元ホテルソムリエが明かす、ワインを美味しく飲む秘訣。 | シェリー酒・ワイン 元ソムリエのひとりごと

シェリー酒・ワイン 元ソムリエのひとりごと

高級ホテルで8年間ソムリエをしていました。
飲食のうんちく、ノウハウをつぶやいています。

おはようございます!
木村です。



先週の木曜日は
ボジョレー・ヌーヴォーの
解禁日でしたね。

もう飲みましたか??


『飽きた』と言う人も多いですが、
私はけっこう好きなんです、ヌーヴォー♪


一年に一度のお祭りですし、
普通のワインにはない
むせかえるほどのブドウの味が、
何とも言えず、美味いんですよね。


毎年、解禁日に飲んでいたんですが、
今年は仕事の都合で飲めませんでした。

というよりも、

ヌーヴォーが解禁日されたことすら
忘れていました(笑)



で、先日、
ブラブラ買い物した後に、
フラッと入ったスペイン料理屋さんで

「ヌーヴォーがオススメです♪」

とニッコリ言われて、
「あ、そういえば」と気づく始末・・・・・



せっかくなので、
ヌーヴォーを頂くことにしました。

忘れていただけに、
飲めるのが嬉しくて、
ワクワクしながら待っていました。


生ハムとチーズをつつきながら、
ヌーヴォーの登場を待ちます。


「お待たせしましたーっ」

愛想の良い声とともに、
ヌーヴォーがテーブルに運ばれてきました。


喉が乾いていたのもあり、
ゴクゴクっと飲み干します。



ところが、、、、、、

(あれ、美味しくない・・・・)


自分の味覚が、
この一年で変わったのか、

いや、そんなことはありません。



でも、ヌーヴォーを飲んだ時の、
あのフレッシュ感と心地よい酸味、

何より、むせかえるほどの
果実味が感じられません。


原因は温度でした。

私が飲んだヌーヴォーは、
とても、ぬるかったんです。



その日はけっこう寒かったので、
レストラン内も暖房がガンガン。

そんな中で、
ヌーヴォーがぬるくなってしまったんですね。


ヌーヴォーは、
白ワインと同じくらい冷やす方が、
実は美味しいんです。



ワインほど、
温度に味が左右されるお酒も
珍しいと思います。

せっかくの美味しいワインも、
温度次第で、味が台無しになります。


でも、ソムリエでもないのに、
そのワインの美味しい温度を、
見極めるなんて・・・・・

と思われるかもしれませんね。

でも、安心してください。



温度と味の関係さえ知っていれば、
ワインを一番美味しい温度に
調節することができるんですよ^^

今日は、誰でもできる
ワインの温度設定の秘訣をご紹介します。





ワインを構成する要素には
以下のようなものがあります。

①酸味
②甘味
③渋味
④フレッシュさ
⑤香りの複雑さ


それぞれ、温度を高くした時、
低くした時の変化を見てみましょう。

①酸味
高い⇒ぼやける
低い⇒強くなる


②甘味
高い⇒強くなる
低い⇒抑えられる


③渋味
高い⇒丸くなる
低い⇒強く、ザラザラになる


④フレッシュさ
高い⇒感じられない
低い⇒際立つ


⑤香りの複雑さ
高い⇒複雑になる
低い⇒単調になる



あとは、そのワインが、
どんな特徴のワインなのか、

どんな味を表現してやると、
美味しくなるのか

それを考えてみましょう。



例えば、ヌーヴォー。

なぜ、少し冷やしたほうが
美味しいのかと言いますと、

持ち味であるフレッシュさや、
心地の良い酸味というものが際立って
美味しく感じられるからです。

それに、もともと渋味が少ないので、
冷やしても渋味がザラつかないんですね。


反対に、ボルドーの複雑な、
渋味たっぷりのワインを
なぜ冷やさないほうがいいのかと言うと・・・

複雑さがなくなって、
ただでさえ強い渋味が、
さらに強くザラザラに感じられるからです。



甘口ワインを、なぜ冷やして飲むのか。

温度が高いと、
酸味もぼやけてしまって
甘ったるくなるからです。



味の要素と温度の関係さえ知ってれば、
とても簡単ですね^^


ワインの温度を1~2度変えるだけで、
味は劇的に変化します。

ぜひ、やってみてください!