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旅先で、旅人の間で「旅する本」は確かに存在します。

長期旅行中の日本人とすれ違って、言葉を交わしたら

本を読む人(読んで来た人)というのは、三言話せば分かります。

語彙、言葉はこび、話題の転換の仕方、外国語での掛け合い。

本を読んでいる人だと、老若男女国籍関係なしに、通電するように反応し合うのです。

そんな時に交わす言葉は
「読み終わった本があったら交換しませんか?」


「君、伊坂幸太郎持ってるんだって?」と瞳を輝かせて聞いてくれた、世界横断中のサイクリストさん

「私の一番好きな本だから、のぞみちゃんにあげる」とガルシア・マルケスを私に託してくれた、中南米で出会ったMちゃん

「これ読まなきゃ生きてる意味がないから絶対読め!」と半ば興奮気味に手渡された『in to the Wild』
 
一晩中、幾夜も幾夜もビール片手に語り明かした文学談義。

旅行中、恩人のIさんを思い出しながら、交換せずにずっと持ち歩いていた『月と六ペンス』なんて何度読み返したことでしょう。

スペインまで逢いに行った、憧れのあの人に差し上げた本のタイトルは何だったかしら。


次の旅では、どんな本に出逢えるのか、今から楽しみです。
 
 

『ボッコちゃん』星 新一著
新宿ゴールデン街でバーテンダーをしている時、お客様から「ボッコちゃん」と呼ばれていました。



『夏子の冒険』三島 由紀夫著
ドイツにて、親友に「これ君に似ていると思う」と手渡された一冊



『夜は短し歩けよ乙女』森見 登美彦著
オランダにて、初対面の紳士に「この主人公、君にそっくりだと思う」と手渡された一冊



『さがしもの』角田光代著

クラスのお友達に
「この中の「旅する本」の主人公が、もみやちゃんにそっくりだったのよ!」
と、一冊の本を頂きました。

日本で古本屋に売った自分の本(名前が書いてあるの)に、

外国の行く先々で再会する。という内容のお話なのだけど、こういうことってあるよね。