.
確か、ちょうど2年前の今日、

次男ジローと私は、ニューヨークに出発していた。




2年前のバレエのコンクールには、

ソロでは 出なかったのだけど、

出場したアンサンブル(グループ/群舞)が、ニューヨーク行きの権利をもらい、




この年は、スタジオのみんなで、

「一度、ファイナル(本選)に行ってみよう」




、、と、ニューヨークに乗り込むことにしたのだ。


男子ダンサー x 2




ソロで、ニューヨーク行きの権利をもらうための点数(95点)を取るのは難しいが、

アンサンブルでニューヨーク行きの権利をもらうのは、実はとても簡単だ。




そして、ニューヨークの本選では、おそらく、、

「どこが勝つか」、、、などというのは、もう予選のときから決まっているものであって、

もちろん「本戦で勝てるかもしれない」、、などと、淡い期待を持っての乗り込みではなく、




全て、経験のために、学校を1週間半ほど休み、NY へと飛んだ。




その目的の通り、すごくいい経験をしたし、

ジローも、世界各国から集まるダンサーに刺激を受けたようであった。

(特に、多くの子供たちが、日本から来ていたのが嬉しかったみたい)





 ** 日本でも有名すぎるこのコンクールの名前を、ここに書いてもいいのだけど、そのコンクール名で「検索」してこられた方に、提供できるほどのブログ内容ではないため、あえて、伏せさせていただいてます。f^_^;






さて、その本選の最終日の前日だったかに、

コンクール主催の「ガラ舞台(特別舞台)」が行われる。





もちろん、うちのスタジオからは、誰も、

このガラ舞台での特別出演者には選ばれないのだけど、




「グランデフィレ」といって、

このコンクールの多くの参加者(100人以上)で、

群舞演目の一つを約1週間で仕上げて、ガラ舞台で披露する、、というのがあり、

うちのスタジオの多くの子供たちがこれに参加した。





当時、9才だった、うちのジローのようなチビから、

19才くらいの、成人手前のダンサーたち、多数の多様なダンサーで作られた

一つの群舞を、このガラ舞台で踊るのです。





うちのジローの出番なんて、ほんの一瞬、

しかも、ちょっとポーズするだけ(笑)




練習風景は見させてもらえないけど、

いい経験で楽しかったようです。




さてさて、、、

ガラ舞台が行われる、このニューヨークの劇場の舞台裏ドアのところで、

若い子供たちを見送り、

私たち父兄は、客席に座って、

うちの子供たちが参加している、群舞演目「グランデフィレ」を楽しみに待った。


男子ダンサー x 2




グランデフィレが始まり、

ワクワクしながら見ていると、、、、






なんと、




演目の途中で、音楽が途絶えてしまったのだ。



$男子ダンサー x 2





それでも、、


「沈黙」の中で、踊り続けるダンサーたち、、、








ひょっとしたら日本じゃぁ、



「音楽が途絶えるなんて、、、こんなの有り得ない!」



、、、と批判があがるかもしれないが、





アメリカでは、こういうことは、本当によくあり、

そして、






「ダンサーは、音楽がなくても、それでも踊り続けた」


、、、と「美化」される傾向にある。






この時もそうだった。






私としては、せっかく自分の子供が参加していた群舞、

音楽をかけ直し、最初からやり直してほしかったけど、




音楽のないまま、続けられたのですよ。


男子ダンサー x 2




でもね、、、


「音楽がない」、、、だけだったら良かったんです。







アメリカ人って、、、



「沈黙」が苦手みたいでね。。。







音楽なし(アカペラ)で、

静かに舞っているダンサーたちの群舞を見ながら、、、




「元気に手拍子」
、、、を始めちゃいました。(;´Д`)ノ






しかも、テンポが合っとらんやんけ!!!!




バレエに手拍子は合わんて!!!





いや、、

私の隣りに座っていた、ママ友も手拍子してるし、、、





「お願いやから、やめて~~~~~~!」




、、とちょっとイライラ気味の私。






しばらくすると、





「し~~~~~~~~っ。しぃ~~~~~~~~~っ」






、、、と、手拍子を辞めてくれ、、、という、


私と同じような気持ちの客の音が混じり、、、





しばらく、「パチパチ、パチパチ」、、「し~~~~っ。しぃ~~~~っ」





の、2種類の音に変わり、、


そのうち、「手拍子」の音が小さくなってきたと思ったら、





途中でサウンド復興の試みもあり、、

子供たちが静かに踊り続ける中、


音楽が少し聞こえてくると、、、

また観客は興奮し、





手拍子の音が大きく戻ってきて、



そんな手拍子の中、

ポーズで、グランデフィレ終わり!
、、、と、ゆ~~結末。(;´Д`)ノ


$男子ダンサー x 2





アメリカの感覚にどっぷり慣れてきてる私ですが、、、

これだけは、慣れん、、、!



(慣れたくない、、)



━─━─━─━─━─



この時のグランデフィレの「音楽プツ切れ」は、

完璧なアクシデントだったけど、




最近では、

アカペラで踊る、、という、ダンスアートが、

少しずつ、コンクールなどでも見る機会が増えてきました。




(コンテンポラリー、モダン、タップ、ヒップホップなどで)





私の数少ないダンス舞台観劇の経験で言うと、


何年か前は、

ヨーロッパ、日本などの、、




「海外」からのゲストダンサーが、「アカペラ」で踊っていたのを見たとき、

アメリカでは、割と珍しかったように記憶しています。





あるときは、

デンマークから来たゲストダンサー、そして日本からのダンサーが、

アカペラで踊っていたんだけど、、、






その時もね、、、


観客、元気よく「手拍子」するんですよ、、、






プロダンサーであった、このデンマークや日本のダンサーたちは、

「お願いやから、沈黙のアートを理解してくれ!!」と内心思っていたのでは、、?







タップダンスのときは、タップの音があるので、「沈黙」にはならないけど、

その他のダンスのときは、完璧に「沈黙」になりますね、、、


(たまに、敢えて「フ~ッ」「ハーッ」、、という「吐息」を入れて効果音にするのも見るが)






アメリカには、「静」の中で見る「動くアート」

って、難しいんやと思います。






「わびさび」、、、とか、ね、、

わからんのと思います。





こういうときの 元気な手拍子てね、、、どうよ? ヽ(;´Д`)ノ




でも、逆の見方をしてあげて、、

沈黙の中、グランデフィレで踊った、若いダンサーたちは、

この観客の手拍子に、元気づけられたのだろうか、、、( ̄ー ̄)




 にほんブログ村 演劇ブログ バレエへ


関連記事
アメリカのコンクール、3種類 02-20-2013