( 画像は Wikipwdia より引用 )
「 サスペンション形式 」 です
この間 オーナーさんと お話していると
「 俺の車は ダブルウィッシュボーン かな ? 」 と ・・・
いえ 、 ストラットですよ
「 え ~ なんだあ ・・・・ストラットかあ ・・・・ 」
残念そうでした ( 笑 )
ですが ・・・ 「 良いサス か どうか 」 は
形式では 判りません
そう 、図面引いた人に
「 なんで こんな ジオメトリーに したの ??? 」 って
聞いて見たくなるような
へんてこな 「 ダブルウイッシュボーン 」
( 二本の 鳥の骨 ですね ) も
ありますし
うなるほど よく出来た 「 ストラット 」
( 正式には マクファーソン ストラット 式 ) も
ありますね ~
ただ 難しいのは 「 サス設計 」 で 「 キモ 」 となるのは
「 何に使うのか ? 」 が 非常に重要で
例えば 「 サーキットで プロドライバーが 本気で開発した 」
なんて 「 サス 」 は
まあ 、市販すりゃ 「 クレームの嵐 」 となりますわ ( 爆笑 )
なぜかっちゅーと ・・・
こんなもん 開発した本人も 「 公道では 使っていない 」 から ・・・・
例えば 「 積載いっぱいに積むことが 日常の トラック 」 なら
そこまで積んだ時に 本来のパフォーマンスを出せるように
しておくべきですし
また 、 「 空荷 と フル積載の ジオメトリに 大きく変化が無い 」 方が
望ましいですわな ( 笑 )
そうすると 、かの 「 卑弥呼 」 が 邪馬台国 で 古墳を造るときに
使用するトラックとして開発されたという ( 推定 )
古式ゆかしい 「 リジットアクスル 」 などは
「 最適 」 となりますね ( 笑 )
これは 荷物を 積もうが 積むまいが
「 基本 ジオメトリー変化が 無い 」 ですから ・・・・
( 実際は アクスルが 「 たわむ 」 ことにより 少し変わる )
そう サスは 「 荷重によって ジオメトリーが 変わる 」 んですね
で ・・・・
「 乗用車 は そんなに荷重が 変わらんではないか ! 」
となりますが ・・・・
今度は 「 加減速 G と 旋回 G により 大きく荷重が変わる 」 んですね
さらに ここから 「 ロール 、 ピッチ 、ヨー 」 が 出て
「 ノーマル装着タイヤ 」 と
「 S タイヤ 」 さらに
「 スリック 」 とも 生み出す荷重が 変わってきます
で ・・・・ 普通は
「 おとなしく ストレートを 巡行している時 」 を 重視します
なぜなら
「 車は ほとんどが ストレートを 走っているから 」 です
カーブに差し掛かれば
「 きちんと 減速して ゆっくり旋回して
ストレートに 来た所で おもむろに 加速すれば良い 」
そう これが 「 正解 」 です
何も 不具合は 在りません
ちょっとくらい カーブを ゆっくり走ったからと言って
「 到着時間に 大した差はありません 」
これが 自動車を
「 自分で動く 便利な大八車の延長 」 として とらえていた
黎明期の日本の感覚です
ところが 「 欧州では 車は 馬 や 馬車の延長 」 だったんですね
「 自動車が 生まれた時代 」 では
欧州では
「 馬 と 馬車 が 爛熟の時代を迎えておりました 」
今でいえば
「 ランボ 」 や 「 ポルシェ 」 、「 フェラーリ 」 のような
「 高級 スポーツタイプ 」 の 馬車が 群雄割拠しておりました
「 このシャーシが 一番 乗り心地が良い 」 から
これに 「 一番 カッコいい ボディを 架装して 」
室内は この職人に 仕上げさせて
最後は 自分の家の紋章を 付けさせ ・・・・
サロンに乗り付けて 「 伊達と栄華を競う 」 なんてことが
普通に在りました
有名な 「 エルメス 」 も 元は この
「 高級馬車 ( と 馬 ) 用の 馬具メーカーとして 誕生 」 しました
ただ 「 エルメス 」 の 賢いところは
こういった 「 超富裕層 」 には
「 旅行用のトランク や バッグなどの 需要が在る 」 ということに
気付いたことですね
もちろん 「 すさまじい過酷な使い方での耐久性を要求される 馬具 」
( もし 、切れれば 人命にかかわる )
に比べれば 「 単なる カバン 」 など
「 造るのは 簡単 」 でしたが
「 エルメス 」 は
「 馬具のクオリティ で そのまま カバンを造った 」 ので
もちろん 「 オーバークオリティ 」 となり
「 エルメスのバッグは どんな使い方でも壊れない 」
と 名声を高めてゆきました ・・・・・
ちなみに 「 バーキン 」 は 人名で
歌手の 「 jane Birkin 」 さんが
無造作に なんでも カバンに突っ込んで
カバンが ボロボロになっているのを
飛行機の隣の席にたまたま座った
「 当時のエルメスの社長 」 が
「 そういう使い方をしても
耐えるようなカバンを 造ってあげましょう 」
で 、できたのが 「 バーキン 」 です
( ジェーン・バーキンさんの動画 you tube より)
つまり もともとは
「バーキンは 無造作に 過酷に使い倒しても 壊れない 」 が
コンセプトでした
なので 本来は 「 神棚に飾る 」 様に造られたものでは
無いんですけどね ~ ( 笑 )
車に例えれば 「 レンジローバー 」 でしょうか ?
