最終章 王子の視点編
No6
ママは言った
「 毎日とても忙しいわ (笑)
朝は5時起きで二人のお弁当を作らないといけないし
幼稚園に送っていってから
ママ友さん達のおしゃべりにも付き合うし
王子が帰ってきたら公園で走り回らないといけないのよ
水商売をしていた時は髪型や
お化粧にも気をつかわないといけなかったけど
お化粧にも気をつかわないといけなかったけど
王子と一緒の時はとにかく動きやすい服装で
髪も気にしていられないわ
それだけ 激しいの 男の子は
王子といると時間が飛ぶように過ぎていくの 」
王子といると時間が飛ぶように過ぎていくの 」
「 わかるよ 」
「 以前の私は・・・・・
朝起きると なんか・・・
朝起きると なんか・・・
鬱になっている時が多くてね
起きた瞬間から暗い気持ちが一日中続いて
もうそれが当たり前になっていてね
一生この気持と付き合っていくんだって・・・・・
思っていたの
起きた瞬間から暗い気持ちが一日中続いて
もうそれが当たり前になっていてね
一生この気持と付き合っていくんだって・・・・・
思っていたの
でも 今は朝
目が覚めると王子はパワー全快なの
鬱になっているヒマはないのよ 」
ママは少し涙ぐんでいた
僕はママがよく話して聞かせてくれたことを
思い出しているんだと思った
子供の頃あこがれていた
帰ってくると灯りがともっている家・・・・
あったかくて どこに居ても帰りたくなる家・・・・
ママは口につけていたカップをお皿にカチャンと置いた
キャラメルフラッペは
もうカップに少ししか残っていなかった
もうカップに少ししか残っていなかった
「 過去は・・・・・・・
反省の材料としてあるものだと思っていたの・・・・・
だって どんなに頑張ったって
過ぎ去った過去の事実は
変えられないでしょ? 」
「 ・・・・・ああ・・・・・・
たしかに・・・・・・・・ 」
おじさんは遠くを見つめるように言った
「 ところが あるのよ 過去を黄金に変える秘訣が! 」
「 そりゃなんだ?(笑)
タイムマシン?
ドラエモンか?(笑) 」
「 そうね ドラエモンもステキだけど
それは 自力でできることなんよ 」
ママは本当に嬉しそうに言った
「 そりゃ 過去に起こった出来事事態を
変えることはできないわ
変えることはできないわ
でも
過去に対して自分がどのように考えるかは自由なのよ
過去を素晴らしい
黄金色に変えてしまうには
黄金色に変えてしまうには
今現在の自分がいかに幸せかによるの 」
おじさんは身を乗り出した
真剣にママの話を聞いている
「今現在この一瞬一瞬が
本当に心から幸せだと感じるのなら
ああ・・・・
昔あの出来事があったから
今の自分がある
と思えるでしょ?まさに
現在の幸福感で過去をも
黄金色に変えてしまえるの 」
「今を・・・・・幸せに・・・・・か・・・・・ 」
「 だから・・・・・・
今こうしてナカヤ君・・・・
あなたと会えて私は嬉しいわ
素直に同じ中学であなたと会えて
本当によかったと心から思う 」
おじさんはママの言葉を一つ一つ
自分に染みこませる様に聞いていた
自分に染みこませる様に聞いていた
そして
暫くしておじさんが口を開いた
暫くしておじさんが口を開いた
「 そうか・・・・・・・・
それなら 今 お前は・・・・・・・ 」
ママの頬から一滴 涙がこぼれた
そして ハートを撃たれるような笑顔をみせて
僕を引き寄せてこう言った
「 ええ・・・・・・・・・幸せよ 」
おじさんの目にもうっすら涙が滲んでいた
「ナカヤ君 私 幸せなの
これ以上ないくらいに・・・・・ 」