22年の新型リール

イグジストやステラがモデルチェンジしましたね。

自分だとメッキやアジングといった陸っぱりに使うリールにあたります。

これらはフラッグシップモデルは使わない(買えない)のですが、新型モデルは見ててワクワクしますな。


そして目を引いた新型リールといえば

カルディアSW ですな。


これはステラやイグジストと違い、オフショアの釣り用のリールですんで、より必要性は高い。

さらに、ソルティガやセルテートSWとフラッグシップや二番手にしか国内では設定の無かった14000/18000番の設定。



私の本職であるGTキャスティングにも使えるサイズの設定があったわけです。

まあヒラマサとマグロとあってロウニンアジのロの字もないけど…

が、その設定からツイッターここ数日炎上してました。

カルディアSWがビッグゲームに使えるかどうかと。

炎上言っても否定派と肯定派に分かれてガンガンやりあったわけではなく、自分は買わないという人が何人かいた。

その中でいざという大物が来た時に不安だから買わないと言い切る人がいたり、カルディアSWを肯定する人は大物を釣った事がない、本当に悔しい思いをした事がない。
等、自分のビッグゲームガチ勢ぶりを誇る様なニュアンスで「買わない」「奨めない」を書いた為に反発食らった様です。

新型リール出たときのお馴染みの儀式でこれぞツイッターって感じ。

まあ出たばっかの新製品をああだこうだ言うの楽しいんですよね。

そういう私もほぼ釣り日誌のこのブログ。
リールに関しては毎年新製品に関してああだこうだ書いてます。

とういうわけで、炎上にガソリン注ぐかもしれませんが、カルディアSWに関してああだこうだを。

まず、ダイワがこの価格帯でソルト用大型スピニングを出したことは高く評価したいです。

フラッグシップモデルに二番手のクラスまでは出しても、さらにその下のエントリーモデルに大型スピニングって、最近はあまりないんですよね。
かつてはあったし、海外モデルではあるのに。

私のやってるGTを始めとしたビッグゲームのソルトルアー。
かつての盛り上がりを知ってる私から見て、正直言って衰退しつつある様に思えます。

趣味のさらなる多様化に人口減少、そして景気の低迷に収入減少に物価上昇。
我々の若い頃と違い、若い子には手を出しにくくなってるのは間違いないと思います。

確かに昔より道具が格段に進歩して、大物に近づいたとは思いますが、始めるのはどうか…

さらに同じキャスティングでも後発のヒラマサやクロマグロが出たGTはその傾向が強い。

GT用のロッドやルアーにしても、国内より海外の輸出の方が多いとよく聞く話ですし。

そういう新規参入者がなくなった趣味は必ず廃れる。

その事を考えるとこの価格帯で大型スピニングを出してくれた事は大歓迎です。

このカルディアSW
おそらくベースは海外モデルのBG SQですね。
その国内販売を望んでた人もおられましたが。



先代のBGは国内販売されてますが、
BG 


5000番、現行なら10000番ですか。
国内販売はそこまで、海外であった6500/18000は無いですね。

ちなみに下も海外では2000までラインナップされてる、お手頃価格なリールです。

こちらインドネシアでも売られてるの見ましたし、ショアからGTを狙うアングラーがよく使ってるのFBとかで見てきました。
ジャカルタの釣具屋で売られていたBGシリーズ

ちなみにこのBGシリーズ
歴史自体はソルティガやセルテートよりずっと古いです。

私が始めて知ったのはルアーフリークだったか、津留崎さんが書いてた記事。
93年頃やったと思います。
そこでオススメのソルトリールとして挙げた3つのうちの一つでした。

このBGとはblack&gold、つまり先代モデルもそうである様に黒と金色のカラー。
この色はその頃にソルトリールとして日本でもよく使われたペンのスピンフィッシャーシリーズと同じ。

つまりスピンフィッシャーの対抗機種として出されたと聞きました。
国内販売はされませんでしたが、くまがいさんとかが個人輸入して販売されてました。

私はBGを買いませんでしたが、ペンのスピンフィッシャーを初GTに使いました。

その後に安売りで手に入れたダイワのスーパートーナメントEX-iを購入。
さらに予備機として、安売りもあって一万円切る価格で売られたEX-iの下の下のミリオンマックスGSの5000と3000を入手して使ってましたっけ。

その間がスーパートーナメントSSシリーズだったかな。

その後、EX-iはZ-itそしてTD-Xからソルティガに。
その下のモデルはトーナメントSiにキャタリナからセルテートSWと代わりましたが、さらに下のクラスの大型モデルはずっと国内では販売されておらず、今回のカルディアSWで復活というわけです。

この事に関しては、ビッグゲームのエントリーモデルを発売、新規参入者は増やそうとする動きとして高く評価します。

ではそのカルディアSW
あんたは買うの?
と聞かれると…

私は買わないと答えますね。

その理由ですが、まずギア。

カルディアSWはタフデジギアを謳ってます。
そしてソルティガ/セルテートSWはG1ジェラルミンタフデジギア。
ソルティガの超高強度アルミに対して、カルディアSWはおそらくベースモデルのBG MQと同じ亜鉛合金じゃないかと。