なので 自分は 「 神棚に飾る 」 ような 使用方法なら
「 バーキン 」 では無く
「 ケリー 」 だと 思いますがね ~
車に例えれば 「 アストンマーチン 」 でしょうか ?
エルメス社 からは
「 なぜ 例えが フランス車 では無いのか ? 」 と
怒られますかね ? ( 爆笑 )
ちょっと 脱線しましたが
もともと 欧州では 「 高級馬車の代わり 」 に
自動車が発達してきた こともあり
「 速くて かっこよくて 偉そう 」 なことは
自動車にとって 非常に大切だったのですわ
( 少数の超富裕者用の需要なので 、
そうでなければ 売れない ・・・・・ )
なので 「 人や荷物を多く 運ぶこと 」 より
「 超富裕層のオーナーを 楽しませ 満足させる為 」
「 綺羅星のような 少数生産の 高級車メーカー 」 が
「 欧州には たくさんあった 」 んですね
まあ のちに 「 フォードによる大量生産 」 が 始まり
ほとんどが 「 駆逐 」 されてしまいますが ・・・・
で 50年代 、60年代のモデルには
欧州車 、 米国車 、 国産車を問わず
「 リア リジット 、フロント ダブルウイッシュボーン 」 の
形式が 「 非常に多い 」 です
もともと 「 ダブルウイッシュボーン 」 の良いところは
一つは
「 ( バネ ) ダンパーが ほぼ 縦方向以外の荷重を受けない 」
ってことと
優秀な設計者が 設計すると
「 ジオメトリー の制約が少なく 自由に設計できる 」
ですが ・・・・
これ 「 諸刃の剣 」 で
「 ダメダメな サスも できてしまう 」 んですね ( 汗 )
特に 古いモデルでは
「 アライメントが 良く 判っていなかった 」 んでしょうね ?
今見ると 「 変な ジオメトリ 」 のものも多いですわ ( 大汗 )
まあ 「 パワステが 無かったモデル 」 は
「 現代の車のような ジオメトリ 」 にすると
据え切りのような 極低速では
「 ステアリングが 非常に重くなる 」
って 弊害が出るので
ある程度は 妥協する必要が 在りましたが ・・
で ・・・・
対して ストラットは
まず
「 ( バネ )ダンパーに 余計な 横方向の荷重を受ける 」 為
ロッドの強度を 確保するように
「 太くする必要がある 」 んです
必然的に その分 「 オイルの容量が減る 」 ので
「 オイルに負担を掛ける 」 のが 欠点ですね
改良モデルとしてできた 「 倒立ダンパー 」 は
「 より太い 外側の筒 」 に
荷重を受け持たせよう ってことです
なので
「 ダブルウイッシュボーンに 倒立ダンパーが無い 」
んですね
「 無駄 」 だから
もし ダブルウイッシュボーン用の 倒立ダンパーが 在れば
それは 「 ストラット用との 汎用性を持たせる為 」 ですわ
ですが ・・・・・
「 ジオメトリーの設計 」 という点で見れば
ダブルウイッシュボーンほどの自由度は在りませんが
「 サスなんぞ しょせん 使うストロークは しれている 」 ので
そのピンポイントに 合わせて
上手く 設計すれば
「 良い サスペンションが 出来る 」 んですね
それと 「 比較的 社外品が作りやすい 」 のも
「 美点 」 です
ダブルウイッシュボーンでも
「 上手く作れば 大丈夫 」 なのですが
アライメント設定を大きく変えるためには
「 アームを作り替える 」 必要があるものが 多く
この場合 「 記載変更 、 もしくは 場合によっては 構造変更 」が
必要となることが 在ります
( アームメーカー側の書類は 必須です )
「 ストラット 」 なら
ストラット側にて 設定を 変えてやれば
ここは 変更しても 特に 届け出の必要は在りません
これは 「 日本だけ 」 の 利点かもしれませんね ( 苦笑 )
なので 「 ストラットで 大暴れして 連勝を 重ねた 」 車など
たくさんありますし ・・・・
ダブルウイッシュボーンでも ・・・・
「 サーキットなんぞ とても行けない 」 モデルも ・・・ ( 笑 )
なので 特に
「 ダブルウイッシュボーン が 優れている 」 ってわけでも
ストラット式が ダメっていうわけでは 無いですから ( 笑 )
安心してくださいね