我家(バブル古民家)には、りんちゃんと私だけが住んでいる。
いわゆる実家一軒家なので全然使用していない部屋がふたつある。
たまに窓でも開けて掃除しておくかな、と二階和室の窓に向かった。
夏の容赦ない西日を受けてボロボロになった網戸はすでに撤去済み。
ロックをはずしガラス戸をひく。久しぶりに見る新鮮な景色。そしてひんやりした空気…。
あっ。
窓のさんに黒い物体!
そこから記憶はとぶ。
気づいた時は黒い物体に覆いかぶさるようにして畳にうずくまっていた。
黒い物体が私の腕から逃れようともがいている。
「りんちゃん」
なにがどうしたのか、よく把握できないけれど、ま、窓を閉めなくちゃ。
立ち上がる私から走り去るりんちゃん。一人残された私は掃除を始めた
でもさ。あれ、ものすごく危険だったんじゃないの?
あのまま外へジャンプしてたら、いくら猫とはいえ、どうかなっていたんじゃないの??
階下へ行ってみると、クーカクーカ。りんちゃんは日溜まりで昼寝をしていた。
今さら、危ないことはやめてね、と言ったところで、なんのたしにもならないだろう。
日ごろ、大ジャンプするたびに「りんちゃん、すごい!」だの
「ニャリンピックなら金メダルだね」などとほめそやしていたのがいけなかったのか。
夜、最上部分が抜けてしまったキャットタワーから棚の上へジャンプしようとしているのを発見。
長距離すぎる。
私は駆け寄り、抱き抱えた。「りんちゃん、こらえて。長距離ジャンプは危険だよ。こらえてね」
またまた逃げ出し途中で振り向くその顔は、邪魔すんなよなー、ってな反抗的感情もろ出し。
ムカッ。
最近は、こんな危機一髪、一発触発の日々を過ごしている私である。