⑧時代の大勢を知り、その流れに身を任せる(中編) | ☆作家になりたい人、閲覧禁止☆~一流の文章には、様々なアルテ(イタリア語で技法・芸術)が散りばめられています~

☆作家になりたい人、閲覧禁止☆~一流の文章には、様々なアルテ(イタリア語で技法・芸術)が散りばめられています~

作家・小説家になるために必要なもの、特別に公開します♪♪

姿勢、資質、努力の仕方、具体的な文章の技法・・・。

これであなたも、2年後には文学賞を取れるかもしれません。

「暴君に仕えしまぶたなき見張りの目をつぶさん」 

(ホメロス 『イーリアス』)


昨日の午後、ロンドン東南部で、若いイギリス兵士がアフリカ系の二人の男に殺害された。

男たちは兵士を殺した後も立ち去らずに、周囲に自分たちを撮影するように頼んで、アラビア語でこのように叫んでいたという。


「アラーに誓って戦いを続ける。毎日、イスラム教徒が殺されていることへの報復だ・・・おまえたちが手を引くまで戦いをやめない」


この事件を受けて、急遽、後編の前に中編を追記させていただいた。


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2001年9月11日、アメリカは建国以来初めて、本土への攻撃を許した。


ソ連が崩壊して冷戦が終結した後、世界で唯一の超大国となったアメリカは、あらゆる面での自信ではなく、奢りが目立つようになった。


そこに貧しいイスラム教徒が、アメリカの飛行機を乗っ取って、アメリカの富と成功の象徴である世界貿易センタービルに突っ込んで、世界中が見つめる中で崩壊させたのだから、超大国の威信は地に落ちる。

怒りにわれを忘れて逆上したアメリカは、ただちに報復を宣言した。


あれから12年。テロとの戦いを掲げて、イスラム諸国に空爆や派兵を続けた結果、アメリカとそれに追従する西側諸国は、常にイスラム教徒からのテロの驚異にさらされることになった。


アメリカや西側諸国からすれば、豊かな文明国に対するテロである。だが、イスラム教徒にとっては、神なき国に対するジハードである。


「暴君(アメリカ)に仕えしまぶた(神)なき見張りの目(資本主義により腐敗・堕落したヨーロッパ諸国)をつぶさんドクロ


実際に起こっているのはテロとそれに対する血の報復だが、本質はキリスト教とイスラム教の戦い、そして中世と近代の戦いである。


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一体、ソレガ創作ヤ執筆に何カ関係アルノデショウカ・・・はてなマークという質問が来そうだが、わたしは大いに関係あると思う。


インターネットや格安航空券の普及、世界遺産の認知などを受けて、20年前に比べて体験できる世界が飛躍的に広がったのは事実だろう。

その一方で、具体的な不安(巨大災害や生活不安や格差の拡大)と観念的な不安(テロや紛争や異常気象や環境汚染)が混ざり合って、だれもが漠然とした生への不安を抱えている。

一寸先は闇!!そして、奈落!!そもそも未来や老後など、あるのかどうかすらわからない。その傾向はバブルの崩壊以降に高まったが、日本の場合、あの大震災が決定打になった。


昭和の工場時代、年齢は敬うべきもので、限りない財産だった。

だが、今の金融資本の時代は、年齢は負債でしかない。

だからこそ、若さや若くして成功することが、過剰にもてはやされているのだろう。


さまざまな要因によって、現代は普通に生きたい、平凡に暮らしたい人間にとって、きわめて残酷な時代となっている。前回も書いたが、それが良いか悪いか、好きか嫌いかという善悪論ではなく、宿命として受け入れなければならない。


10年前の普通の生活が、10年後の現在にはあこがれになってしまった。

よって、今の普通は、10年後にはあこがれになっている確率が高い。


あらゆる可能性が無限に広がっているにも関わらず、現代はすべてが確定しないまま揺らいでいるので、現代人、特に日本人は非常に臆病でナイーブになっている。


困難な時代の中で、自己の人生と生活と幸福をいつ、どのように確立していくか。だれもが無意識のうちに、その答えを求めているのである。


キーワードは「家族」「仲間」「コミュニティ」「(次元の高い)連帯感」

「(自分の中の基準での)自己実現」「逆境の(鮮やかな)克服」

「プライベートゾーンに踏み入らないで親しく付き合う高度な処世術、つまり空気を読む社交術」「不安材料に対する明確な答えの提示、つまりビジネス書やハウツー本」「使える雑学」「新たな挑戦」「成功者の教え」

「最新流行」「モード」「未知を既知にできる広義のエンターテイメント」

「感動」「泣ける」「癒やし」「プチ変化」「ガンバレ自分」・・・

などがここ最近のテーマだが、この傾向はもうしばらく続く。あるいは、間違いなく加速するだろう。

よって、残念ながら、「長々とした主観的で感傷的な心理描写」や「孤高の高慢なマキアヴェリズムによる卑小な成功」や「壮絶な苦悩の独白」「悪い意味での陰湿な攻撃性」・・・

というあまりにも独りよがりの要素は、受け入れられる下地が少ない。


成功するには時代に合うことが必要だが、それ以上に、時代に合わせた努力をすることも必要である。


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