カメラマン仲間と「今までで一番大変だった撮影」というテーマで話をしてました。

 

すぐに思い出すのは、この撮影です。ほんと大変でした。

 

その他を考えていたところ、テレビでこんなニュースをやってました。

 

 

11日午後1時40分頃、東京都新宿区歌舞伎町のラーメン店「麺匠 竹虎本店」に乗用車が突っ込んだ。乗用車は店の入り口のドアを破壊して停車。店内にいた客の男性5人が重軽傷を負ったが、いずれも命に別条はないという。

警視庁新宿署は、車を運転していた茨城県鹿嶋市の男性(80)から自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)容疑で事情を聞いている。男性にけがはなく、「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と話しているという。

 

80歳ですか、もう運転しちゃだめですよね。

さて、この「アクセルとブレーキを間違えた」という事故を見て、おもいだしたことがあります。

 

 

昔々、カメラマンの修行時代に、ある写真会社のアシスタントとして、某中学校に行き、その会社の社員カメラマンといっしょに、27クラスの「クラス集合写真」を撮る仕事がありました。

 

これくらいの数になると、一人ではできないため、二手に分かれて、

「第一撮影場所=正門の前」

「第二撮影場所=校庭の奥の方」

という2ケ所に撮影場所を設置し、「第一でメインカメラマン(社員)が写真を撮っている間に、アシスタント(私)は、第二に生徒さんたちを並べる。並べ終わったら、第一で撮っていたカメラマンが移動してきて本番撮影をする。その時にアシスタントは、第一を並べておく」~  というのを繰り返して、てきぱき撮影していく手順でした。

 

 

 

社員カメラマンも私も、機材のセッティングや2ケ所のひな壇の設置を終えて、「そろそろ本番か」とおもって第一の正門前で待機していた頃。

 

 

 

誰だか知りませんが、男性が車に乗ってやってきました。いったん、正門の前で停車します。

私が車に近づいて「クラス集合写真を撮るので、ここから中には入れません。裏口に回ってくれませんか?」と頼もうとした時、その車は突然ものすごい勢いで発車し、三脚に乗せたカメラごとなぎ倒し、カメラバッグにもぶつかり、ひな壇をめちゃくちゃにして停車しました。

 

どうやら、「アクセルとブレーキを間違えた」らしいです。

 

カメラには「ミニカム」という業務用大型ストロボがついていましたが、これは見事に割れてました。カメラも使えなくなりました。カメラバッグもぶつけられたため、中に入っていた予備のカメラも壊されました。

 

 

人身事故ではないものの、こっちとしては大パニックです。

 

事故の処理よりも、こっちは、とにかく、クラス集合写真を撮らないといけません。生徒さんが続々と、集まってきます。

 

慌てて、正門はあきらめて、校庭の中でもう一箇所の場所を作り、それを使って、2ケ所同時撮影をしないといけません。

 

しかし、カメラはメインも予備も完全に壊れています。

幸い、これは事前には頼まれていなかったのですが、私の方でも私物の「集合写真撮影用カメラ一式」を「念の為」ということで持参していたので、これを急遽取り出して、撮影をなんとかやりきりました。

 

このあと、事故について、どういう処理をしたのかは聞いておりません。おそらく被害金額は200万円近くになったかもしれません。

 

でも、まあ、壊れたのが、機械類だけで良かったです。ひな壇の上に生徒さんたち全員が集まっていたタイミングで突っ込んでいたら、死傷者が数十名出た大惨事になっていたことでしょう。

その点ではラッキーなタイミングだったのかもしれません。

 

しかし、ほんと肝を冷やす出来事でした。もし、破壊された機材が自分のものだったら、ショック死してたかもしれません。こんなことも起きるので、「予備機材」というのは大事です。