難しい。
神々よりも時に強い力を持つ。
神々が取った方策が「色仕掛け」なのがおもしろい。
「死すべきもの」というのは、普通は人間のことを指す。ところがこのではカチャ(神々の一員)がそのように表現されているのが不思議。
マーヤー=測量する 幻力
むずかしい概念
バラモンにとって飲酒は忌避すべきもの
ソーマ=聖なる飲料。酩酊飲料であり、酒ではない
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(マールカンデーヤ仙の見た世界の終わりとはじまり 110p)
長寿のマールカンデーヤ、長寿といっても人間のレベルではなく世界のはじまりからおわりまでずっと生きているくらい。
増えるといい、というものではない。増えることは貧困に繋がるので、不吉なこととされている。何事もほどほどがいい。
体の内と外、双方に世界が展開している。
映画『マトリックス』と似ている。
我々が生きている世界はコンピューターが見せている偽物、外側に本当の世界がある。
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ヴィシュヌの化身
(ヴィシュヌ、こびとに変身する 129p)
多くの化身を持つヴィシュヌ、なかでもこびとが重要。
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シヴァのリンガ
リンガ=男性の生殖器そのもの
死すべき運命のものに対して悲しむべきではない
=インド神話でよく出てくる言い回し
死んでもまた生まれてくるという大前提がある。