ホールの「ステージ」の上って、全域が均等に明るく照らされているイメージがありますが、どこのホールでもほぼ同様に、客席側に近い、舞台の「際」の部分(上記写真の下の部分)は照明が当たっていなくて、かなり暗く、写真に撮ると、肉眼で見える以上に差が大きくなり、真っ黒になります。

 

 

このステージの最前部というのは、時々、このように、花を飾ったりすることも多いのですが、普通、演者の邪魔にならないように、最前部ギリギリの「際」に置きたくなります。

しかし、本番照明がついていない時は気が付かなくて、一番前に置いてしまうものの、本番の舞台照明が点灯すると、せっかくの「きれいなお花」に照明が全然当たっていなくて、ほとんど見えないことが多いです。

そして、会場専属のスタッフさんは、そういうことに口出しをしませんから、我々、プロの写真屋が入っている場合は、アドバイスさせていただいて、上記写真のように、位置をずらして照明が当たる場所にセットさせてもらいますが、そういう人がいない場合、「ずっと暗いままで、観客からはよく見えなかった」で終わってしまう、もったいないこともあります。

 

演奏前後の「お辞儀」をする位置も同様で、ピアノのすぐ前なら明るいですが、舞台際のほうでお辞儀をしようとすると、「顔が真っ暗」になってしまうことがあります。

 

そういうわけで、「お花の位置」とか「お辞儀の位置」を決める時は、ホールのスタッフに頼んで、「本番時の照明」を点灯してもらい、その照明の当たり方を観ながら、位置を調節して決めるといいと思います。

 

時々ある「お辞儀の位置は特に決めていません。”このへんでお辞儀をしなさい”、とだいたいの場所は教えてあります」といった曖昧な指示の場合、演奏者によって、場所が微妙に異なり、「きちんと照明があたっている場所」でお辞儀をする人もいれば、「照明が当たってない場所」でお辞儀をする人もいて、それを臨機応変に撮影するのは非常に難しくて苦労します。

(※明るさを数値化すると、照明の有無というのは、明るさが8分の1~16分の1くらいになってしまうので、すごく大きな差があり、それを瞬時に調節するのは、写真撮影では至難の業になるのです)

 

 

それから、発表会などでは、最初または最後に「主催者からの挨拶」というのがありますが、これの立ち位置も、「まったく照明が当たっていない真っ暗な場所で挨拶していて、客席から表情がよく見えない」なんてこともよくあります。(※お金をかけたイベントでは、こういう時はスポットライトを使用しますが、ピアノ発表会などでは、そういうのはありません)

 

挨拶する位置も、事前によく調べておくほうがいいと思います。

 

以上、ご参考にしていただけるとありがたいです。