ワーク・シフト | 【日刊】ビジネス書籍情報

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書籍タイトル:ワーク・シフト


著者:リンダ・グラットン(著)、池村千秋(訳)


書籍種類:単行本


おび情報:
今読めば、間に合う。
不安の正体が分かる。
未来は自分が選ぶ。
ロンドン・ビジネス・スクール教授 リンダ・グラットン
英タイムズ紙世界のトップ15ビジネス思想家


書籍内容:
これからずっと「食えるだけの仕事」でいいですか?

「食えるだけの仕事」から「意味を感じる仕事」へ

「忙しいだけの仕事」から「価値ある経験としての仕事」へ

「勝つための仕事」から「ともに生きるための仕事」へ


働き方革命は、あなたから始まる。


書籍レビュー:
 2025年という今から13年後の世界では人々はどんな働き方をしているのだろうか、という近未来予想と、そんな世界になってもガッカリしない生き方への提言である。

 つまり、大きな会社に正社員で入って、とりあえず会社に自分の人生を完全に預けてしまえば、一生安楽に暮らせるという時代では既になくなっているという現状認識はその通りだろう。今でも既に「大企業=安泰」という構図はなくなってしまっており、人々は個人で起業したり、ノマド的に働いたり、社会起業家になったりという「スモールビジネス」の世界が、この日本でも始まっている。勿論、いまでも大企業神話が生き残っている部分はあるけれども、少しずつその神話は崩れ始まっており、いずれはそちらの方が主流になるだろうという予感はいまの私でも持ってはいる。まさに情報テクノロジーの進展とクラウド・コンピューティングがそれを可能にするというわけなのだ。

 ということなので、『第一に、ゼネラリスト的な技能を尊ぶ常識を問い直すべきだ』とか、『第二に、職業生活とキャリアを成功させる土台が個人主義と競争原理であるという常識を問い直すべきだ』とか、『第三に、どういう職業人生が幸せかという常識を問い直すべきだ』という提言はまさにその通りだと思う。また、そのような生き方ができる人たちにとっては『バーチャル空間でおこなえる仕事が増えれば、人々はますます多くの「思考の余剰」を手にし、その時間をもっと生産的な活動に用いはじめるかもしれない』という生き方ができるだろうし、逆にそれに乗り遅れた人たちは、『メガシティの下層階級は、次第に都市の周辺にスラム地区を形作るようになる。2020年までに、世界の15億人がスラム地区で暮らすようになると予測されている』という生き方を選択せざるを得ないだろうということ。

 ということで、「働き方を<シフト>する」三つの方法を提案するのだ。

 つまり;

『<第一のシフト>で目指すのは、専門技能の習熟に土台を置くキャリアを意識的に築くこと』でゼネラリストから、専門技能をいくつか連続して習熟して、その度その度に、そのジャンルでの専門家になる「連続スペシャリスト」になるということ。

『<第二のシフト>は、せわしなく時間に追われる生活を脱却しても必ずしも孤独を味わうだけではないと理解することから始まる』で孤独な競争からポッセ(頼りになる同志)を作って協業したり、<ビッグアイデア・クラウド>でおおきな繋がりを持った生き方をすること。

 そして『時間に追われる日々を避けるうえで最も有効なのは<第三のシフト>だろう。消費をひたすら追求する人生を脱却し、情熱的になにかを生み出す人生に転換すること』で、大量生産・大量消費という産業革命以来の人間の欲求から離れることである。

 こうして人々は現在の「お金を稼ぐこと」に第一の価値をおく生活から離れて、より有意義な「人間らしい」生き方ができるようになるというのだが、しかし待てよ、そんなにバラ色の未来だけが我々を待っているのだろうか、という気分にもなってくる。

 例えば、リオデジャネイロで都市交通システムの解決を見出そうとするミゲルのコ・クリエーションの方法。ミゲルは同じブラジル(だがリオからは遠い)のクリチバで都市計画の仕事をしているホセに声をかける。ホセは参加を決め、ミゲルと打ち合わせをする。『予定どおり、午後に打ち合わせがスタートする。ホログラム(立体映像)を使って話をする。充実した二時間の始まりだ』というのだが、はたしてこれがコ・クリエーションの実態だというと、なにか物足りないものはないだろうか。本書のいくつかの部分でこうしたテレビ会議システムについての優位性が持ち出されている。

『オフィスに出勤するために交通手段を利用すれば、かなりの量の二酸化炭素を排出するとわかっているのに、在宅勤務にノーを突きつける理由がどこにあるのか? テレビ会議システムを利用すれば、ボタン一つで海外支社と話ができるのに、飛行機で出張させることが合理的と言えるのか?』という具合である。しかし、ここには人間のどうしようもない性癖についての考慮がなされていないのではないか? 人間というものは基本的に「群れていたい」「たった一人で仕事をすることには向いてない」動物なのだ。だからこそ、本来は一人ひとりで別の仕事をしているはずのノマドたちが、コ・ワーキングスペースなんかにいって群れて仕事をしたりしている。勿論、情報テクノロジーの進展のおかげで、仕事の仕方は自由に選べるし、仕事の場所もどこに設定してもかまわないようになっても、しかし、人間は群れて仕事をしたがるのである。「会社」というシステムがこれまでいまくいってきたのは、こうした人間の基本的な性癖にうまく合ったシステムだったからなのではないだろうか。

 勿論、そうした仕事のやり方も変化はしてくるだろうが、そうそうテレビ会議なんかばかりで物事が進んでいかないような気がするのは……、私が古いからだけ?
(情報元:tsunoken様「tsunokenのブログ」)


 

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