採卵周期にボルタレン座薬?? | 鳥取イヌイ薬局乾マリコ薬剤師の漢方相談ブログ

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中医学、漢方を通じて皆様にお伝えしたいこと、
周期療法を通じて、不妊症、生理不順のお客様にお役に立てるよう
情報発信していきたいと思います。

こんにちは

不妊子宝アドバイザー薬剤師の乾マリコです。

不妊症のご相談を受けながら

不妊症のクリニックに通院されているお客様から

最新の治療法を伺います。

 

治療法の中で薬の使い方が

薬品名だけを聞くと、

何故、使うの???ということも・・・

 

私たち薬剤師は、

添付文書に記載されている

厚生労働省から認められた適応症の

使用方法しか知らないので

お客様の情報を得ながら、

処方された意図を考え、調べます。

 

最近の使用方法では

ボルタレン座薬の使用法。

 

ボルタレン座薬といえば

40年以上前から販売されている保険薬です。

一般薬では、湿布剤などで販売されていますが

内服ではまだ、一般薬としては販売されていません。

解熱鎮痛剤で、解熱や歯の痛み

腰の痛みなどで使用される座薬ですが

不妊症の採卵周期に使用されることがあります。

 

使用理由は・・

排卵日を調整するために

排卵抑制する理由で使われることがあります。

 

なぜボルタレン座薬なのか・・・

それは、非ステロイド薬であるボルタレンは

シクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害し、

プロスタグランジン合成を抑制するため

解熱鎮痛効果があります。

これが生理痛に効く理由でもあります。

なぜ排卵抑制するのかは・・

プロスタグランジン(PG)のPGF

卵胞破裂に関与していると考えられ、

さらにPGFの増加は、排卵するための

卵巣収縮の増強にも関与していると考えられています。

 

また、PGE2は、卵胞内各層の改造に作用して、

豚での動物実験ですが

黄体形成を終了させることが報告されています。

 

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の標的分子である

シクロオキシゲナーゼ(COX)2は、炎症部位だけでなく

排卵前期の卵胞にも発現していますが

NSAIDsはPG合成を阻害するため、

排卵を間接的に抑制すると考えられているそうです。

 

以上の理由により

不妊治療(体外受精)では、

採卵時に排卵直前の卵子を採取するため、

卵胞が成熟し、排卵誘発剤を使用後、

採卵時までの排卵防止を目的に

NSAIDsが使用されることがあります。

保険適応外の使用ですが、不妊症の治療自体

現在のところ保険適応外です。

 

医療は全般的に日進月歩の世界ですが

不妊症の治療でも

新しい薬だけでなく、昔の薬でも

試行錯誤して使われています。

 

このようなことを知らずに

不妊症クリニックからの処方箋で

ボルタレン座薬が処方されていた場合。

「発熱ですか?」などど

とぼけたお伺いをたててしまうので

注意しなければ・・・と思います。

 

自分自身も不妊症の情報を日々収集していますが

やはり 通院されているお客様から頂く情報が

毎日の勉強になります。

いろいろおうかがいしますが

どうぞ 教えてくださいね!

 

お客様があふれんばかり笑顔になりますように・・

日々 精進していきたいと思います。

 

国際中医専門員

国際中医薬膳師

薬剤師

イヌイ薬局 乾マリコ