本日のテーマ
【徳川家康の生き方に学ぶ】
歴史上の人物を取り上げ、人物をタイプ別にわけて、いろいろな教訓にしたりします。
作家の岬龍一郎氏の著書『「仕事」論』PHPでは、戦国期から太平な江戸時代を築き上げた徳川家康の忍耐に着目し、信長と秀吉と比較して次のように述べられています。
徳川家康の偉さは自分が天才ではないことを知っていたことだ。信長や秀吉は天才だった。天才ではない者が天才をしのぐにはどうすればよいか。それは、天才にはない資質、すなわち努力と忍耐と協調性をわがものとして部下を大事にすることだった。
鳴かぬなら殺してしまえホトトギス (信長)
鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス (秀吉)
鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス (家康)
信長は短気で激しく、秀吉は策略に富み、家康は忍耐強い。
ある心理学者はこの三人を現代企業の社長にあてはめ、
信長を「革命的合理型」
秀吉を「創意工夫型」
家康を「忍耐調整型」
と分類しているが、言い得て妙だ。
家康はつねに信長、秀吉を反面教師として学んだ。
たとえば、秀吉が諸大名らと刀や茶器、書画などの自慢話にふけっていたとき、家康だけは黙っていた。
そこで秀吉が「徳川殿はいかが」と尋ねると、「自分は田舎者で質素倹約を旨としておりますので、珍品などあわせ持っていません」と答えた。
奢侈(しゃし=度を過ぎた贅沢)なる生活を嫌っていたのだ。
しかも健康第一と考え、身体にいいからと麦飯を常食し、ニンニクを好んで食べ、自ら薬草を煎じたという。
質素倹約、質実剛健、深慮遠謀、そして忍耐。
この基本に忠実な生き方を守ったからこそ、家康は天下を取れたのであり、世界史的にも類のない270年間という盤石の長期平和政権を築いたともいえる。
先が見えずに混迷する
政治…
社会…
自分の人生…
そんな時代、
質素倹約……ぜいたくをせずつつましくして、出費をできるだけ少なくすること。
質実剛健……かざりけがなく、まじめで、強く、しっかりしていること。
深慮遠謀……遠い先のことまで深く考えること。
忍耐…………たえしのぶこと。こらえること。
を学ぶことが大切だと思えたお話でした。