合格をイメージする | 中学受験 玄人思考のブログ XII

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ブログ開設11周年を迎えました。

よく塾の先生が「合格をイメージしろ」とかいいます。

「自分が志望校に入学して、制服を着て電車通学する姿を想像しろ」なんて言うわけです。

頭の中でイメージすることで、それを実現しようというモチベーションに変わるのだとか何だとか。

つまりは、イメージトレーニングだと・・・。

 

それを聞いて、頭の中にお花畑が広がっている人もいるかもしれません。

そうやって妄想の世界にどっぷりつかっていくのかもしれません。

アルプスの少女ハイジbot (@ani_Heidi_bot) | Twitter

(画像はイメージです)

制服がない学校を目指している人はどうすればいいのか、

電車通学じゃない人はどうすればいいのか気になったら、

そういうことを言う先生に直接相談してください。

 

私はそんなことは言いません。

 

 

イメージトレーニング

 

スポーツの世界ではよく行われているトレーニング方法の一つですね。

例えば素振りをするにしても、単にバットを振るだけでなく、ピッチャーが投げてくる姿をイメージし、ボールがどのように変化するか、どこに来るかをイメージし、それを打つイメージで素振りをするということです。

ただの筋トレではなく、体を思い通りに動かすトレーニングになるわけです。

 

格闘技の選手とかだとシャドーというのをします。

相手の攻撃をイメージし、それに対する防御や反撃をする練習ですね。

これも何度も反復することで体に覚えさせることがポイントになります。

 

タイムトライアルの競技とかになると、コースの下見をして、どのポイントでどういう動きをするか、どこで相手を抜くか、どこでスパートをかけるかなどと何度もイメージトレーニングをするわけです。

 

ポイントとしては、

実戦的な動きをいくつもシミュレートして作戦を立て、

それを何度も反復練習することで体の動きをイメージに近づけ、

実戦では慌てることなく練習のイメージ通りに落ちついて勝利する、

というのが本当のイメージトレーニングではないかと思います。

 

 

中学受験のイメージトレーニング

 

最終目標をとりあえず「合格すること」と考えてみましょう。

そのためには志望校の入試で合格最低点以上の点数を取らなければなりません。

 

ではイメージしてみましょう。

前年度の合格最低点や受験者平均点、合格者平均点などを参考に各科目で何点を取るかイメージしてみましょう。

当然ながら全科目の合計点が合格最低点を越えていなければイメージ失敗となります。

 

塾の偏差値がA判定に届いていない人は届いている自分をイメージしてみましょう。

各科目で点数が何点で、偏差値がいくつですか?

総合で点数は何点、偏差値はいくつですか?

それがA判定を越えていますか?

点数が明確にイメージできていなければイメージ失敗です。

 

具体的な点数がイメージできるまでやり直しましょう。

イメージというのは単に想像するだけではなく、ちゃんと点数を計算しましょう。

科目、点数、偏差値くらいは紙に書きましょう。

そうでなければただの妄想で終わってしまいます。

 

 

そこまでできたら、次はどうやってそれを実現するかイメージしましょう。

 

イメージに届いていない科目があれば、それをどうやってイメージに近づけるかを考えます。

偏差値が足りなければ点数を上げなければなりません。

科目別に考えるとだいたい2点上げると偏差値が1ポイント上がるイメージです。

偏差値が5ポイント足りなければ、10点くらい上げなければなりません。

 

科目ごとにテストの配点を考えましょう。

例えば算数なら1問5点、国語なら1点~5点、理科なら2点~4点のように科目や問題の種類によって配点が違います。

目標とする点数を取るには、どの科目のどの分野のどういう問題をあと何問正解するかをイメージできなければなりません。

そこで、実際に過去のテストを振り返って、あと何点をどこで取ればいいのかをしっかりイメージできるようにしておきましょう。

そのままだと妄想で終わるので、紙に書いて残しましょう。

 

 

