書こう書こうと思っていて、もう旬は過ぎてしまった感がありますが、今回は「親ガチャ」について個人的に思うところを書いてみたいと思います。
まず私は、虐待、ネグレクト、あるいはそれに近い状態の親に対して「親ガチャ」という言葉は使うべきではないと思っています。
虐待やネグレクトはれっきとした犯罪ですからゲームに例えるのは不謹慎だと思うからです。
では何を持って親ガチャのアタリとハズレを言うのか。
いろいろな意見を読んでいると、虐待以外では親の経済力やそれに準ずる教育を与えてもらえなかった場合に「親ガチャにはずれた」と言っている人が多いように感じます。
しかし私は親ガチャのアタリハズレとはズバリ
親との相性
だと思います。
どんなに家が裕福でも資産家でもすごく熱心に教育を施してくれても、都会に住んでいても、親が惜しみない愛情を注いでいても、自分は親ガチャに外れたと思う子供はいる。
数ヶ月前に私が大好きなフジテレビ系「ザ・ノンフィクション」で放映された元校長先生のお父さんを看取る長男の話。
お父さんは校長まで勤めたくらいですから経済的に不自由はない家庭でしょうし、映っていた家も立派な一軒家でした。
でも長男は父親に対して憎しみにも近い感情を抱いていました。恐らく彼に聞けば、親ガチャはハズレということになるのだと思います。
また、現在巷を賑わせている皇族の女性と結婚しようとしている男性とその母親。
あの母親は親ガチャアタリでしょうか?ハズレでしょうか?
恐らく多くの方はハズレだと思うのではないでしょうか。
しかし彼はあの母親に対して「親ガチャハズレ」と思ってはいないのではないかと思います。
それは、4月に彼の母親の金銭問題への説明文として彼が公にした文章に表現されています。
彼は母親のしたことは借金ではないと母親をかばい、金銭問題の話し合いの際に自ら録音までしていました。
これは、お母さんを守りたいということですから、つまり母親と価値観など含めて相性が合うということなのだと思います。
親が死刑囚であっても親の無実を信じ、親を心身両面から支え続けている某事件の子供さんのような人もいます。
彼のインタビューなどを聞いていると、もちろん苦労も多いけれどそれが息子さんのアイデンティティ形成の大切な要素になっているようで、彼もまた「親ガチャハズレ」とは言わないような気がします。
私に限って言っても、私は父親の好きな山登りや釣りが自分も好きだったので、父と休日に動き回ることは楽しかったけれど、運動や野外活動が嫌いだった姉に言わせれば、父親ガチャはハズレだと言うと思う。
(現に中学生くらいから姉と父が会話をすることはほぼ皆無となり、そのわだかまりは父親が亡くなるまであった)
でも、どちらの認識が正しいとか言うのではなく、ただ私は一個人として父親という人間と趣味が合ったというそれだけなのだと思う。
この親ガチャ問題は、子供に対して虐待という名の犯罪をする親までをガチャに例えて論じようとするから「人生努力で変われる」という正論者の間に対立が生まれるのだと思います。
とにかく親という一個人と相性が合わなければ客観的に見てどうであろうと子供にとってはハズレ。
ガチャ、嫌いなキャラクターが出てきたらそのキャラを好きな友人と交換したりしたよね、あれはゲームのガチャではなくてガチャガチャだけど。
親は交換できないから難しい。
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