亜鉛合金は安く作れるんですが、強度がどうして劣る。
巻心地はしばらく使って馴染んで来た頃は良いんですが、そこから一気にゴロ感が出るまで早い…

私も亜鉛合金ギアのリールとしてブラスト をライトゲーム用に購入した事があります。

最初はこれで充分やん!と思ってましたが、使ってるうちにゴリ巻きを多用する釣りのせいか、

ゴリ感がそれ以前から使ってるセルテート3500HDより強くなり、結局は16セルテート4000HDを購入しました。


私みたいに釣具屋に中々いけない人間として、今のリールの耐久性はじつに有り難いです。

メインに使ってる13ステラSW18000HGなんて13年に買って今までオーバーホールに出したのは一度きり。

今のとこドラグはヘタってワッシャー交換しましたが、ギアは異常ないです。


でもカルディアSWの18000はこうはいかないでしょうね。

まあその分、ギアの値段は安いかと。

20ソルティガなんてギア一組17000円もしますからね。


ただ、釣具屋に中々いけないので、安いギアをこまめに変えるより、高いギアのリールを長く使うという方を選びます。


GTやジギングはアジングや管釣りみたいに巻心地にそんなに神経質ではないですが、やはりゴロ感やギアノイズは少ない方が良いですからね。


続いてローターの問題。


私のGTフィッシングは太糸にハイドラグ、そして船で引っ張ってポイントから引きずりだすという荒い釣りなので、リールに負担がかなり掛かります。


その負担はリールの中でもローターからベールアーム、そしてラインローラーってあたりに掛かります。


ビッグゲームのスピニングリールって、このあたりが鬼門でして、その進化はここのトラブルとその解決の歴史でも有りました。


構造もそうですが、材質も変わってきました。


現行のソルティガは初代の様にメタル、アルミ。

セルテートSWは10や15ソルティガの様にザイオンというカーボン系樹脂素材。


最近はこの下にザイオンVという素材が有ります。


ではカルディアSWのローターはといいますと、その下のDS5という樹脂素材らしいです。


まあメーカーもテストしてるんでしょうから、価格と性能の折り合いでDS5でもイケると判断したんでしょう。


でも、私個人的には18000という番手は10号か12号を巻いて15kg以上のドラグを掛ける釣りに使います。

それにはザイオンは問題ないのを12キャタリナ6500Hで散々使って確認してますが、DS5はわからない。


この二つから自分のGT釣りに使うのはちょっと不安かなと。


そしてもう一つギア比。

今回のカルディアSWの18000番

18000-Hでも18000Pでもなく、18000なんですね。


要するに無印。

ソルティガやセルテートSWの18000-Hがギア比と一回転の巻取量が5.8/131cmで18000-Pが4.5/101cmに対してカルディアSW18000は5.3

/125cm。


自分は急潮流の中で釣りをするので、とにかくギア比高くて巻取り量の多いリールが必要。

18000-XH出してギア比が6.2くらいで巻取量も140cm 超えを!とずっと言ってるので、ここでもカルディアSWは買わない理由になります。


が、このソルティガもセルテートSWにもないギア比。

面白いかもしれない。


例えばキャスティングでも、ロックショアとかだとジグ投げたりミノーを早巻きしたり、抵抗がトップより強くトルクのあるリールを必要とするアングラーも多い。

だからパワーギアを使う人もいますが、そこまでいかなくてもスピードもトルクがこのあたりでバランスを…って人もいるかもしれない。


ジギングにおいても、ジャーク幅の大きいスピニングジギングをする人なんかにはええかもしれない。


と思いました。


後もう一つ気になった事。


ドラグ性能ですが、最大ドラグがソルティガ/セルテートSWの30kgに対して20kgになってますね。

そのドラグ、私も高く評価してるATDですが、18000はカーボンワッシャーが5枚と。


この写真は新旧ソルティガのドラグを分解した時のです。

上が20ソルティガ18000-HのATD
下は12キャタリナ6500HのUTDから15ソルティガのATDに組み替えたモノ。

20ソルティガは金属ワッシャー除いたATDのワッシャーが9枚

それ以前のATDは同じ18000でも5枚。

つまりカルディアSWのワッシャーは現行ソルティガより構造がシンプルでスペックは劣るってわけですな。

まあ価格から考えれば当然ですが、その性能がGTに使えるか?

カルディアSWのドラグが15ソルティガと同じモノなら、私は充分使えると断言します。

ソルティガZのカーボンワッシャーに10ソルティガ、そして12キャタリナのUTDは私も散々ブログに書いて来たように滑りが悪くてスタック連発でスプールへのライン食い込みの原因になり、ハイドラグでのGTには使い物にならない…
ってのが私の評価でした。

でも構造同じでも15ソルティガからのATDワッシャー。
それに交換したら、PE10号巻いて15kgドラグでも、確かにステラSWよりは劣るけど充分GTに使えて何匹もあげてました。

今回のカルディアSWも今までのダイワのリールから見るに、過去モデルのモノをそのまま流用、つまり15ソルティガのATDがそのまま流用されてる可能性が高い。
もしそうなら、ドラグ性能という点ではカルディアSW18000はオフショアGTに使うには充分だと思います。

ただ、10号以上巻くとドラグよりローターが保たないかもしれませんが。

私個人はこのリールを買いません。
自分の釣りに合ってないでしょうから。

でもGTでもそこまでハイドラグ掛けない、宮古島の様な走らせる事が出来るポイントで初めてやる。
もしくは国内でキハダを試してみる。

って方でリールへの出費を抑えたい方には良いんじゃないかと思います。

まあセルテートSWの18000-Hを買っておいた方が間違いはないと思いますが、人によってお財布の紐は違うので出費をなるべく抑えたい。
またはその価格差でルアーやらライン等の消耗品にお金をかけたい!ってのも正解だと思います。

とにかく選択肢を増やす事でやってみようとする人をも増やす。
それには肯定しかないですな。
是非売れて、そういうアングラーが増えてほしいもんです。