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9→10のミステリー [クラシック雑感]

名人位9連覇の中原誠名人が10連覇をかけて、加藤一二三十段と激闘を繰り広げ、残念ながら10連覇ならず、加藤一二三新名人の登場となったとき、当時の将棋界ではかなり衝撃的でセンセーショナルなできことであった。


このとき子供心に思ったことが、9連覇から10連覇を成し遂げるときのミステリー、いわゆる9→10へのミステリーについて、相当悩んだことがあった。子供なのに悩んだのである。


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やっぱりそうなのかなぁ、という感じで、自然界の慣わし、神様のお達しというか、そのようにできているのかなぁという感じで。


そう思ったのは、その当時、自分の脳裏に鮮烈に蘇ったのは、プロ野球で、あの王・長嶋を擁して、川上哲治監督のもと、V9,9連覇を成し遂げた巨人のことを思い出したからである。


自分は巨人V9時代は、後年から実体験している世代である。
自分は、やはり長嶋茂雄さんの大ファンであった。


長嶋さんは、やっぱり格好良かった。”男の躍動感”、”燃える男”という感じで、「四番・サード、長嶋」は本当に絵になる男だった。


「巨人、大鵬、卵焼き」の時代である。


そんなV10,10連覇を目指すシーズン、結局、中日ドラゴンズに優勝を奪われ、10連覇はならなかった。神話は途切れた。その年に、長嶋さんは引退。


その引退試合の後楽園球場での巨人×中日のダブルヘッダー、じかに観ていました。


いまでも鮮烈に覚えています。

長嶋さんは、その引退試合にホームラン。場内をわかせました。
1試合目が終わった後に、場内一周を外野フェンス沿いに歩いて回ってお別れの挨拶。


そして第2試合の最後の打席、「四番・サード、長嶋」のアナウンスに、場内、悲鳴のような叫び声。


「長嶋、やめるなー!」
異常な雰囲気でしたね。

最後は内野ゴロで、ジ・エンド。

そして試合終了後のあの伝説の挨拶、ちゃんとリアルタイムで観ていましたよ。


「巨人軍は永久に不滅です。」

の名セリフを残して、まさにプロ野球の歴史にひとつの時代の終焉を告げた。


自分は、数年前、この長嶋さんの引退試合、巨人×中日のダブルヘッダーを収録した市販DVDビデオを購入しましたよ。(笑)


小さな子供の頃に、TVの前でかじりついて観ていたあのシーン、ふたたび歳をとってから観ても涙が出ました。


そんな思い出があるから、あれから数年後、中原誠名人が名人位10連覇ならず、にでくあわせたとき、ありゃー、やっぱりそうなのか、偶然なのか、いや、これって自然界のならわし、9→10のミステリーじゃないのかなーと心底気味悪がったものである。


神様のお告げ、まさに人間が逆らえない運命というような。。。


それから数年後、自分がクラシック音楽に興味を持つようになり、その世界に入っていったとき、またしても、この9→10のミステリーに遭遇することになる。


それは作曲家が交響曲を作曲していくとき、第1番から第9番まで作曲することはできるが、第10番に進むときに、死んでしまい、第10番に到達できないというミステリーである。


これはクラシック界の中で、相当有名な伝説で、「第九の呪い」と呼ばれている。第九の呪いは、クラシック音楽の作曲家の間で囁かれていたとされる、「交響曲第9番を作曲すると死ぬ」というジンクスである。


ベートーヴェンが交響曲第9番を完成させた後、交響曲第10番を完成することなく死去したことに端を発する。
 
グスタフ・マーラーが「第九の呪い」を恐れて、交響曲第8番の完成後次に取り掛かった交響曲を交響曲として認めず「大地の歌」と名づけたという逸話が知られている。マーラーはその後に交響曲第9番を作曲したが、交響曲第10番は未完に終わった。


実際に「交響曲第9番」作曲と前後して死去した主要な作曲家は、ベートーヴェン、ブルックナー、マーラー、ヴォーン・ウィリアムズ、シュニトケ、ヴェレスなどがいる。


もちろんそうならない例外もある。ドヴォルザークは9番目の交響曲を完成したところで打ち止めになったが、初めの4曲は生前には出版されなかったため番号が振られず、現在第9番とされている作品も当初「交響曲第5番」として出版されたため、厳密には「交響曲第9番」を作曲して死んだわけではない。


他の多くの作曲家はその前で打ち止めになっているか、それを大きく越えている。たとえば、交響曲を主な表現の手段とはしなかったラフマニノフなどの作曲家は第9番のはるか前で打ち止めになっているし、交響曲を重要な表現の手段としていたブラームス、チャイコフスキーらも、結局第9番に及ばないところで打ち止めになっている。


一方で、ハイドンやモーツァルトといった作曲家は、第9番をはるかに上回る数の交響曲を作曲している。


でもクラシック界では、この「第九の呪い」はかなり有名で、子供の頃に巨人V10ならず、中原誠名人10連覇ならずを体験した身からすると、まさか大人になったときにクラシック界で、さらに「第九の呪い」にでくあわすとは思いもよらなかったのである。(笑)


また最近発見したのは、IT業界にも「第九の呪い」があるらしい。


Windows


Windowsはたくさんの人が知っているOSだと思うが、バージョンの推移はどうだったであろう。Windows7が大ヒットして、そのあと、8、8.1・・・そしていきなり10に飛んでいる。本来9として出るはずだった8.1が大不評だった8に対してテコ入れにならず、リブランドとしてWindows 10を出したことは記憶に新しい。


iPhone


iPhoneはどうであろうか。iPhone 7、8と来て、いきなりX(テン、つまり10)に飛んでいる。iPhoneXは世代でいうと9世代に相当すると思うが、9のネーミングをスキップしたものの結局失敗に終わりそうである。


Android


Androidに目を向けてみる。実は最新のバージョンが8(Oreo)である。次のバージョンの9はまだ出ていないのだが、このタイミングでOracleとのJavaをめぐる裁判の旗色がすこぶる悪くなっている。


IT業界の第九の呪いは、9番をスキップして10番に行く、という意味のようであるが、彼らはこれをIT業界の第九の呪いと題して気味悪がっている。


どんなプロダクトでも、9作目まで行くということは、はじめのころに大成功したということになる。じゃないと打ち切りになっているはず。なにがしかの成功体験があって継続し、そろそろネタギレになる時期がこの9番目という数字なのかもしれない。


とにかく自分の場合、この自然界のオカルト、第九の呪いをはじめて意識したのが、中原誠名人10連覇ならず、の瞬間、子供だった自分の脳裏にまっさきに思い浮かんだのは、王・長嶋時代の巨人の10連覇ならず、だったのだ。


そのミステリーが頭の中にシンクロして駆け巡った。


あ~神様って、やっぱりそうなんだ、自然界ってそういうルールになっているんだ、と子供心に相当悩んで、かなり気味悪がったものなのである。

 





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