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- ニックネーム:マスク越しでも会話が伝わるアプリ「想いやりトーク」オトデザイナーズ坂本真一
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想いやりトークチャンネル【うるさい中で人の声に集中できるか? ゼブラ音声 音のクイズ総集編 Part 24】
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のつづきです。
それまでの日本企業の製品開発は、悪い言い方をすれば
ベタベタのどんぶり勘定
であった。
一般に、製品開発は、マーケティング・企画部門、開発・設計部門、生産管理部門、
営業部門などの人間が協力して行われる。
2000年以前の日本企業の多くでは、これらの部門の担当者が頻繁に集まり、まるで
座談会のような開発会議が長時間、長期間にわたって行われた。
会議のテーマと全く関係ない話題に会議時間の大部分を浪費するようなケースも
散見されて、いつまでたっても方針が定まらない。
そんな会議を繰り返しながら、定時後は皆で飲み屋に繰り出し、そこで酔っ払いながら、
互いに腹の内にある本音をさらけ出した。
つまり、会議室では関係ない話しをして、飲み屋では腹を割って本音で話すわけである。
現代の価値観で考えると、とんでもなく無駄で、いい加減な仕事の仕方のように思わ
れるが、こんなことを繰り返していくうちに、
各人が何を考えているのか?
どんなところで困っているのか?
を互いに「想像できる」ようになってくる。
すると、初めのうちは全くまとまる様子を見せなかった開発会議が、あるタイミングを
過ぎたあたりから急速にまとまり始め、方針が決定し、開発が開始される。
一旦、スタートすれば、お互いの“想い”が分かっているので、多少の言い合いなどは
ありつつも一致団結して、それをヒット商品にすべく猛進する。
開発過程でも、例えば、若手技術者が上司に「〇〇課のSさんが訳わかんないことばっ
かり言ってきて、仕事が進まない」などと相談すると、上司は「じゃ、今夜S君と飲ん
で来るよ」と言う。
翌朝、上司が若手技術者の席に来て「S君は、◇◇となることを心配してるみたい
だから、それに配慮した設計にしてやってくれよ」と耳打ちし、その日から、また
業務がスムースに進むようになる。
ベタベタのどんぶり勘定
ではあるが、
対話重視型開発
とも言えたのが当時の
日本流開発方式であった。
この旧式とも言うべき開発方式にはいくつかの欠点があった。
まず、その方針が、どのようなプロセスで、どんな目的で決まったのかが開発会議の
メンバー(飲み会の参加者?)にしか分からない。
なにせ、腹を割った本音の中から決まってきた話なので、それ以外の人間においそれと
話すわけにもいかないのである。
また、明確なマニュアルや記録が残されていないケースも多く、担当者が休んだり
すると、ひどい時には全体の業務が止まってしまった。
だから、開発会議メンバーは、その製品が安定供給されるまでは休めず、連日の
長時間残業となった。
現代の日本企業では許されない話ばかりであるが、一方で、
このやり方で世界経済を席巻してきたのが
当時の日本企業であったことも
忘れてはならない事実である
ISO9001が導入されてからは、開発目標、方針、プロセスなどが事前に文書化され、
会議の議事録や業務記録も詳細に作成、管理されるようになった。
当時の日本の会社員の多くは、ISO9001が導入されてから2~3年くらいは、新たに
定められた業務はしっかりとこなした上で、今まで通りの対話も並行して行っていた。
ルールやマニュアルで
良い製品が作れるか!
と言う者も数多くいたが、徐々にそんな社員はいなくなり、5年後あたりには、ほとんど
全員が“対話重視型開発主義者”から“品質マネジメントシステム主義者”に変節していた。
そして近年の日本企業は、この考え方が極度に進み過ぎて
品質マネジメントシステム原理主義
と言っても過言ではない状況になっている。
リスクマネジメントやコンプライアンスという言葉のもとに、
とにかく失敗をしないように
という考え方が、とても強い。
例えば、新しい製品、サービスの企画、開発プロセスを考えてみる。
まずは、どんな技術を用いて、どんな製品、サービスを開発するかを、関係者が集まって
対話、議論する。
お互いに色んなアイデアや知識が得られる、開発者にとって最も楽しい時間であったりも
するが・・・。
つづく-> ~試作も何も作らない~ 対話無き日々
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