ぎるばーとのノート

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一様分布の標本最小/最大/中央値【ときどき分布・2記事目】

一様分布の標本最小/最大/中央値

標本最小値と標本最大値

 標準一様分布の順序統計量X(i)が従う分布は、

 X_{(i)} \sim \text{Beta}(i,\ n + 1 - i)

でした。
 X(1)が統計量としての標本最小値、またX(n)標本最大値です。それぞれ次の分布に従います。

 \begin{cases}
X_{(1)} = X_\text{min} &\sim \text{Beta}(1,\ n) \\
X_{(n)} = X_\text{max} &\sim \text{Beta}(n,\ 1)
\end{cases}

一様分布の標本最小値
一様分布の標本最大値

 nが大きくなるにつれ、X(1)はより小さな値をとりやすくなります。その逆に、X(n)はより大きな値をとりやすくなります。
 また、X(1)とX(n)で、ちょうど鏡に映した形をしています。

標本中央値

 x(1) ... x(n)のうち、真ん中の順位となる観測値が標本中央値x̃です。
 nが奇数なら(n + 1)/2番目が真ん中になります。ひとまず、nを奇数に限定して進めることにします。

 統計量としての標本中央値をX̃で表します。X̃は次の分布に従います。

 \tilde{X} \sim \text{Beta}(\frac{n + 1}{2},\ \frac{n + 1}{2})

一様分布の標本中央値
nが偶数の場合

 nが偶数の場合は単一の標本中央値がないので、真ん中2つの平均をとります。これは奇数の場合とは定義が違い正確にいえば別物です。このときのX̃の分布はベータ分布で表現できません。