今度はどうやったら目標の点数を上げられるかをイメージしましょう。

 

暗記分野なら覚えるしかありません。

目標の点数を取るにはどれくらい覚えたらいいのか、どの分野を覚えるのか、何時間かかるのか、何日で覚えられるのか、完成度は何%くらいになるのかをイメージしましょう。

実際にどれくらいの時間がかかるかはやってみないとわからないので、とりあえず1日取り組んでみてそこから先のペースを計算してみましょう。

 

計算問題はミスを防ぐこと、解き方を覚えること、速く解くことです。

まずはどうすればミスを減らせるかイメージしてみましょう。

自分がどういうときにミスをするのかを考え、それをどうやって防ぐのかをイメージします。

スラスラ解ける問題とそうでない問題の何が違うのかを思い出しながらイメージしてみましょう。

一見難しそうな問題でも解き方を覚えている問題ならスラスラできるはずです。

どんな問題でもスラスラ解けるようになるにはどうしたらいいかを考えましょう。

速く解くためには速く解いているイメージができなければなりません。

あとはそのイメージ通りに手が動くのか、イメージ通りの時間で解けるのかどうか、

それは実際にやってみなければわかりませんが、イメージに近づくまで何度もやってみることが大事です。

 

 

入学後のイメージ

 

特に最難関を目指している人、将来的に国立大学、国公立医学部を目指している人はイメージすることが大事です。

 

志望校の大学進学実績を見ると、今年の大学合格者の人数がわかると思います。

学年全体の人数に対して、どれくらいの順位に入ればいいのかがイメージできるかと思います。

出来ない人はきっと無理です。

だいたい学年上位でなければ自宅通学可能な国立大学は無理です。

公立大学(府立・県立・市立)でも人気は高いです。

 

ということは入学後にそれくらいの順位より上を目指さなければならないわけです。

イメージしてください。

どういう子がそういうレベルにいるのでしょうか?

塾には通っているでしょうか?

一日にどれくらい勉強しているでしょうか?

 

さらにイメージを膨らませてみましょう。

そういうレベルの子は受験のときにどれくらいの偏差値だったのでしょうか?

塾ではどのクラス帯で、学年順位でどれくらいだったのでしょうか?

 

学年上位ということは、受験のときの志望校別コースでは当然上のクラスにいたでしょう。

ということは偏差値もA判定よりだいぶ上にいるはずです。

ひょっとしたら、志望校別コースはもっと上のコースだったかもしれません。

 

ではそういう子がどんな受験勉強をしていたかをイメージしてみましょう。

宿題を何回くらいやっていたでしょうか?

テスト直しは?復習は?

勉強時間は?

遊びの時間や睡眠時間は?

 

それがより具体的に明確にイメージできて、そのイメージ通りに自分もできるようになれば、

きっとそういうレベルに行けるようになるのでしょう。

 

そのイメージに近づくために反復練習することが夢の実現に繋がっていくのではないでしょうか?

 

 

 

 

志望校に通学する姿なんて想像したって、それだけで合格できるようになるとは全く思えません。

イメージするのではなく、イメージトレーニングをしなければダメなんです。

イメージが苦手な人は目の前に志望校のグッズでも置いた方が効果はあるかもしれません。

大事なのはそれを見た瞬間に普段の勉強から合格までのイメージ、そして入学から大学進学までのイメージが頭の中にパァーッと広がるように繰り返しイメージトレーニングを行うことです。

もちろんイメージトレーニングの後は実戦トレーニングが必要です。

練習をつづけるとそのうち簡単にスイッチが入るようになります。

 

 

というわけで、イメージトレーニングの極意は現実とイメージのすり合わせをしていくことなのです。

 

「クララが立った」の名シーン、ハイジのセリフは正しくは「クララが立ってる・・・」だそうです。

実はクララが初めて立ったのはその2週前の放送です。

 

 

 

 

「イメージする」を英語にしたらどうなるか想像してみてください。