大切なことを先延ばしにしない11のタスク管理方法



「まとまった時間ができたら英語の勉強をしよう」
「仕事が落ち着いたら留学の準備をすすめよう」
「今日は早めに帰って勉強しよう」

こんな思いありませんか?

これ、昔の私です。実際は「まとまった時間」や「仕事が落ち着く」ことなどありませんでした。次から次へと仕事は生まれ、決してなくなることはありません

そんな中、仕事をしながら約1ヶ月で簿記2級を取得したり、MBA受験のための英語学習時間を確保(留学未経験ながらTOEICは満点まで届きました)したり、転職活動したり、副業してみたり、1ヶ月で100キロ走ったりと、仕事以外のタスクもこなしてきました。

常に「どうしたら1日を効率的に過ごせるか」ということを意識し、特にタスク管理方法は試行錯誤してきました。タスク管理に関する本は30冊以上は読んでいます。

スマホが当たり前の世の中になり、タスク管理はさらに難しくなったと思います。
そんな時代にも対応したタスク管理方法をご紹介したいと思います。だまだ未完成ですが、20年かけて作ってきたものですので、それなりに効果は保証します。

ノートに手書き

まず第一に、タスクを整理するなら、ノートに手書きが一番です。

このように言うと、アナログ大好きなオジサンと思われる方もいるでしょう。しかし、仕事ではChatworkやAirtable、Hubspot、Mailchimp、Miro、プレイベートでもAirbnbやGrabなど幅広くデジタルツールを使っています。まるまる365日、Todoistでタスク整理した年もありますし、同じように1年間Evernoteを試したこともあります。

いろいろ試したなかで、「頭を整理するならアナログが一番」というのが結論です。

デジタルツールを使うと、かならずスマホやパソコンを開くことになります。そうすると、嫌でもLINEやFacebookの未読バッジが目についてしまいます。

タスクを整理するためにスマホやパソコンを開いたのに、LINEやメールボックスを開いて「ついつい」仕事を始めてしまうことありませんか?

1つのことに集中するためには、頭の中にある他の考えごとを全て吐き出しておく必要があります。「あれもやらなきゃ」という思いを頭に残したまま、1つのことに集中することは不可能です。

「タスクの整理」に集中するためには、「タスクの整理」を邪魔するものを意識からすべて取り除く必要があります。ここらへんは、以下の書籍を読むとわかりやすいと思います。






手書きよりデジタルツールのほうが書きやすいのは確かです。しかし、やりたいことの整理が最大の目的であり、そのためにはデジタルツールは最大の敵です。

必ず仕事開始前に整理する

「タスクの整理」に集中するためには、他の考え事をいったん忘れる必要があります。

仕事がはじまると、上司からのメールや営業ノルマ会議の予定などが目に飛び込みます。上司からの「至急|A社からのクレーム処理について」というメールを見たあとに、のんびりタスク整理に集中するのは難しいです。

また、今日のタスクを整理せずに仕事をはじめると、緊急性の高い仕事に手を付けてしまい、本当に大事な仕事が終わらないことになります。

私は朝の9時半から10時をタスク整理に割り当てていますが、仕事開始前であれば前日の夜であっても問題ありません。

整理するときにはデジタルツールをすべてオフにする

デジタルツールは、プッシュで情報を送りつけます。LINEやSlackの着信通知、Googleカレンダーの会議予定通知など、いやでも目につきます。

このような状況で1つの仕事に集中することは不可能です。ですので、頭を整理するときは絶対にデジタルツールをオフにするか、目につかない場所においてください。

月曜日はタスクを洗い出す日

仕事を始める前に、PCやスマホを閉じた状態でノートとペンを用意したら、準備はOKです。

まず、月曜日にこれからやりたいと思っているタスクをすべて洗い出します。
コツは、今週のタスクではなく、これからのタスクということです。すべてのタスクを頭から吐き出しすことが目的で、いつやるかは後から決めます。

この作業が終わったあと、頭の中に「あ、これやらなきゃ」というのが一切無い状態を目指します。

私の場合、B5サイズのノートの左ページに縦に書き出します。26行あるページを真ん中で分割し、最大52個までのタスクを書き出します。私の場合は52個でほぼ足ります。

「資産的」なタスクと「費用的」なタスクに分ける

仕事には「資産的」な仕事と、「費用的」な仕事があります。

資産的な仕事とは、「その仕事をすると、その成果が長い時間をかけて価値を生み出すもの」になります資産的な仕事を1時間したとしたら、その仕事が将来にわたって毎日10分節約してくれる、こうした仕事を指します。

