本日のテーマ

【人の失態を見た時の心構え】

 

 

人は誰での失敗や失態をしてしまうことがあります。
その中でも、人前での恥かしい失態は後々までイヤな思い出として心に残ってしまうことがあります。

 

わたしも人前で、見られて恥ずかしい失態をしてしまった時、周りの人の気づかいで救われたことがあります。
その時に思いやりがあり、機転が利く人は知らん顔をしてくれました。

 



それ以来、この経験を生かし、人が失態をした時には見ても見ないふりをすることを心がけたいと思いました。
このことについては後で気づくのですが、武士道の教えの中にもありました。

江戸時代の武士道の影のマニュアルといわれた『葉隠(はがくれ)』に書かれていました。

 

『へたな人生論より葉隠』本田有明著 河出書房新社より――

 

人の醜態(しったい)は見て見ぬふりをする(聞書四・四二)
「白石という所で狩りをなさったとき、勝茂公はみごとに大きな猪をしとめられた。居合わせた者はみな走り寄ってきた、「これは珍しい大物をお倒しになった」と見とれていた。すると突然、猪が起き上がり、あたりを駈け出したので、見物していた者たちはうろたえ、逃げまどった。幸い鍋島又兵衛が抜き打ちに斬って捨てたが、そのとき公は「ごみが目に入った」とおしゃって、お顔を袖でお隠しになっていた。うろたえ騒いだ者たちをご覧にならないふりをなさったことである」

 


誰にでも失態はあるものです。
相手への思いやりのために心得ておきたいことです。
本当の優しさとは、自分の経験を生かし、人に気遣いができることかもしれません。
人が失態した時は見て見ぬふりをしたいものです。