告知:リプロダクションクリニックにおける不妊治療の保険適用について | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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リプロダクションクリニックにおける不妊治療の保険適用について

2023年6月1日付けで下記の声明文を発表しましたので、原文のまま掲載します。

 

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生殖補助医療(体外受精、顕微授精)の保険診療に関するお知らせ

 

本邦において、2022年4月から生殖補助医療の保険適用が開始され、一年が経ちました。 

 

私たちは高度生殖補助医療を必要とする方々の受け皿となるべく、苦渋の決断ではございましたが、我々が最善と考える先駆的な生殖補助医療を自費診療として行うことをこれまで貫いてまいりました。

 

その一方で、助成金廃止に伴い経済的負担が増えることから、当院にも患者様や関係団体から保険診療開始に対する多くのご意見・ご要望があり、今日まで院内においても様々な議論を重ねてまいりました。

 

その結果として、リプロダクションクリニックは大阪・東京ともに保険診療の生殖補助医療(体外受精、顕微授精)を、

1) 明らかに男性不妊症と考えられる女性年齢42歳以下のカップルと、

2) 原則的に女性年齢35歳以下の患者様を対象に、

2023年7月1日より開始することにいたしました。

 

本邦の統計上、女性年齢が35歳までであればある一定の妊娠率・出産率が期待できることを想定し、まずはその年齢を上限にスタートいたします。

 

なお対象年齢につきましては、当院においての保険診療(生殖補助医療)の妊娠率などを勘案した上で、今後引き上げていくことを考慮しております。

 

保険診療での生殖補助医療はその性質上、様々な制約があり、最善の治療とならない場合も多々あるかと存じますが、ご理解・ご納得いただき、外来診療にて担当医と相談の上、治療選択を行っていただきますようお願いいたします。

 

また自費診療を受ける患者様の待ち時間増加などに繋がらないよう、診療時間などの院内ルールも設ける予定です。

 

あわせて、これまで自費診療で行ってまいりました男性不妊診療の一つである精巣内精子採取術に関しても保険診療をスタートいたします。こちらも外来にてご相談ください。

 

患者様におかれましては、年齢制限に関するご意見が多々あろうことは十分理解しておりますが、まずは第一歩目としてご理解いただけると幸甚でございます。

 

リプロダクションクリニックは、「ふたりで取り組む不妊治療」というコンセプトの基に、ご納得いただける医療を提供すべく、今後も精進してまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。