たとえば、新入社員の教育用マニュアルの作成です。あなたは、社員の入社があるたびに、会社のルールやPCの設定方法など、毎回似たような内容の教育を1時間しなければならないとします。

そこで、その内容を動画や紙のマニュアルにまとめたとします。それを新人に見せることで、次回からの教育時間が30分に減らせたり、他の人にお願いすることができるようになるかもしれません。

動画やマニュアルをつくるには、もしかしたら10時間以上の時間がかかるかもしれません。しかし、それが将来的に10時間以上の価値を生む、そうした仕事が資産的な仕事になります

一方で、経費処理や出張申請、1回限りの説明資料作成は使いまわしができません。こうしたものを費用的な仕事とよびます。

このように、仕事には資産性を持つものがあり、これらは生産性という観点で重要性の高いものです。しかし、緊急性は低いことが多く、どうしても後回しになりがちです。

緊急・重要マトリックス(出所:Fujifilm

ですので、資産性のあるタスクには、その後ろに「A(Asset=資産)」という文字を足して、見た目でその他のタスク(=費用的タスク)から分類します。

それぞれのタスクにかかる時間を見つもる

月曜日の朝、これからやりたいタスクをすべて洗い出し、資産性のあるタスクを分類したら、それぞれのタスクにかかる必要時間を書き込みます。

私はポモドーロ・テクニックを使うことがあるので、30分単位で時間を見積もりますが、ここは各自の自由です。

コツとしては、資産性のある仕事は自分の想定以上に時間がかかります。一方、メールの返信や買い物などは、想定よりも少ない時間で終わることが多いです。ですので、時間配分をするときには、資産性のあるタスクには少し多めの時間を配分することをおすすめします

毎日、仕事前にその日のタスクを設定する

すべてのタスクが洗い出したら、これを毎朝その日の仕事に割り振っていきます。

たとえば、月曜日の朝に50個のタスクを洗い出したら、そのなかから「今日やるやつ」をピックアップします。つまり、月曜日だけは、全部のタスク洗い出しと、月曜日その日のタスクピックアップという2つの作業が発生します。

ピックアップする際には、資産性の高いタスクを最初に選びます。その後、1日の予定を見ながら、各タスクにかかる時間を考慮しながらピックアップしていきます。

午前中は資産性の高いタスクに割り当てる

資産性の高いタスクは、緊急ではない上に完成に時間がかかることが多く、日常では後回しにされやすいタスクです。一旦、緊急性の高いタスクに手を付けると、そのことが頭にこびりついてしまい、なかなか重要性の高いタスクにとりかかれません。「落ち着いたら取り掛かろう」の「落ち着いたら」は、二度とやってこないものです。

また、費用性の高いタスクよりも「頭のエネルギー」を使うものでもあります。ですので、1日の早い段階で集中的に取り組む必要があります。

新しく発生したタスクは、すぐにノートに書き込む

すべてのタスクを整理しても後からタスクは生まれてきます。

会議をすれば議事録作成、メールを返信すればさらなる返信がやってくる、こうした具合でタスクは時時刻刻増えていきます。

このときNGなのは、「覚えておいて、後で手をつけよう」です。記憶力の問題ではなく、頭の中になにか溜め込むと、1つのことに集中することが難しくなるからです。

この場合の対処は3つ。
  • なにかのタスクに取り組んでいる場合は、ノートに書き込んで、もとのタスクに戻る。
  • 仕事の合間や移動時間など集中していない時間の場合、その新しいタスクが3分以内に終わるものなら、そのまま手を付けて完了させる。
  • 3分以上かかるタスクなら、ノートに書き込んで、他のタスクに移る。
所要時間5分で判断する人もいます(下掲「1440分」の著者はそうです)が、実際5分あればかなりの作業量がこなせます。そこまでの作業を伴うタスクに取り掛かると、相当量の集中力を使うので次のタスクに影響を及ぼします。私の経験上は3分が最適です。


タスクが終わったら、ノートのタスクを線で消す

これ、重要です。線で消すことで、仕事が進んでいる達成感を感じます。この達成感が充実感につながり、仕事への集中力を高めます

線で消す以外に、シールを貼るでもなんでもOKです。なにか、目に見える形でタスクを消していくことが重要です。

1日の終りにタスクが残ってしまっても凹まない

お恥ずかしい話、私はかなりの確率でタスクが残ります。理由は色々とあります。
  • 急な会議に呼び出された
  • 本当に緊急な用事が入った(これが一番やっかい)
  • 集中力が続かなくなって、途中でネットサーフィンしてしまった
  • 飲み会に誘われた
  • タスクが想定以上に時間がかかった
タスクが終わるまで働き続ける選択肢もあります。ここは年齢と価値観の問題だと思っています。

