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前回の続きです。
前の内容は、リンク先よりお読み下さいませ。
■ 学習塾の現行学習システム ■ 自立学習の中の自律学習
今回のテーマとなる「保護者様のお悩み」は…
・ 勉強をやろうという姿勢がみられないことが、猛烈に頭にくる。
・ 子どもが、塾の長時間の授業を嫌がる。
・ 有名な進学塾に通っていれば、有名校に入れるようになると思っていた。
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★☆リンク先より、お読み下さいませ☆★
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■ 自立学習の中の自律学習
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自立学習は学習の枠組みを子どもに与え、自助努力を奨励するものです。自立学習の枠組みに適応できなければ、自分の興味や関心を押し殺して、他人の指示に従うままに学習していきます。これを、形式的自立学習、あるいは他律学習と呼ぶことにします。
反対に、優秀な学業成績を収める子どもは、形式的自立学習の枠組みの中にあっても、自分の興味・関心を失うことはないものです。「もっと知ろう」、「もっとできるようになろう」と思って学習するのです。これを、実質的自立学習、あるいは自律学習と呼ぶことにします。
では、6つの項目別に、この両者を比較してみたいと思います。
(1) 内容の面での違い
● 形式的自立学習(他律学習)
自分独りで立っていられること
→自分独りで勉強できること
● 実質的自立学習(自律学習)
自分で決めた方向に進んでいけること
→自分の興味・関心を追求できること
(2) 学習課題面での違い
● 形式的自立学習(他律学習)
一般的・網羅的
● 実質的自立学習(自律学習)
個別的・拡張的
(3) 学習進度面での違い
● 形式的自立学習(他律学習)
計画的・不可逆的(ゴールから逆算)
● 実質的自立学習(自律学習)
漸次的・可逆的(できるところから)
(4) 動機づけ面での違い
● 形式的自立学習(他律学習)
統制的(アメとムチ)
● 実質的自立学習(自律学習)
内発的動機づけ・自己責任
(5) フィードバック面での違い
● 形式的自立学習(他律学習)
客観的(抽象的成功者の視点)
● 実質的自立学習(自律学習)
主観的(学習者の視点)
(6) 規範の面での違い
● 形式的自立学習(他律学習)
取入れ(弱い内在化)
● 実質的自立学習(自律学習)
統合(強度の内在化)
他律学習をする子どもは、ただ目の前にある課題に振り回されるのに対して、自律学習をする子どもは、自分の興味・関心や、弱点に焦点を当てて学習します。
他律学習をする子どもは、できない課題があっても計画通り、表面的に学習を進めるのに対して、自律学習をする子どもは、弱点にたっぷり時間をかけてそれを克服したり、不勉強なところは自ら遡って学習したりします。
他律学習をする子どもは、アメとムチによって学習を動機づけられるのに対して、自律学習をする子どもは、自分の興味・関心を持って(もっと知ろう、もっとできるようになろうと思って)学習し、自分の行動(作為・不作為)の成功や失敗は自分の責任だと考えます。
他律学習をする子どもは、成功モデルを真似するように叱咤・激励されるのに対して、自律学習をする子どもは、他人と自分とを比較することはないのです。
さて、子どもに言うことをきかせようとするとき、多くの保護者様は体罰を与えるとか、食事を減らすなどして、不快状態(動因)を作り出し、そして、子どもに命令を下して、言うことを聞いたら不快状態(動因)を取り除いてやるというやりかたがなされることが多いのではないでしょうか。
保護者の中にも、学校や塾で教師が厳しくないと子どもが勉強しないと考える人が少なくないのです。家庭の中で、子どもが特定の行動を行ったときだけ愛情を注ぐというのも同じ原理です。しかし、このようにして動機づけられた子どもは、自分の意志で行動するようになるわけではないばかりか、人との信頼関係を結ぶことができないという重大なリスクを背負い込むことになるのです。
そして、他律学習をする子どもは、人の良いところを目の当たりにしたり、人に負けたり追い越されたりした場合に、「まあ、いいか」とか「そういうの苦手」とか「できないのも、自分の個性だ」といって、開き直ったり、妬んだりするのです。これに対して、自律学習をする子どもは、うらやましいと思ったり、悔しいと思ったりします。
また、他律学習をする子どもは、自分の衝動を抑える力に乏しく、あまり考えずに行動し、慣習やルールにはいやいや従うのに対して、自律学習をする子どもは、自分の衝動をコントロールでき、良く考えてから行動し、慣習やルールを「自分を活かす手段」として利用するのです。
このようにして他律学習と自律学習を比較すると、高額な個別指導に通わせたり、良さそうな教材を買い与えたりするだけでは、同じ失敗を繰り返す子どもが後を絶たないことが分かると思います。
では、同じ失敗を繰り返さないために、次回以降で学業成績に好影響を及ぼす特性について検討していきます。