私がテレビ番組で唯一録画して見ているのが、日曜日の14時からフジテレビ系列で放送されている「ザ・ノンフィクション」。
11日の放送は、名古屋駅近くの路上に座り、ほぼ毎日無料で人の話を聞く「聞き屋」の男性のノンフィクション。
人の話を聴く、という意味では私は同業者のようなものですので、わりとドキドキしながら見始めました。
無料で「聞き屋」をするくらいですので、紆余曲折の人生を歩み、酸いも甘いも嚙み分けたような風貌の人を予想していたのですが、主人公は20代後半～30代前半（年齢は非公表にしているそうです）のこざっぱりした外見の方で、実家住まいのニートでした。
お父様は会社経営者、お母様はそろばんの先生だそうです。
聞き屋の彼は大学卒業後、地元大手のパン屋で数年間経理担当をしていたが、数年で退職。
その後はアルバイトなどをし、現在は週１回５時間、飲食店でのウェイターバイトのみ。
朝はお昼近くに起きて、母親が作り置きしてくれてある食事を食べて（米は彼のこだわりで玄米指定）、その後はゲームをしたり寝たりする。
そして夜７時くらいになると自転車で名古屋駅に向かい、聞き屋をする。
聞き屋をしている理由は、
「何もない自分を必要としてくれる場所だから」
とのことでした。
つまり、自分の存在意義を「聞き屋」をすることで見出しているとのこと。
でも、聞き屋をすることで存在意義が見いだせたという割には、彼から充実感とか楽しそうな雰囲気は最後まで伝わってきませんでした。
むしろ、彼に話を聴いてもらいにきた人に「あなたは何をやって（生計をたててい）るの？」と質問されたときに、「親からの生前贈与とか」と言ったり、取材ディレクターに、今でもジャニーズに入りたいとかコヤッキースタジオ（youtuber）で働きたいとか自分だってやりたいことはあると言い、そのための努力はされているのか、と尋ねられると「思うことは自由じゃないですか！」と軽く逆切れするなど、わざとなのかと思うような開き直り発言も目立ち、心に鬱憤を抱えているように感じました。
なぜ楽しそうじゃないのかな・・・
と番組が終わって考えてみたら、この方はそもそも自己の存在意義のとらえ方が間違っているからではないのかと感じました。
資本主義社会において、自己の存在意義というのは報酬（お金）とセットになっていなければ非常に見出しにくいと思う。
専業主婦の方が、家事や育児も立派な仕事だ、というのもそういうところからきているのだと思う。
報酬をもらわずに提供するのはボランティアだけど、ボランティアとは、すでに足りている人が自己の人生をさらに豊かにするためにするものであり、足りない人が埋めるためにするものではない。
これは自分自身がいくつかボランティア活動をしてきて実感したことです。
彼は「自己の存在価値」という自分に足りないものを埋めるために聞き屋をしている。
だから楽しいわけないんですよね。
投げ銭という形ででも報酬をいただくことで、苦し楽しい＝充実感、に変われると思うけどなあ。
「褒めますおじさん」
ご存知の方はいますかね？
私は彼をインタビューした動画をみて、褒めますおじさんに褒めてもらいたい！と思います。
#すごくほめます
番組情報だけを見た時には、無料で圧倒的なカウンセリング力を見せられたらどうしよう、、
と思っていたのですが、そもそもの次元が違う方でした。
.............
たくさんのドキュメンタリー系YouTube動画があふれている現在なのに、毎度毎度放映されると「#ザ・ノンフィクション」がTwitterでトレンド入りし、そして私のだいぶ前の過去記事が読まれるようになる（笑）
ザ・ノンフィクションについては何個か記事を書いているのですが、上位で読まれているのはなぜかこの記事なんですよね。
これ、かなり前に放送されたものですが、今では倫理的に放送は難しいかもしれないですね。
↓
≪９月のお休みのお知らせ≫
1日(木)、5日(月)、7日(水)、12日(月)、15日(木)、16日(金)、20日(火)、21日(水)、26日(月)、30日(金)
マイナビウーマンに心理・恋愛のコラムを書いています。私の記事はこちらから。
Yahoo!ニュースにも配信される「オトナンサー」にも記事を執筆させていただいております。
★過去に「教えて！goo」に回答した回答集★
●Facebook 小日向るり子（心理カウンセラー）
●Twitter：@ruriyakko1107
●相談員として登録しているサイト
●自死遺族支援団体「ハートストレングス」Twitter： @heartstrengthj