若かった頃は、すべて終わるまで根性で頑張りました。それが、仕事のスピードを上げてくれたのは確かです。

一方で、そのような働き方をしていると、人生における重要なタスクを後回しにしてしまうことに気づきました。

子供と遊ぶ時間、家族と食事を楽しむ時間、自分の転職機会を探す時間、趣味に没頭する時間、こうしたものは緊急性がありません。しかし、自分で時間を取らないと、永遠にやってこない時間でもあります。

なので、タスクが残ってもそれはそれとして受け入れて、明日がんばることにしています。

大事なのは、1つ1つのタスクにどれだけ集中して取り組めたか、時間通りに終わらせる努力をしたか、自分を律せられたかです。

もし、それが出来なかったのであれば、気合とかで済ますのではなく、「そうならない」仕組みを考えるべきです。「急な会議が入る可能性をみこして、1日30分のバッファを持つ」「YoutubeとAmazonは開けないようにリンクブロックする」など、反省を明日からのルールに落とし込んでいきます。

(番外編)おすすめのノートとボールペン

最後にツールをご紹介します。

過去、フランクリン・プランナー、モレスキン、Rollbahn、RHODIA、コクヨのノートなど、過去20種類くらいはノートを試してきました。その結果、私のタスク管理方法には、次の要素が大事ということがわかりました。
  1. 月曜日に洗い出したタスクのすべてが、ひと目で見れること
  2. タスクを書き出すのに、十分なスペースがあること
  3. 書きやすいこと
  4. 持ち運びに便利なこと(軽い、小さめ)
  5. カッコいいこと

最初にためしたのはフランクリン・プランナーです。
フランクリン・プランナー リフィルタイプ

「7つの習慣」に感銘を受けて買いました。これは良くできていますし、おすすめもします。しかし、私にはスケジュール部分が不要でした。スケジュール部分が幅をとるため、タスクを書き出すスペースが限られるのと、それだけ分厚くなります。スペースが限られると、タスクを小さめに書かなければならず、それがストレスになりました。


次がモレスキンです。
モレスキン 無地 ポケットサイズ

GTDの著者はモレスキンをおすすめしてます。そして、かっこいい!私は、かれこれ3年ほどモレスキンの白地・手帳サイズを使っていました。モレスキンの白地はスケジュール部分がないですし、使えば使うほど味が出てくるので、本当に好きでした。

しかし、1ページが小さいため、タスクをすべて書き出すと一覧がページをまたいでしまいます。このため、金曜日(週の最終日)に月曜日に洗い出したタスクを見ようとすると、かなりのページをまたがなければいけません。そして、高い割に紙質はよくありません。

そこで、RollbahnとRODIAを試しました。MBAとか行くとRODIAっぽいもの使っている人多いので、憧れてもいました。この2つは普通におすすめします。モレスキンよりは大きいですし、紙質もいいです。
Rollbahn A5タイプ


しかし、私の管理方法には少し小さかった。タスクの一覧性に不満がありました。ノートサイズを上げればいいのですが、そうすると分厚くなります。分厚いノートの問題は、鞄の中っで他のものとぶつかって、ページがひしゃげることがあるのです。あと、Rollbahnは、真ん中のリングが邪魔です。左ページに書き込む際、リングに手があたってページ全体を使えないのです。

そんな不満を抱えてる自分が、最後に見つけたのがMDノートの横罫。

MDノート ライト(A5) 横罫 3冊組

「ライト」版と通常版があるのですが、通常版はライト3冊分くらいの厚さになっています。以前は通常版を使っていたのですが、厚めなので1冊を長く使う形になり、半年後には痛みが激しくなりました。そこでライトに変えてます。

MDノートは、ノートなのでスケジュールがありません。1ページにすべてのタスクが収まるベストサイズ。そして、書き心地が最高です。見た目はシンプルで、好き嫌いの無いデザイン。アマゾンで少し買いだめするくらい、なくなっては困る存在です。

ボールペンはそこまでこだわりはありません。PentelのEvergelも、フリクションボールも好きですが、ここ3年のお気に入りは、こちらです。
三菱鉛筆 3色ボールペン ジェットストリームF 0.5 SXE360105.24 ルミナスブラック 

上で紹介したMDノートとの相性がいいので気に入ってます。

ノートとペンは好きなものでいいので、ぜひこのタスク管理方法を試してください。

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